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伊良部島移住
2003・2・11


 東京から宮古・伊良部島に移住して五年。体験をつづる。

 十九年の横浜・教師生活と八ヶ月の社員生活が終わった。 沖縄でサトウキビ刈りをする。
 
 夜中、デッキ、波ワンワン、声は体の底から月に放たれいく。 

 テント一つ島に着く。 横浜鶴見の中学に心太い島人がいた縁。

 キビに朝露、顔に汗、陽が昇っていく。

 キビの葉をザザーとはぐ、斧でザクっと刈る、束をかかえてしなり置き積む。畑に二十の山。
 太古からの体が感応している。

 風がふくふく風が救い。労働でほてった体をさらしさます。

 白砂へ。あっ、かそけき月。

 目の奥からじっと見てくる。ほっとゆるむ。神の国インドと同じ伊良部。 

 御嶽の木もれ陽の中の御願。キビ刈り仲間のおばあら踊る。

 色とりどりにきらめく珊瑚礁。 世界はこんなに美しいのか。

 主に恵まれカボチャ畑。養護学校出身の彼は袋につめて、我は運ぶ。
 もう夏の海風。「冬は、きび刈りを一緒にやろう」

 そして沖縄中の島々を旅した。

・ 那覇起きて柔らかい福木の下
・ 竹富四時テントに白い影満月
・ 白保巻き踊りおばぁ全身口
・ 与那国反骨の琉舞花酒に酔う
・ 西表船浮夕照を追って入海
・ 古見石原先生自然農食の恵み
・ 読谷昌一繭の紡ぎビールどん
・ 奥に廃屋茶蜂蜜賢愚和楽の夢
・ 屋我地島さをりで自然を織る 
・ 悠久今帰仁城乙羽学園で遊ぶ
・ 海と風の宿若者人生語り明す
・ 風と土の会小屋の柱立て会食
・ 大宜味神女何に祈る「宇宙」
・ 牧志にアジア感ず市場食堂
・ 唄姫ナビコ久高ニライカナイ
・ 水納島白き砂床ゆれる月海
・ 旅で得る島々の力新妻みどり

 再び伊良部島。雑木倒し、石拾い、ゴミ拾い、農薬まき、四町歩の雑草取り、何でもやった。

・キビ刈りグループ五年の苦楽
・ アロエベラつややか癒される
・ 願えば おじいが畑分けると
・ 娘来島共に働き海に潜り走る
・ 美しき岩戸・快き長距離会
・空港軍事化の危機平和は守る
・ルビー色ほおを結ぶローゼル

 小さい島に世界が見える。我も島も自立の時。決断の時のおじーの言葉「あんたにあるさ!」