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 著書「砂村新左衛門」

書名:江戸時代初期、新田開発に一生を捧げた「砂村新左衛門」 

 

著者:溝手 正儀(みぞて まさのり)

 

発行:とびら出版

 

体裁:A5版80ページ(モノクロ64ページ、カラー16ページ)

 

定価:1800円(税込み1890円)

 

発売:2008年12月(既刊)

 

 

 これは江戸時代初期の土木技術者砂村新左衛門の生涯を綴る最初の書になるはずである。そして私が新たに発見したり、新仮説を立てたりした新左衛門に関わる出来事を史実、すなわち根拠の確かな推理結果としてここに残して置きたいと思っている。

まえがき

 徳川家康が天下統一を完成させようとしていたちょうどその頃越前に生まれ、日本各地を駆け巡って新地開拓に情熱を注ぎ、武蔵の地でその生涯を終えた砂村新左衛門・・・その名を知る人は多くない。彼が偉大な業績を遺した砂村新田、内川新田、吉田新田のある江東区や横須賀市、横浜市でも一部の郷土史に興味のある人にしか知られていない。関東本格進出の前に業績をあげた大阪や、壮年時代までを過ごし土木技術者としての最初の業績を残した三国や生地の鯖江などの福井でも新左衛門を知る人はほとんどいない。

 私は三十歳代半ばの頃横須賀市久里浜近くに家を持ち、サラリーマン生活を終えた六十歳の秋、「半働半遊」の生活をしながら久里浜周辺を紹介するブログを立ち上げた。そこで名所や旧跡などを巡っているうちに「新左衛門」に出会ったのである。同じ技術者として共感を持ったのかもしれない。久里浜はペリーが最初に上陸した地として知られる。この江戸時代末期の出来事には多くの記録が残っている。一方の江戸時代初期の偉人とも言える砂村新左衛門については確かな記録が非常に少ないことに気付いた。未知のことがあると徹底的に調べてみたくなる自分の本能的欲求に火がついた。もちろん未知のことなら何でも興味を持つわけではない。「ちょうど推理に適した未知」・・・つまり「解き心地のよいパズル」を解くような、わくわくする興味を感じたのである。

 前半では比較的分かりやすい形で新左衛門の生涯を物語風に書いてみることにする。新左衛門に関する史料は多く残っていない。残っていてもそれはつながっていない「点」でしかない。そこで私は可能な限り合理的な推理によって「点」を結んで「線」にし、若干の時代背景を加えることで「面」にすることを試みた。ここには主観的な表現や推理に基づく記述が多くある。これは歴史書としては反則技である。従って、ここには創作が多く含まれると思って読んでいただきたい。そのためにあえて語調を変えてみた。

 そして後半では、ある程度のまとまりを持ったエピソードについて、くどくなるかもしれないが一つ一つ立証しながら論文風に書いてみる。自分で発見した新事実から新たな仮説を置いて、過去に発見された事実と合わせて仮説の合理性を証明するという方法である。もちろん百パーセントの証明はありえない。従って、私は自分の仮説を「物的証拠から確かに言えること」、「状況証拠からほぼ言えること」、「証拠がなく想像に過ぎないこと」に区分して説明するようにした。しかしいずれもこれまでの説よりは確かな新説が展開できていると自負している。

 なお、主な古文書についてはその翻刻(活字への変換)および原典コピー(写真*)を末尾の資料編に関係する部分をできるだけすべて示した。結果的に資料の紹介に多くのページを割いたが、これらは限られた場所に行かないと閲覧できないものも多く、「是非自分でも読んでみたい」という読者の要望にも応えるべきと考えたからである。

         *本サイトに紹介する本文には図・写真を掲載していません(別図またはリンクで対応します)。

溝手 正儀

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著書目次 
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