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しばらく乗っていなかった艇でもあるためリギンに負担をかけたくないので常に最小のセイルで航行
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追い波のため艇は左右にローリングしながら快適になみをかき分け突進する十分なビームとインナーバラストのせいかあまりヒールしない腰の強いボートである。
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天気予報では海上強風注意報が出ている波3メートルとなっているが時たまそれを超える高波が押し寄せるがなかなかシャッターが合わない。
3度目のエンジントラブル、12日22:00北東の風が冷たくコンパニオンウェーから少し顔を出していたところ小さなピーと言う警報音が聞こえる、それまでも強風のためエンジンはアイドリングに等しい回転で充電を主体としていたが、警報ランプの点灯こそないがすぐにエンジンを止めてオイルチェックをしたがレベルゲージの先端に少し付いているだけ、出港前には規定とうりあったのですが、エンジンカバーをはずしてもう一度始動したところ何と真っ黒のオイルが噴き出しているではないか、すぐエンジンを停止オイルをふき取り点検するが噴き出ている箇所が全く分からない、
 このようなとき冷静になり考えなければならない、幸い風が十分あるまた宵の口であり岸から十分距離があるのでそのまま走らせることとした。
 夜が明けもう一度入念に点検すると、オイルエレメントに傷がありそこから噴出していることが判明した。
 エレメントを外し紙やすりで傷の部分の塗料を落としエポキシ水中パテで口をふさいだ、しかし硬化時間は24時間のはずガスコンロで温め1時間ぐらいで硬化させ、ガムテープを巻き針金でラッシング取り付け始動するも漏れは治まったがやはり警報が止まらない。
 セーリングで一番近い港萩、若しくは須佐港かに入りオイルを買わなければと思うが風は完全になくなってしまった。昼近くになればと思うが一向に吹いてこない、そこでエンジン下に溜まっているオイルをポンプでくみ上げ布で濾し、軽油を少し加えレベルゲージに少しふれるところまで何とか確保、デットスロー2,5ノットで須佐港にどうにかたどり着いた。
 タクシーで隣町のスタンドでオイルを買いようやく15時須佐港を出航した、小倉まで70マイル強である。
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先月鳥取港からヤマハ24MKーUを回航したとき強風と高波風雪注意報発令で避難した場所であり入港に際してはさほど気を使わなかった。
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 山口県角島を廻り響灘に入った時は日付けも変わり14日となっていた風もやや弱くなり機走4ノットで走っていた時またもや奇怪な音が聞こえる、今度は誰かが唄を歌っているように聞こえる、これは自分の幻覚ではないことが確か、かと言ってどこから聞こえてくるのか耳を近づけるが発生元が分からない、そのうちに呪文かお経のようにも聞こえてきた、このボートの素性は知らない、また私はこのような怪奇現象は信じない方であるがやはり以前に乗っていたクルーの霊が宿っている、そうであればその霊を諭して上げなければならない、と思ったので
「南無阿見陀佛」と10回唱えたところ、その後このことについては気にならなくなってしまった。
 
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翌朝どうにか下関六連島付近に差し掛かった。
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下関潮流表示灯、が見えその向こうには白煙が上がる工業地帯が見えてきた通いなれた北九州工業地帯である、やはり独特の異臭が鼻に着く07:00小倉西港に到着韓国Yuoo氏に引き渡した。
本当にトラブルの多い航海であった。
回航業をしているわけではないが幾らかの報酬を貰ってもこのようにハードで危険なことには採算が取れない、私は来るべきロングクルージングにチャレンジするためその体力の維持と精神を鍛えるためあえて天候の悪い季節を選んでトライしているのである、したがって今回の怪奇現象に出くわしても一抹の不安感はない。
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