島の奥深い自然の美しい場に出向く事をしている。お参りされてきた島のおばあのお伴をして教えていただいた場が多い。
島の人と、いらぶ探検隊を発足。十二月末には十名で、一月半ばには十一名で行った。
場により、谷を下り、新しい道をひらき、アダンとカヤにより塞がれた道をひらき、道中の大量のゴミを拾い、草を払い、現れた場は本当に美しい。宝石のようだ。いろいろな人と体験を共にし、言葉を交わしていると、体験の意味が一層深まってくる。

各々の聖地には、その造形や場にふさわしい名称がある。
地球の美しさを知る…白鳥大龍門断崖上からみる広大なリーフ内のエメラルドの輝き。海は空と雲と太陽と共に息づいている。鍋底の水は紅から深紺に移りかわり、サファイアのようだ。鍾乳石の白く潤う造形の妙は芸術そのものだ。

地球の原初的なエネルギーを感じる…長山のアブに深く下りる。天と地をビーンとつなぐ気根。円筒の岩肌。浮かぶ島。洞内に天の軸。地球の時間を感じさせる、すっくと立つ石筍。その果てしない時間の先の一点に生きている自分がうれしい。八名でテーブルを囲むように底深い地球の竪穴を囲む。十二年前は底から日本最古級二万五千年前の人骨が発見されている。空間と時間の共有。

自然と自然が共鳴するエネルギーの場がある…黄金守上断崖を切り開くとエメラルドの海の光が大岩に射した。切り開きたどり着いた、はざま池を周りこむと海との境に瞑想スペースがあった。厳しい道行きとなった放送局の洞窟を見上げる飛び出し岩に立つと、眼下の海と洞窟の間のエネルギーがからだを貫き、腹の底から声が出た。

エネルギーが封じ込められている…白鳥潮吹き岩が封じ込められたコンクリートの場は息苦しい。かつての三十mの潮吹きの復活を強く望む声は多い。岩手県の宮古には天然記念物潮吹き岩があり、写真は実に荘厳だ。岬に下ると、岩礁の竪穴の花の岩屋は生きていて、みずみずしく美しい潮をみる事ができる。　

人と行く事が楽しい…人と感動を共にできる事は幸いだ。新たな発見をする人が現れて、それを皆で共有する事もある。そこがさらに奥深い場になる。道開きやゴミ拾いも精神的にも労力的にもはるかに楽になる。
人が歩いて、そこは聖地への奥の細道となる。感動が共にできると、深いところで仲良くなれる。弁当を分け合う事もある。それぞれの味が楽しい発見だ。

反省会もいつしか人生や地球を語る場になる。｢鍋底は母胎に回帰し清められ生まれ変わる場だ。海から陸に生き物が進化していく事とも重なる｣「光を観る人の心の中に光を感じる」「地球のエネルギーをチャージ（充電）しているよう。元気になる。ポジティブ（肯定的）になる」「場に出向くには自然を敬う心と装備が必要だ」「場の保全がテーマだ」

伊良部には、宮古には、人が忘れている地球の力に触れる事ができる自然の場がある。