コラム:「道の駅・あれこれ」

これらの記事は、月間雑誌オートキャンパーに連載された「テーマで旅する道の駅」や「別冊付録」の中で紹介されたものも含めて掲載しています。道の駅も奥が深いですね〜。

1)きっかけは日本一周キャンピングカーの旅:2010年1月号

 私がずっと趣味にしてきた山登りやウインドサーフインはもっぱら一人で、あるいは男友達と遊ぶものでした
だから仕事が落ち着いたら妻と二人の時間を大切にしたい・・そう思って2002年にキャンピングカーを購入しました。でも車でどうやって旅をするかノウハウがわかりません。そこで当時全国に650箇所あった道の駅、これを全て回れば日本一周しやすいと考えたのです。最初は多く巡りたい、有名な観光地に立ち寄りたい、名物は味見したい、などと欲張った計画を立てたためかなり無理をしていました。
でもこうした要求を効率よく満たすため、道の駅で発売している地区毎のロードマップや市販の道の駅ガイドブックで出発前に大雑把な計画表を作りました。現地に入れば土地の観光案内や名店、温泉、病院などで紹介されているガイド本を参考に更に細かい行程を練ります。
道の駅巡りを始めて7年、いつもルートや季節が違い新しい出会いがあります。車の旅は「一生感動」、飽きることはありません。私たち夫婦の旅の楽しみの一つ温泉情報もお伝えしてゆくので、どうぞ参考にしてください。

2)集めだすと止まらなくなる「道の駅グッズ」:2010年2月号

 道の駅訪問記念に押すスタンプはもはや有名ですよね。他に記念切符というものがあるのをご存知ですか。全国役6割の駅で発売されていて一枚160円。表は駅名、裏面には駅の特徴が書かれているものが多いです。開業○周年とか、秋の感謝祭記念とか、牡蠣祭りなどのイベント時に発行される記念キップもあり今までの販売実績は277駅です。また普通のキップは黒字で印刷されているのに対し、青字(50枚に一枚)、緑字(100枚に一枚)、金字(役1000枚に一枚)のレアものもあります。これら特別キップとレアものはオークションにかかると1枚500円程度で落札されています。ほかにはマグネットプレートもあります。スタンプ同様道の駅の特徴をあしらったものが多く、集めるとプレゼントがもらえたりします。またキーホルダーも人気があります。通行手形風、わらじ、切符型など道の駅名や名産物をあしらったものも多いです。変わったところでは液晶温度計付きキーホルダーや和紙で作られた幸せ結び、イタコイヌ、ネコ、開運祈願のストラップはお土産としても喜ばれそうです。すごいコレクターの中にはレジ袋を集めている人も・・。切符同様いろいろ書かれているので結構楽しめますよ。

3)車中泊するのに最適なのはどんな駅?:2010年3月号

  駅にもいろいろあるので、私たちは立ち寄る駅と車中泊する駅を分けています。立ち寄る〜は、ほぼ昼間の条件で@最寄の温泉や観光地などの情報が入手できるか、A楽しみの一つであるランチバイキングがあるか、B土地の名産やお弁当の購入ができるか、Cスタンプや切符などの道の駅グッズが入手できるかなど。弁当には道の駅弁に登録されているものと一般の駅弁があります。どちらも土地の名産品や食材を使ったものが多く値段も手ごろなので楽しめますよ。道の駅弁は九州から始まったこともあり大分や熊本を旅する時には決めかねるほど品数も豊富です。一方車中泊する道の駅の条件。何は無くともまずは安全性です。24時間営業のコンビニやホテル、入浴施設やオートキャンプ場が併設されているところを優先的に選んでいます。これらに該当しない場合は、近くに店や人家のある駅を、そしてトイレ。営業時間中は屋内にあっても夜間用は駐車場に別にあるところが多く、夜間は使用できなかったり照明が点かない所もあるので事前に確認するようにしています。そして旅の疲れを癒すのは温泉。温泉施設のある駅は要チェックです。また混まない内に観光地に入るため近くの駅をえらぶこともあります。高速道路のIC近くの駅は旅の中継点としても重宝します。また、広い駐車場のあるところ、それも大型と小型車が完全に分離されているような所が静かで安眠できます。

4)続々オープンする道の駅:2010年5月号

  1993年4月、全国で103箇所が登録されたのを皮切りに毎年新駅が供用を開始しました。私たちが最初のキャンピングカーを購入した2002年には649駅でしたが2010年3月には新たに19駅が追加され全国936駅となりました。新駅登録の情報は国土交通省道路局のHPで容易に入手できます。また供用開始時期は新駅のHPから入手しています。「道の駅塗りつぶし同好会」に入会してからは全国完全制覇を狙って新駅がオープンすれば駆けつけるようにしていますが北海道から沖縄まで範囲が広くその年中に回ることはなかなか困難です。でも新たな観光地をを回れたり、以前気がつかなかったことに出会える楽しみもあり飽きずに車旅を続けています。また新駅とは別にリニューアルされる駅もありますね。物産所の改築やインフォメーションセンターの改築、ヤカントイレの増設、コンビニの設置、お隣に温泉入浴施設が誕生などますます快適になった駅もあります。
ちなみに新駅の登録がもっとも多かった年は1999年で81駅、次いで前年の1998年の80駅となっています。過去一度も登録のなかった年はありません。登録抹消となった事例は、京都府の「茶処・和束」のみです。現在閉鎖中の北海道「オスコイかもえない」は2010年4月23日より営業再開です。

5)トイレでわかる道の駅:2010年6月号

  道の駅の登録条件の一つに24時間使用可能なトイレというのがあります。豪華さを誇るもの、機能を充実させたもの、快適性を追及したものまど駅それぞれに特徴を持たせたトイレも多く、こうしたトイレでは高度な維持管理が行われているので快適に利用できます。一般道で長距離ドライブをする場合、トイレは必要不可欠であり、昔は良くドライブインやガソリンスタンドにお世話になっていました。でも道の駅が開設され全国にひろがるにつれて休憩施設のある駅を利用することが多くなってきました。私たちが立ち寄るだけとしている駅ではレストランや物産店など屋内にもトイレがあり清掃も行き届いているため不満を感じることは少ないです。一方仮眠を対象とした夜間利用の場合は、屋内施設のトイレは概ね閉鎖されているため屋外に設置されたトイレを利用することになるが中にはひどいものも多いので注意が必要です。
例えば、@夜間トイレがなく24時間利用できない、A夜間トイレはあるが照明が点かない、Bドアが閉まらない、Cトイレットペーパが無いなど夜間利用者を無視したかのように見える駅や、トイレがツバメの巣や虫の死骸、落ち葉、くもの巣などで汚れていたり、便器の清掃が十分で無い駅もあり、昼間用トイレに比べて維持管理の配慮が足りない駅もある。明るく、清潔で、ハンデキャップ者にも優しく、欲を言えばベビーシートや子供用トイレ、授乳用給湯設備などが24時間使えることが望ましいですね。最近トイレに対する要望や苦情が多いことから利用者のアンケートをとる駅が増えてきて新たに改築したり増築したりする駅も出始めてきました。まさにトイレをみればその駅がわかるということ。勿論一宿の恩。利用者側のマナーが大切であることは言うまでもありません。

6)道の駅の駅長さん:2010年7月号

  駅長さんの常駐する駅には活気があると感じますが駅長さんの任命はその駅の運営主体によります。第三セクターの場合、企業からの人材派遣や一般公募から。組合や公社の場合は、組合長や理事長あるいは館長などが駅長となり、市町村の場合は、市長、町長、村長などが駅長となる場合が多いようです。最近では人材派遣などは公平性や透明性が確保できないとか市民参加を図るのが難しいとの理由から  一般公募が増えています。新駅誕生の早い時機から後方やインターネットなどにより駅長の公募が行われています。福島県の「南相馬」、「ばんだい」、兵庫県の「みき」、徳島県の「日和佐」
なども一般公募だそうで前職は百貨店やスーパの店長という人もおられました。大分の駅では3駅目の駅長という方にもお会いしました。話を伺うとどこで業績を上げるか、地域の情報をどのように発信して観光に結びつけるか、農産物直売所をどう活性化させられるかなど考えるのが大きな役目だそうですが、駅の清掃レストランや直売所の手伝いから観光案内まで多忙だそうです。目下の悩みはゴミやタバコの後始末という答えが多かったです。駅長さんは地域の情報を豊富に持っていて話好きの方が多いので皆さんも是非訪ねてください。私も、道の駅サミットや価値創造セミナーや同好会があることなども駅長さんから聞いて初めて知りました。
ところで鉄道の駅には猫の名誉駅長がいて人気者になっていますが道の駅にも名誉駅長がいます。鹿児島県の「根占」にはヤギが、鳥取県の「神話の里白うさぎ」には雄のウサギがいます。また道の日(8月10日)の記念行事や道路開通記念行事の一環として一日限りの駅ができたこともあります。奈良県の「まほろば」、東京港区の「品川宿」、「六本木」などです。

7)海外に広がる道の駅:2010年8月号 & 2012年2月号

  「休憩」、「情報発信」、「地域の連携」という3つの機能を併せ持つ道の駅では、地域の文化や名所、特産物などを活用して多用なサービスを提供していて、特に農産物や付加価値を付けた加工品の販売、農村レストランなどでは地域の収入増加と高齢者や女性を中心とした雇用の場が確保できているのです。こうした道の駅を核とした村おこし、町つくりの手法は海外でも評価されて地方自治体が国際協力に取り組むようになっています。実際に国際協力銀行(JBIC)や国際協力機構(JAICA)も積極的な支援を行っていて、すでにベトナム、ラオス、モザンビーク、中国、ボスニア、ヘルツエゴビナ、タイ、インド、モンゴル、ケニア、ザンビアなどにも道の駅、またはその機能をもつ施設が登場しています。
機会があれば海外の道の駅めぐりもしてみたいものですね。

8)道の駅は、もはや観光地?:2010年9月号

  道の駅は、ただのパーキングではなく24時間使えるトイレや休憩施設、市町村などが整備する物産販売やレストランなどの施設、道路利用者に多用なサービスを提供する施設を併せ持ち現在全国に936駅が国土交通省に登録されています。鉄道と同じく駅名が付けられていますがその多くは所在地の地名が使われています。中には所在地周辺の観光名所(世界遺産、山、川、渓谷、湖、港、海、花など)、施設(美術館、水族館、公演、スポーツセンターなど)、名産品(イチゴ、クリ、柿、茶、そばなど)、民謡・民話・神話(万葉集、白ウサギ、子守唄、ドンパン節など)、歴史上の人物(良寛、藤樹、弥五郎、那須与一など)、出  来事(一向一揆、源平合戦など)、などが駅名になっているところも多くあります。またサブタイトルのつくものも多く一番多いのは○○の郷や○○の里で駅名と同じく観光名所(七ケ岳、最上川、香肌峡など)や歴史上の人物や出来事(弁慶、二宮尊徳、満鉄五郎、徳一など)が付けられています。またキャッチフレーズに花あるいは花の名前が付いた駅もたくさんあります。いずれも花自慢の駅なので季節の花を追いかける駅めぐりも楽しいものです。発祥の地(うどん、甘藷)や能登半島北端「のろし」、日本最東端「スワン44根室」、房総半島南端「白羽名・野島崎」のように所在地そのものを目玉にしたものもありますね。トイレ休憩からスタートした道の駅も今では、見る、遊ぶ、体験する、食べる、など特徴ある駅が増えて駅自体が楽しむ場へと進化してきたように感じています。

9)道の駅のイベントに参加してみよう:2010年10月号

  道の駅で行われる各種イベントに参加するのも駅巡りの楽しみの一つです。大半の駅では通年で何らか  のイベントを開催しており、開催情報は直接道の駅のホームページにアクセスするなり、イベント情報を発信している情報サイト、例えば「未知倶楽部」などから入手が可能です。旬なイベントとしては、ゴールデンウイークに行われる「こいのぼり」、「桜祭り」、「感謝祭」、「陶芸市」、「歌謡ショー」、「新茶祭り」、「潮干狩り」など。変わったところでは阿賀野川ヘリコプタ遊覧などもあります。また年末年始のイベントとしては、「雑煮会」、「縁結び」、「クリスマスツリー」を飾ったり、イルミネーションを燈したり、福引大会、初売り、餅つき大会、甘酒の振る舞いなどがあり夜半まで楽しめます。道の駅では各地で開催されるイベントにも地元の名産の出品を兼ねて参加していますので、このような場所でイベント情報を入手するのもいいかと思います。過去に東京でのイベントに参加していた道の駅には、草津運動茶屋公園(群馬県)、かずの(秋田県)、明宝(岐阜県)、万葉の里高岡(富山県)などがあります。ローカル情報、最新情報などをゲットできる可能性が高いです。

10)利用していますかクーポン券:

  昨年オートキャンパー7月号の別冊で「遊びつくそう北海道」という付録があり、その中で北海道の30の道の駅で使えるクーポン券が掲載されました。北海道以外でも色々な駅でクーポン券を発行していますので事前に調べて様々なサービスを受けると良いのではないでしょうか。私たちの場合、車旅の際に休憩地として立ち寄る道の駅の情報をインターネット経由で調べ、クーポン券発行の駅の場合は予めクーポン券を印刷して持参するようにしています。サービスの内容は様々ですが多い順に、「ソフトクリームやジェラート」の割引(50円)、「コーヒやソフトドリンク」(無料〜100円)、「お土産やお買い物」(10%)、「施設入館料」(無料)、「各種体験」(20%)、「駅弁」(70円〜)、「レストランでの食事」(5〜10%)などのサービスが受けられます。クーポン券の発行には期間限定のものもありますので事前の確認が必要です。
 

クーポン券発行の道の駅

 

(北海道以外)

 

 

 

 

都府県

道の駅名

サービス内容

青森県

もりた

ソフトクリーム50円引き

 

浅虫温泉 ゆ〜さ浅虫

ソフトクリーム50円引き

宮城県

上品の郷

ランチバイキング時フリードリンク200円サービス

岐阜県

土岐美濃街道どんぶり会館

電動ロクロ体験20%引き、ソフトクリーム50円引き

 

きりら坂下

駅弁70円引き

 

加子母

ソフトクリーム100円引き

石川県

桜峠

コーヒ100円引き

 

すず塩田村

しおジェラート50円引き

奈良県

杉の湯川上

お買い物10%割引

滋賀県

湖北水鳥ステーション

レストランでの食事/ソフトドリンクサービス

香川県

滝宮

うどんメニュー100円引き

大分県

かまえ

レストランでの食事/ソフトドリンクサービス

11)道の駅と私たち:2010年2月号別冊付録

私が道の駅の存在を知ったのは今から8年前、仕事の関係で埼玉県に車で出かけた帰りにトイレを探していたときに見つけたのが「はなぞの」という道の駅。この時は便利で助かるな~という程度の思いでしたが、1年後の還暦の誕生日に車旅用のキャンピングカーを手に入れた時から旅の目的が道の駅探訪になりました。

道の駅の利用目的は、人それぞれと思います。

私たちのように、道の駅全国制覇という野心を持って旅をしている者や、道の駅が発行している記念切符のコレクタ、完走者に与えられる景品目当てに地区ごとに開催されているスタンプラリーに参加する人、道の駅に併設されている温泉めぐりをしている方、観光地巡りの拠点として利用されている方、土地土地の名産や物産目当ての方、道の駅で開催される各種のイベントやスポーツや工芸・工作体験学習への参加などなど利用の形態は様々だと思います。

 

車旅をしていてよく聞かれることは、「道の駅での駐車泊は危険ではないですか」ということ。7年間、全国900箇所の道の駅をまわり多くの道の駅で駐車泊をさせていただきました。この中で危険な目に遭ったことは一度もありません。・・・・が危険と感じたことはあります。夜夜中、駐車場での単車の暴走行為、スケートボード遊び、カスタムカーの集会や暴走行為などで、この場合は夜中であっても隣の道の駅に逃げてゆくことにしています。また道の駅の駐車場をキャンプ場まがいの使い方をしている人や、一晩中発電機を回し続けている人、夜遅くまで騒いでいる人などに出会うと不愉快な思いをすることもあります。

安全に駐車泊するために心がけていることは、道の駅にホテルや入浴施設やオートキャンプ場が併設されている所を優先的に選んでいます。またこれらの施設が無いところでは、近くにお店や人家があるところを選ぶようにしています。山間の人家も無いような道の駅に1台だけで駐車泊するのは寂しいものです。

駐車泊の条件の一つにトイレがあります。24時間使えるというところが大部分ですが、中には使えない所や、照明が点かないところもありました。駐車泊の前に確認することが大切かと思います。

 

レストランや食堂のある道の駅はとても便利です。長期間の車旅の場合、自炊の回数が多いとゴミの処理が大変です。道の駅の大半はゴミ箱が無く持ち帰りが必要だからです。

この点レストランでの食事は地元の名産を味わうことも出来ますし、後片付けの必要も無いから便利です。しかし、注意しないといけないのは夕方早くに終わってしまう店が多いこと、中にはお客が来ないからと早々に店じまいしてしまうところもあるということです。

そうなると惨めです。我々も何度かパックご飯と缶詰の非常食で済ましたこともありました。昼食は最近増えてきたランチバイキングの道の駅が評判が良いようです。

道の駅に併設されている温泉や入浴施設は全国に凡そ120箇所あります。道の駅から車で10分程度まで広げると140箇所にもなります。源泉かけ流しの天然温泉から鉱泉、人工温泉、薬湯など泉質も設備も様々です。温泉に浸かって車旅の疲れをとって車に戻ってバタンキューと眠るのは最高の贅沢です。

大部分の施設は500円前後で入浴できます。65歳以上だと割引のある施設も多くなりました。

参考までに入浴施設のある道の駅一覧表を別添します。今回の紹介記事中に挿入されては如何でしょうか。道の駅での駐車泊希望者には役立つ情報化と思いますが・・・。

 

道の駅のレストランではその土地の名物料理を食べることが出来ます。牛肉(但馬牛、飛騨牛、前沢牛、米沢牛など)、豚肉(ヨーグル豚やホエー豚、薩摩黒豚など)、海産物も美味しいところがいっぱいあります。大好物の牡蠣は「鳥海」(山形県)、「象潟」(秋田県)、「さんりく」(岩手県)、「厚岸」(北海道)で食べることができます。寿司なら「開国下田」(静岡県)、海鮮丼なら「潮風王国」(千葉県)、蟹好きには「能生」(新潟県)、海鮮レストランなら「舞鶴港とれとれセンター」(京都府)、「新井」(新潟県)、「氷見フィッシャマンズワーフ」(富山県)、海鮮バーベギューなら「よしうみいきいき館」(愛媛県)、「七尾フィッシャマンズワーフ内の能登食祭市場」(石川県)などがお勧めです。

 

桜前線を追いかける車旅は、2月に早咲きで有名な河津桜から初めて、福島の三春桜、角館の枝垂れ桜、弘前城、最後は五稜郭までと駐車泊をしながらの北上も楽しいものです。

またこれとは逆に紅葉前線を追いかけたり、あるいは季節ごとに、花見の旅に出るのも楽しみです。早春房総半島の千倉での花摘みから始め、芝桜、さつき、藤、ひまわり・・・・秋には彼岸花やコスモスも道の駅を拠点にすれば駐車場の混雑前に到着できるのでゆっくりと楽しむことが可能です。

特にお勧めは「デンパーク安城」(愛知県)、「砺波」(富山県)、「ローズマリー公園」(千葉県)、「とみうら」(千葉県)、「南房パラダイス」(千葉県)、「しょうわ」(秋田県)、「ほっとはぼろ」(北海道)など

 

日本一周は、キャンパーなら一度は試みたい旅ではないでしょうか。あるテレビ局の目玉番組の一つに鉄腕ダッシュがあります。この番組ではソーラーカーによる一筆書きでの日本一周を放送していますので見た方も多いと思います。我々も最初の日本一周は、細切れに関東、東北の太平洋側を走り、北海道をオホーツク海、日本海側の海沿いを走り、再び東北、北陸、近畿、中国と日本海沿いに南下。四国と九州は二回に分けて海沿いに一周しました。その後は離島巡りなども実行しましたが長期に亘る車旅を充実したものにしてくれるのは道の駅の存在だと感謝しております。

 

一番疲れた道の駅探訪は、奄美大島の住用に出かけた時のことです。行きのフェリーは快適だったのですが帰りのフェリーが大時化となり一晩中気分が悪かったことです。キャンピングカーと一緒に旅をしたいとは思いますが沖縄や奄美大島の道の駅探訪は航空機とレンタカーの方が疲れないし安上がりだと思います。

 

私なりのお気に入りの道の駅を選ぶ基準は、やはり温泉があり、安全で、美味しい食事ができ、トイレが綺麗で、プールやパークゴルフ場のある道の駅が良いですね。

それと近くにスーパマーケットやコインランドリーがあるととても助かります。

 

妻と一緒にプレーのできるパークゴルフ場がありプレー後はゆっくり温泉に入れる施設は、

北海道に多く、「ロマン街道しょさんべつ」、「びふか」、「パパスランドさっつる」、「忠類」、「サンフラワー北竜」、「鐘のなる町ちっぷべつ」、「ピンネシリ」、「くろまつない」、「さるふつ公園」などがあります。北海道以外では、「おおの」(岩手県)、「たからだの里さいた」(香川県)にもあります。

 

夏場の車旅ではプールと温泉がセットになっているような道の駅が暑さしのぎにも最適です。「ころ柿の里志賀」(石川県)、「飛騨金山ぬくもりの里温泉」(岐阜県)、「山中温泉ゆけむり健康村」(石川県)、「どんぐりの里いなぶ」(愛知県)、「いりひろせ」(新潟県)、「朝日」(新潟県)、「喜入」(鹿児島県)などがお勧めです。

 

写真愛好家の方に喜ばれそうなのがSLの撮影ができる道の駅です。「尾瀬街道みしま宿」(福島県)は只見線、「川根温泉」(静岡県)は大井川鉄道、「長門峡」(山口県)は山口線を走るSLをみることが出来ます。但し何時でも見られるわけではないので曜日と時間は確認が必要です。

また、ジェット戦闘機がまじかで撮影できるのは、「かでな」(沖縄県)です。ここの展望台には多くのカメラマンが詰め掛けています。

 

日本酒好きの方にお勧めは、「石鳥谷」(岩手県)、「新潟ふるさと村」(新潟県)、よしかわ杜氏の郷」(新潟県)、「酒蔵奥出雲交流館」(島根県)などが、

また地ビール党には、「にしかわ」(山形県)、「川場田園プラザ」(群馬県)、「うなずき」(富山県)、「富士吉田」(山梨県)、「デンバーク安城」(愛知県)などがお勧めの道の駅です。

 

少し変わった特徴をもつ道の駅を紹介します。

@     最北端の道の駅:「さるふつ公園」(北海道)

  津軽半島最北端は「みんまや」(青森県)

A     最南端及び最西端の道の駅:「豊崎」(沖縄県)

  本土最南端は「根占」(鹿児島県)

B     最東端の道の駅:「スワン44ねむろ」(北海道)

C     道の駅発祥の駅:「阿武町」(山口県)

D     道の駅登録第1号の駅:「大栄」(鳥取県)

E     日本一小さな道の駅:「たまかわ」(福島県)

F     日本一かわいい道の駅:「かなん」(奈良県)

G     日本一駐車場の大きな道の駅:「針TRS」(奈良県)

H     日本一大きな足湯のある道の駅:「たるみず」(鹿児島県)

I     24時間入れる足湯がある道の駅:「湯西川」(栃木県)

J     日本一長いベンチのある道の駅:「とぎ海街道」(石川県)

K     日本最寒の地にある道の駅:「オーロラタウン93りくべつ」

L     日本一の水車のある道の駅:「おばあちゃん市山岡」(岐阜県)

M     空港と一緒の道の駅:「能登空港」(石川県)

N     世界最大級のログハウスのある道の駅:「フォーレスト276大滝」(北海道)

O     だるま夕日の見える道の駅:「すくも」(高知県)

P     一番高いトイレ(一億円)のある道の駅:「フォーレスト276大滝」(北海道)

Q     トイレが焼き物(やむちん)で出来ている道の駅:「喜名番所」(沖縄県)

R     トイレの形がカブトムシの道の駅:「とんばら」(島根県)

S     大太鼓のある道の駅:「たかのす」(秋田県)

21    雪室のある道の駅:「雪のふるさとやすずか」(新潟県)

22    土石流で埋まった家屋が保存されている道の駅:「みずなし本陣ふかえ」(長崎県)

23    湧水がもらえる道の駅:「富士吉田」(山梨県)、「やよい」(大分県)、「竹田」(大分県)、「なるさわ」(山梨県)、「はくしゅう」(山梨県)、「あわくらんど」(岡山県)

24    日本一の炭酸泉のある道の駅:「長湯温泉」(大分県)

25    日本一あずましいトイレのある道の駅:「しらぬか恋問」(北海道)

(注:あずましいとは北海道の方言で「具合がいい」、「落ち着く」の意味)。

26       西日本一のロープウエーのある道の駅:「わしの里」(徳島県)

27       SLが目の前にくる道の駅:「若桜」(鳥取県)

28       物産館の大きな道の駅:「しらとりの郷羽曳野」(大阪府)

29       赤ちゃん授乳用給湯設備のある道の駅:「鷹ら島」(長崎県)、「みぶ」(栃木県)

30       ハイウエイオアシスに併設された道の駅:「オアシスおぶせ」(長野県)、「新井」(新潟県)、「富士川楽座」(静岡県)、「小松オアシス」(愛媛県)、「みぶ」(栃木県)

31       パーキングエリア(PA)に併設された道の駅:「高松」(石川県)、「富楽里とみやま」(千葉県)

 

有名人ゆかりの品が展示されている道の駅は、

@     千代の富士・千代の山:「横綱の里ふくしま」(北海道)

A     松山千春:「あしょろ銀河ホール21」(北海道)

B     北島三郎:「しりうち」(北海道)

C     細川たかし:「真狩フラワーセンター」(北海道)

D     三田佳子が村長の道の駅:「平成」(岐阜県)

 

映画のロケゆかりの地:

@     ぽっぽや(幾虎駅):「南ふらの」(北海道)

A     砂の器(亀高温泉):「酒蔵奥出雲交流館」(島根県) 

12)道の駅を使って旅をする:2010年3月号別冊付録

  @伊豆半島周遊の旅
  A房総半島周遊の旅
  Bー1 鯖街道を行く
  Bー2 鰤街道を行く
  Bー3 蕎麦街道を行く


 
1 伊豆半島周遊の旅:

我々夫婦の1年のはじめの車旅は早春の伊豆半島周遊が定番となっている。2月上旬から下旬にかけて温暖な伊豆半島では、日本一早咲きの梅や、本州一早咲きの桜が見られるのと日帰り入浴ができる温泉が多いことや車旅に欠かせない道の駅があることなどが理由である。2月下旬の某日、冬型が緩む晴天の日を選んで早朝自宅を出発。まず最初の目的地湯河原の幕山公園に向かう。幕山公園の山麓斜面には約4000本の紅梅と白梅が咲き景観を楽しみながら遊歩道を散策する。欲張りな我々は混まない内に次の目的地である熱海の梅林へ。日本一早咲きと言われる熱海の梅林には457本60品種もの梅があり、早咲き・中咲き・遅咲きと順番に開花するため1月中旬から3月上旬まで観梅できる。祝祭日にはイベントが多く開催され駐車場も混雑するので平日がお勧め。観梅の後は伊東にある道の駅「伊東マリンタウン」へ。この駅のレストランで昼食。海鮮や寿司が美味しく行列が出来ていることもある。2泊する場合はこの駅で温泉「シーサイドスパ」に入浴し一泊するが1泊2日の旅の場合は次の目的地河津浜へ。河津浜には本州一の早咲きで有名な河津桜並木があり2月上旬から3月上旬の1ケ月間桜祭りが開催される。館橋から浜崎までの桜並木はライトアップされるが未だ寒く用意された火鉢で暖をとりながらの夜桜見物も出来る。桜見物の後、今夜の車中泊先を決める訳だが候補は3駅ある。一つは「開国下田みなと」美味しいお寿司が食べられる回転寿司屋があるが早く閉まるのが難点だが近くに足湯のある公園もあり夜間トイレも新しく清潔。ここで泊まる場合は予め河津温泉の日帰り入浴施設「踊り子温泉会館」で入浴してからがよい。最近登録になった新しい駅「下賀茂温泉湯ノ花」はトイレが新設され清潔で車中泊にも向くが夕食は持参する必要がある。この駅での車中泊の場合、入浴はすぐ近くの日帰り温泉「銀の湯会館」へ。少し先にある駅「花の三聖苑伊豆松崎」で車中泊する場合は、施設内に温泉「かじかの湯」もあり、近くにはスーパもあるので買い物にも便利なことから伊豆旅の車中泊が多い。但しトイレは古くて綺麗とは言い難い。

翌日は、西伊豆を回ることに。らんの里や加山雄三ミュージアムのある堂ヶ島へ。天気が良ければ遊覧船での洞窟巡りがおすすめ。この後駿河湾越しに富士山が望める恋人岬へ。恋人岬は700mほどの遊歩道の先端にあり展望台とラブコールベルが設けられている。

散歩でお腹も空いたころなので土肥温泉で昼食。足湯や大きな花時計もありのんびり休憩もよい。昼食後は修善寺を抜け大仁の先にある駅「伊豆のへそ」で休憩後東名沼津ICへ。

少し時間に余裕があれば、途中いちごプラザに立ち寄り名物のいちご大福を食べ、江間のいちご狩りを楽しみ沼津でおみやげの干物を買うというのもお勧めのコース。

1.房総半島周遊の旅:旬の花を楽しむ

 春が近づくと冬の間車庫で眠っていた愛車も見頃を迎える花々を求めて活動を開始。早春の房総路は花いっぱい。早速お出かけです。

3月中旬の某日。自宅を出発し、東京湾アクアライン経由で房総半島へ。途中海ホタルで休憩した後、内房なぎさラインを走り金谷にある鋸山へ。ロープウエーで山頂に行き展望台から東京湾の眺望を楽しむ。下山後最初の道の駅「きょなん」に立ち寄り干物の試食をした後「富楽里とみやま」へ。この駅は富津館山道のハイウエイオアシスに併設されており一般道路からも入れる。東京方面からの観光バスツアーもこの駅に買い物客を連れてくるほど新鮮な野菜や海産物が豊富。我々のお目当ては富山漁協直営のレストラン「網納屋」での昼食。人気があり食べられないときもある。そんな時は総菜屋にある豊富なメニューから選んで食べることにしている。一月中旬なら近くの水仙遊歩道で数万本の水仙が咲き乱れる様が楽しめるが3月はフリージアやストックが見頃となる。お腹もいっぱいになれば次の駅は「おおつの里」。併設されている全天候型大型ハウスではキンギョソウ、カーネーション、スターチスが咲き一足早い花摘みもできる。この駅のすぐ近くにはビワの産地としても有名な「とみうら」がある。この駅にはよく手入れされた花壇があり、花に囲まれたカフェでの休憩は最高。休憩後しばらく走ると「南房パラダイス」がある。広い園内にはパンジーをはじめ春の花々でいっぱい。ハウス内では南国フルーツや観葉植物なども見られる。今夜の車中泊予定地には温泉が無いので近くにある安房自然村にある不老山薬師温泉に入浴し房総半島先端にある駅「白浜野島崎」へ。灯台のある海岸沿いの公園を散歩したら今夜の車中泊地「ちくら・潮風王国」へ。この駅には観光バスも多く、駅前一面に広がるお花畑での花摘みツアー客が多い。この時期はキンギョソウやスターチス、ポピーなどが咲きまさに春爛漫の感がする。この駅で車中泊する理由は夕食にある。レストランでいただく海鮮料理、特に金目鯛の煮付けは美味しい。トイレも2カ所あり車中泊も多い。2日目、勝浦方面に向かって走ると最初の駅「ローズマリー公園」がある。この駅は教会風の建物を囲むように花壇がありローズマリーのほか季節毎の花が楽しめる。早春時はパンジーが多い。駐車場側では菜の花も見られる。この先の和田浦の花畑を過ぎると「鴨川オーシャンパーク」がある。この駅はピラミッド風の不思議な建物でサザエをイメージしたのかと思われるような扇型をしており外壁の各層からは水が流れ落ちている。このあたりには「仁衛門島」、「鯛の浦」、「鴨川シーワールド」、「勝浦海中公園」、「月の砂漠」など観光地が多く一度で全て回ることは困難なので最初は「鴨川シーワールド」でシャチやイルカ、アシカ、ベルーガなどのショーを見て昼食を食べて過ごすことを勧めたい。勝浦からは「たけゆらの里おおたき」に立ち寄った後、時間が許せば養老渓谷にある日帰り入浴施設「ごりやくの湯」に入り東京湾アクアライン経由で帰宅というのが定番。

2.街道を行く

私の友人のN君は山中間の一人である。若い頃は日本中の山を一緒に登ったが還暦を過ぎたころから私は車旅に、友人は徒歩旅にはまってしまった。N君は既に5街道の内中山道、甲州街道、奥州街道、日光街道を踏破し残るは東海道のみとなっている。私の場合は、道の駅を使っての車旅であり既に5街道は制覇済みである。旅の目的の一つとしてこれからも5街道以外の主要街道を巡りたいと考えている。

これらの街道とは別に地域に密着した生活に欠かせない街道もある。今回は魚にちなんだ街道を二つ紹介したい。

3−1.鯖街道:

私の生まれ育った滋賀県は、回りに海が無く昔は塩漬けにした鯖が何よりのご馳走だった名残か今でも正月や祭りなどの年中行事や結納などお祝い事の際に食べられます。滋賀や京都に届けられる鯖は、福井県小浜市から京都市左京区の出町柳まで約80KM弱の区間を指し、この区間を鯖街道と呼んでいます。

車旅の出発地は小浜駅です。国道27号線を走ると最初の道の駅は福井県の「若狭熊川宿」です。熊川宿は昔の交通の要所であり小浜港に揚がった物資の京都への中継地として栄えた町でもあります。ここには鯖街道の歴史を紹介する展示館もありますし勿論鯖寿司や炭火焼鯖も購入できます。熊川宿をでてすぐに滋賀県に入り国道367号線を南下すると道の駅「くつき新本陣」があります。祝祭日には朝市も開かれるし、バイキングもやっているがやはり本場の鯖寿司を食べなきゃということで昼食用に購入しました。比良山系の西側を安曇川沿いに走り途中トンネルをくぐれば京都です。終着の出町柳まではあとわずかです。

3−2.鰤街道:

富山湾で捕れるブリは古来越中ブリとして全国に名を知られた最高級ブランドで、飛騨地方ではこのブリを正月の縁起物とする習慣があり、またお歳暮やお祝品としても取り扱われています。このブリを運んだのが「ブリ街道」で現在の国道41号線の富山から高山までの90KMの区間を指しています。高山に届いたブリは飛騨ブリと名前を変え松本から信州の広い地域に運ばれていましたので松本までをブリ街道と呼ぶこともあります。

またこの区間は日本でこれまでノーベル賞を受賞した12人の内、白川英樹さん(化学賞)、

利根川進さん(医学・生理学賞)、小柴昌俊さん(物理学賞)、田中耕一さん(化学賞)の4名にゆかりがあることから「ぶり・ノーベル出世街道」とも呼ばれています。

車旅の出発地は富山湾に面した岩瀬浜駅です。富山市内を抜け国道41号線を高山本線沿いに走ると最初の道の駅「細入」に着きます。らっきょうが名物で夏にはらっきょう堀り体験も行われるとのこと。甘酢漬けを買って出発。国道41号線と471号線が交差する神岡町はノーベル賞受賞の対象となった太陽系外の素粒子観測の拠点であり、道の駅「宙ドーム・神岡」があります。この駅の展示室でしばし宇宙への夢を膨らませたら再び41号線を走ります。飛騨市に入ったあたりの県道90号には「飛騨古川いぶし」があります。このあたりには古い町並みが保存されており江戸時代の城下町風情が堪能できるので是非立ち寄りたいものです。和ローソクや一刀彫などのお店を覗きおみやげを仕入れたら次の駅「アルプ飛騨古川」へ。大きなお食事処の看板があるが夕方早くに閉店になるので要注意。高山の朝市を見る場合は、この駅で車中泊するとよい。時間があるようだと近くの飛騨古川桃源郷温泉ぬく森の湯で入浴も。この駅から越中ブリの終着駅高山市はすぐ近く。

翌朝高山市内の朝市や美しい町並みを散策した後ブリ街道の後半松本に向けて出発。

高山市からは、飛騨ブリと名前を変え国道158号線を松本市に向けて走ることになります。途中の平湯峠から乗鞍スカイラインで乗鞍岳に向かうもよし、上高地を散策するもよし、あるいは、平湯温泉、中ノ湯温泉、白骨温泉など数多くある温泉でのんびり湯につかるもよし・・・人によってあるいは季節によって楽しみ方も変わると思います。遊んだ後は再び158号線を走ります。途中に道の駅「風穴の里」があり、ここでしばし休憩。名物のおやきで小腹を膨らませ、濃厚なソフトクリームを食べれば長旅の疲れも癒されます。

この駅からブリ街道の終着駅松本市までは1時間とかかりません。


 3−3 蕎麦街道を行く:

そばは、日本全国至る所で生産されており地元産のそば粉を使ったそばを提供してくれる道の駅は多い。そばの生産量日本一を誇る北海道幌加内にある道の駅「森と湖の里ほろかない」では幌加内そばが、「つるぬま」では幻の牡丹そばが有名である。一般に美味しいそばは「霧が発生し、寒暖差があり、湿度の低い地域が良い」と言われており、そば作りに欠かせない名水があることも条件となっている。これらの条件を満たす地域としては、山形県、新潟県、長野県、群馬県、栃木県、岐阜県、島根県、大分県、熊本県などがあげられる。これらの地域では地元産のそば粉と水にこだわりを持ってそばを打ち、だしを作り、地元の食材を使い地元ならではの味を守っているところが多い。地元で店舗をかまえるそば屋が集まり地域独自の「ソバ街道」を形成している所もある。一例としては、群馬県の「あかぎ風ラインそば街道」(41店舗)、島根県の「奥出雲そば街道」(11店舗)、長野県の「北信州いいやまそば街道」(12店舗)、佐賀県の「三瀬のそば街道」(13店舗)などがある。また山形県では県内店舗を対象とした山形そば街道もある。

十割そばで手打ちでないと・・・という方にはそば打ち体験道場のあるところがお勧め。

そば打ち体験ができる道の駅は全国に数多く存在しているが都道府県別に見ると岐阜県や長野県が多いので今回の旅はこの地域のそばを食べ歩くことにした。

そばの花の見頃は9月、収穫が10月で、新そばが食べられるのは10月下旬から11月上旬。この時期には新そば祭りなどのイベントも開催されるのでお勧め。

そばと温泉の旅の出発地は、山梨県の道の駅「こぶちざわ」。この駅ではそば打ち体験もできる。そば処での盛りそばにはそば羊羹も付いてくる。天然温泉「延命の湯」もあり車中泊には最適。「こぶちざわ」を出発し20号線(甲州街道)を塩尻まで走り、19号線へ。途中道の駅「奈良井木曽の大橋」、「日義木曽駒高原」、「大桑」、「賤母」に立ち寄った後「きりら坂下」へ。この駅ではそば打ち体験もできるし、そば殻を無料で持ち帰ることもできる。お勧めは海老天ざるそばととろろざるそば。食後は近くの観光地「恵那峡」へ。次いで向かうのは「そばの里らっせいみさと」この駅にはそば打ち体験道場があり子供からお年寄りまで本格的なそばうち体験ができる。凡そ一時間半はかかるので時間に余裕がほしいところ。まだ食べられるようなら手打ちのざるそば定食がお勧め。お腹も一杯になったところで今夜の車中泊予定地「どんぐりの里いなぶ」へ。稲武温泉「どんぐりの湯」には内湯、露天、クアハウスもあるので水着持参を忘れずに。翌日は信州そばを食べに長野県へ。「信州新野千石平」では自然薯を練りこんだ「むかごそば」が名物。この先にある道の駅「信濃路下條」では、特産の親田辛味大根を使ったそばもあるのでどちらを選ぶかはお好みによる。食後は天竜峡下りなど観光を楽しみ、飯田経由で出発地の小淵沢へ。ICから20号線に下りた所にある道の駅「信州蔦木宿」にはそば打ち実演コーナがありここで打たれたそばがいただけるレストランや天然温泉「蔦の湯」があるので車中泊も多い。

13) 雑学・道の駅:

従来から高速道路には24時間自由に利用できるサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)が整備されているが一般道においては公的な休憩所が無く24時間自由に利用できる休憩施設を求めるドライバーのニーズに対して設けられるようになった。

道の駅は、休憩機能(駐車場・トイレ)、情報発信機能(道路・観光・緊急医療情報)、地域の連携機能(特産品販売・レストラン・イベント開催等)を備えており、地域発展の核として重要な拠点となっている。

道の駅では健全な運営を継続して行うことがまず第一に重要であり、地域住民を対象とした農産物・水産物直売所や地産地消型のランチバイキングや総菜の販売に力を入れている。

地域外からの立ち寄り客に対しては、地域の資源の活用、例えばホタル祭り(下部)やラベンダー祭り(清見)、観光拠点、あるいは各種のイベントや体験教室をアピールして集客力のアップをはかっている。

一元客である我々にとって道の駅で行われている活動の全てを知る機会は少ないが、例えば交通安全啓蒙「あさご」、環境教育「富浦」/ビオトープ、「愛東マーガレット」/琵琶湖の赤潮対策、「くずまき」/自然エネルギー、防災訓練や災害発生時の災害支援(「みずなし本陣深江」/普賢岳の噴火、「越後川口」/被災者の避難場所、「豊栄」/被災地情報の提供、「クロス10十日町」/給水車の基地、災害救済品の受け渡し場所、駐車場に建設された仮説住宅など地域の核として重要な役目をはたしていることにも注目したい。

14) 旅と宿泊:

キャンピングカーを購入し日本一周の旅を初めて8年が過ぎました。有名な観光地、世界遺産、温泉、900を超える道の駅を巡る旅においては常に宿泊の問題があります。

我々の場合は、道の駅での車中泊が凡そ80%、残り20%が高速道路のサービスエリアやオートキャンプ場、くるま旅くらぶ提携先ホテルや旅館での駐車場泊、一般のホテル・旅館での宿泊となっています。

1ケ月に及ぶ長期間の車旅の場合は、これらの宿泊先を上手く組み合わせて疲れが残らないようにしています。特に北海道滞在中は4日に一回程度はオートキャンプ場で好きなパークゴルフをし、温泉につかり、たき火や手料理を楽しみながらのんびり過ごすようにしています。結婚記念日や誕生日などのメモリアルデーにはちょっと豪勢にホテルで、旬の料理やイベントを楽しむときはくるま旅くらぶ提携先で、あちこち観光地を回るときは道の駅でという具合に使い分けています。道の駅での車中泊は、原則として入浴施設が併設されている所を選んでいます。道の駅に併設されている日帰り入浴可能な施設は120程度あり、更に道の駅から10分以内で行ける施設まで含めると150近くもあります。日本全国、あらゆる泉質の湯に浸かることができます。温泉入浴は、我々夫婦の楽しみの一つでもあります。お風呂に入ってビールや美味しい地酒をいただいて、そして車に戻って「おやすみなさ〜い」・・・・。これがあるから車旅はやめられません。

15) 車中泊を考える

車中泊は、新しい旅の形として広がってきた。9年前にキャンピングカーを購入し車旅を始めた頃から宿泊の8割が道の駅。言い換えれば道の駅があったからこそ全国車旅が続けられていることになる。特に定年後で自由な時間が十分にある今は目的地だけを決めて旅を楽しんでいる。車旅を始めた頃は道の駅の駐車場には車中泊する車が一台もなく淋しく怖い思いをしたことが何回もあったが最近ではキャンピングカーで寝泊りする人だけでなくミニバンやワゴンなどの乗用車での利用も増えており人気の道の駅では週末には夜間トイレ付近が混雑する現象まで起きている。

車中泊が増えるに従いマナー違反の車を多く見かけるようになった。ゴミ処理、盗電、手洗い場での炊事・・・挙句には洗濯物干しやイス・テーブルなどを持ち出してのキャンプ行為を平気で行っている人たちもいる。マナー違反を注意したキャンパーとの間でトラブルになり不愉快な思いをした人も多い。一方駅を管理する駅長さんの悩みも深刻で中には夜間駐車場を鎖で閉鎖したり、ホームページ上で一元客お断りのメッセージを発信している駅もある。これらを踏まえて昨年秋、東北「道の駅」車中泊研究会は国交省の委託を受け社会化実験を始めた。道の駅に車中泊専用のやや大きめの駐車場所を設け、食器の洗い場や洗濯機などを用意しゴミ処理を引き受けるというもの。未だアンケート調査の段階だが近い将来道の駅での車中泊は有料になる可能性も出てきた。全国に広がる道の駅での車中泊が出来なくなると旅の自由度が半減してしまうことになるので社会化実験の結果を注意深く見守っていきたいと思っている。

16) 立ち寄る駅と車中泊する駅:

道の駅には立ち寄るだけと車中泊する駅があります。

立ち寄るだけの駅は昼間、車中泊する駅は夜間の条件を考えています。

昼間の駅:

1)近くの温泉や観光地などの情報が入手できるか。

2)楽しみの一つであるランチバイキングがあるか。

3)土地の名産やお弁当の購入ができるか。

4)スタンプや切符などの道の駅グッズの入手。

夜間の駅:

夜間=車中泊となるので昼間とは異なる要素で選んでいます。

1)安全性:24時間営業のコンビニやホテルや入浴施設やオートキャンプ場が併設されているところを優先的に選んでいます。これらに該当しない場合は近くにお店や人家のある駅を選んでいます。

2)トイレ:営業時間中の駅には物産館やレストランなど屋内にトイレがありますが、夜間トイレは駐車場に別にあることが多く、夜間は使用できないところや照明が点かないところもあるので車中泊する前に確認するようにしています。

3)入浴施設:旅の疲れを癒すのはやはり温泉ですね。温泉施設のある駅を選ぶようにしています。

4)観光拠点:混まないうちに観光地に入るには観光地近くの駅に車中泊させていただくと大変便利です。また高速道路のインター付近の駅は旅の中継点としても重宝しています。

5)駐車場:できるだけ大きな駐車場のある所を選ぶようにしています。また大型車は夜中中アイドリングをしているものが多いので大型車と小型車が完全に分離されているような所が静かで安眠できます。

17) よい道の駅って? :
 
オートキャンパー誌やくるま旅むっく本などで紹介されたせいか、あるいはステッカーのいっぱい張ってある龍馬号が目立つからかも知れないが道の駅の駐車場でよく声をかけられるようになった。その中で多いのが「どこの道の駅がよい?」という質問。その方の車旅の目的やライフスタイルによっても異なるので逆に道の駅を利用される目的をお聞きしてから答えるようにしている。温泉併設の駅、車中泊に適した駅、美味しい料理やお酒のある駅、色々な体験ができる駅、景色の良い駅などなどテーマによってお奨めの駅を紹介することにしている。道の駅利用者は、地域内の常連者と地域外からの立ち寄り者に大別でき、地域内の方からみれば商品が豊富で新鮮で安くて人気のある駅が「よい駅」なのかもしれませんが地域外からの訪問者にとっては温泉があり美味しい食事がいただけるのが「よい駅」なのかもしれません。全国に950を超える駅があり、それぞれに特徴があり優劣はつけにくいため「我々夫婦の好きな道の駅は・・、またその理由は・・」と答えるようにしている。

また、話の中でよく聞かれるのがゴミ処理と洗濯。ゴミ処理を有料で引き受けてくれる道の駅やコインランドリが近くにある道の駅を紹介している。

最近、道の駅に車中泊専用駐車場を設け、流し場やコインランドリーを設置し、ゴミ処理を行うなどのサービスを行ってはどうかという社会化実験も始まった。多くの道の駅で車中泊専用スペースができれば問題になっているゴミの放置や手洗い場での炊事などマナー違反も無くなり快適な車旅が続けられるようになるのでは・・と早期の実施に期待している。