<山行報告>
徳 本 峠
○ 日程 : 9月27日(土)〜28日(日)
○ メンバー : L神田さん、川浪さん、浅賀さん、宮脇さん、林(記)
○ コースタイム : 松本市役所安曇支所5:03 〜 6:46二俣 〜
8:57岩魚留小屋 〜 10:48ちから水 〜 11:37
徳本峠(見晴台)12:27 〜13:37明神館 〜
14:22河童橋 〜 14:35上高地バスターミナル
9月27日(土)
17時に国分寺に集合し、神田さんの車に乗ると宮脇さんから「御岳山が噴火したの、知ってます?」と聞かれ、一瞬何のことかわからなかったのですが、車内で流れるテレビの映像を見ると青空に紅葉が映える山から大きな噴煙が上がっているではないですか!!徳本峠山行は衝撃的なニュースでの幕開けでした。しばらくは、皆で噴火の動向に気を取られ、車内の話題もこの話で持ちきりでした。途中のサービスエリアで夕食を食べる際にも、テレビの情報を気にしながらの行程でした。
しかし、宿泊場所である安曇野の支所につくと、東京では見られないような満点の星空。噴火のニュースが嘘のように平和な静けさを感じました。駐車場にテントを張り、しばらく皆で歓談した後、就寝しました。
9月28日(日)
私にとっては、十数年ぶりの久しぶりのテント泊。眠れるかどうか心配でしたが、断眠ながらも予想以上に眠ることができました。3時半起床で支度をし、5時に安曇野支所前で写真を撮って出発。しばらくは川沿いの林道歩きが続きました。空が白んで、陽が差してくると雲一つない青空となり、好天が確信できました。
川沿いの林道から次第に登山道へ。川に沿って緩やかに登りながら、山の奥深くへ歩みを進めるにつれて、ちらほらと色づく木々も見られるようになりました。木の葉の間から差す日の光や青空、色づく木の葉がきれいで、天気が良いとそれだけで見える景色が違うなぁと思いました。また、コケやシダの生い茂る静かな歴史の道を歩きながら、昔は皆、ここを歩いて上高地へ向かったのか…と昔の人へ思いを馳せました。
秀綱夫人遭難の碑や炭焼き窯の跡、岩魚留小屋(休業中)など歴史を感じさせるものがところどころにあったり、新しい橋から丸太の橋まで様々な橋を渡ったり、と長い距離ながら飽きることのない道でした。
約5時間の歩行の後、川を離れると徳本峠に向けての最後の登り。ここは覚悟していましたが、やはり長時間の歩行の後の登りとあって、次第に歩みが遅くなり、先を行く神田さんや宮脇さんに何度も待っていてもらいました(後ろを歩いて下さった浅賀さん、川浪さん、ご迷惑をおかけしました)。
力水では、美味しい水を飲んで一度元気を取り戻しましたが、峠までの高度350mがまた大変でした。神田さんの「絶景が待ってるよ。」という言葉を支えに、「もう少し、もう少し…」と重くなった足を一歩ずつ進めて行きました。真っ青な空に向かって近づくように登っていくと、ようやく峠に到着。
徳本峠小屋の前に張られた赤や黄色のテントの向こうには、雲一つない青空と紅葉、そして雄大な穂高連邦の絶景が…!!!その景色を見ると一気にテンションが上がり、一瞬で疲れが飛んでいきました。穂高連峰の美しさに峠の紅葉が花を添え、しばらくは写真撮影に熱中しました。そして、展望台で最高の景色を見ながらの贅沢な昼食。
帰りは、後ろ髪を引かれる思いで下りましたが、上高地へ下る間も色づいた木々の隙間から穂高を眺めることができ、最後まで景色を楽しみました。
徳本峠から見る穂高岳の展望は、深田久弥も「日本山岳景観最高のもの」と記しているそうですが、学生時代の友人からも「想像以上に大変だったけど、峠に突然現れた景色を見たら涙が出そうになった。」と聞いており、私もいつか行きたいと思っていたルートでした。そして、今回の山行では好天に恵まれ、期待通りの絶景に出会うことができました。
また、今回は御岳山の大規模な噴火という自然災害の一方での山行ということで複雑な心境もありましたが、改めて自然への畏敬を感じるとともに、安全に登山ができることへの感謝の念を抱きました。温かく見守りながら、一緒に行って下さった皆様、本当にありがとうございました。
徳本峠からの錦秋の眺望
上高地まで下山してきて
河童橋でお約束の記念撮影
錦秋の徳本峠小屋
西穂高岳
奥穂高岳
前穂高岳
明神岳