「道の駅・ベスト10」

 

私たちが「道の駅」の存在を知ったのは今から8年前、仕事の関係で埼玉県に出かけた帰りにトイレを探していたときに見つけた「はなぞの」という駅。ドライブインが少なくなり不便を感じていた時だったのでとても便利に感じました。その後キャンピングカーなるものにも出会い車中泊をしながら車旅を続けるにあたり「道の駅」は重要なパートナーとなりました。

現在登録された「道の駅」は936駅、このうち訪問した駅は928駅になります。このなかからベスト10を選ぶとなるとなかなか大変です。道の駅にはそれぞれに特徴があります。トイレ休憩や情報発信を主とした駅、地産池消のレストランや物産所に力を入れている駅、地域の防災拠点を目的とした駅、温泉やクアハウスなど保養を目的とした駅、公園や遊歩道やゴルフやプールなど健康増進にも一役買える駅、観光地や旅の拠点として機能している駅などがありますので利用目的によってお気に入りの駅は異なります。

また、温泉愛好家の方なら温泉を併設している道の駅がお気に入りでしょうし、美味しいものを食べ歩くことが楽しみな方なら新鮮な海の幸やブランド牛、豚、鶏や名物の詰まった駅弁が味わえる道の駅が、呑兵衛の方なら地酒、地ビール、地ワインがいただける道の駅が、花に興味のある方にとっては季節の花や珍しい花に出会える道の駅が・・・・といったように旅の目的や興味や趣味によってお気に入りの対象が変わるからです。

昼間に立ち寄り、買い物をしたり食事をしたり遊んだりするだけの所謂「立ち寄るだけの道の駅」と、旅の途中の宿泊に利用させていただく「車中泊に適した道の駅」とでは対象も異なります。特に車中泊の場合は、まず第一に安全、次いで夜間トイレだと考えています。これ以外にも交通量の多い国道沿いや大型車のアイドリングが気になる小さな駐車場の駅や、駐車場が平でなく安眠のためにはレベルシステムが不可欠な駅など、お勧めできない場合もあります。

 

以上の事柄を考慮して今回は「旅のテーマ」を20項目に絞り、総合評価の高い順からベスト10を選ぶことにしました。

「旅のテーマ」は以下の20項目です。

1)車中泊したことがあるか:一回なら1ポイント、複数回の車中泊なら2ポイント。今までに一番多い車中泊の駅は「白沢」の12泊、次いで「月見の里南濃」の9泊。

2)入浴施設はあるか:駅に併設されていれば2ポイント、温泉好きの我々夫婦にとっては重要なポイントなので2倍に。

3)入浴施設はあるか:駅から車で10分以内のところにあれば1ポイント。特に施設や泉質で差をつけることは無い。

4)足湯があるか:立ち寄るだけの場合はとても便利。あれば1ポイント。

5)プール、クアハウスがあるか:特に夏場は重宝している。運動不足の解消や休養に利用することが多い。併設あるいは近くにあれば1ポイント。

6)コンビニ:安全に車中泊できる要素の一つに24時間営業の店が併設されているかがある。24時間営業で無い店もあるが利便性も考慮して1ポイント。

7)スーパマーケット:物産所やレストランが早く閉まる駅が多いので車中泊の場合は、あらかじめ食材を仕入れておく必要がある。近くにあると便利なので1ポイント。

8)コインランドリー:長旅の場合は不可欠。駅近くにあれば1ポイント。

9)レストラン:地元の食材を使った美味しい料理が味わえた場合に1ポイント。但し全ての駅を食べ歩いたわけではないのでやや独断的。

10)       バイキング:昼食はバイキングが楽しみ。地元の食材を使った豊富なメニュー、品数で美味でハズレがない。休日は行列時間待ちも。1ポイント。

11)       オートキャンプ場:キャンプ場が併設されている場合は管理人もいて夜間も安心して車中泊できる。キャンプ場の施設を利用したりイベントに参加したりと楽しみも多い。凝った料理をする時はオートキャンプ場を利用する場合も。1ポイント。

12)       眺望:眺めの良い道の駅ではできるだけ長く休憩することにしている。近くに景勝地がある場合も含めて1ポイント。

13)       観光拠点:近くに観光地やイベント、フェアーなどがある場合は、前日に車中泊して混雑しないうちに目的地に行くようにしている。駅近くの場合も含め1ポイント。

14)       花:花好きの我々にとって季節の花が楽しめる駅はうれしい。併設のハウス、温室、バラ園、あるいは近くの桜やオリーブなども1ポイント。

15)       パーキングエリア・サービスエリア:PA/SAに併設されている駅は、まず安全に車中泊できること、夜間トイレの問題がないこと、更には交通の便が良く旅の中継地として好適などの理由で1ポイント。

16)       体験:道の駅では色々と体験できる施設がある。ソバ打ちが多いが陶芸、クラフト、和紙工芸・・・変わったところではカヌーやクルージングも。大人から子供まで楽しめる。時間があれば挑戦を。1ポイント。

17)       イベント:道の駅で開催されるイベントは多種多様。多いところでは毎月複数回開催している駅もある。開催日は駅のホームページに掲載されている。1ポイント。

18)       パークゴルフ・グランドゴルフ:我々夫婦の共通の趣味の一つがパークゴルフ。道具も簡単で荷物にならないので常に持参。駅に併設、あるいは近くにあれば必ずプレー。1ポイント。

19)       名産品:道の駅自慢の品が買える、味わえるのは旅の醍醐味の一つ。1ポイント。

20)       加点・減点:今回全ての対象をポイントに反映することは不可能だったため、美術館や博物館が併設されていたり、名水がいただけたり、道の駅弁が豊富だったり、SLやジェット機が身近で見られたり、地酒や地ビール、ワインなどが入手できたり、朝風呂に入れたりと特徴ある対象を備えた場合には1ポイントを加点した。また夜間トイレが汚い、利用できないなどについては1ポイント減点とした。

以上、20項目を対象として928駅を評価したところ、1ポイント以上獲得した駅は、半数強の471駅となった。更にこの中から5ポイント以上の駅を抽出したところ50駅が抽出できた。この50駅は、我々夫婦の「お気に入り」の駅でもあり、順位をつけずに全てを公開したいと考えているが、更にこの中から10駅を選ぶとすると次のような結果になった。選定理由は別表参照ください。

1位:宮城県「上品の郷」

2位:北海道「サンフラワ北竜」

3位:宮崎県「日向」

4位:鹿児島県「たるみず湯っ足り館」

5位:岐阜県「飛騨金山ぬくもりの里温泉」

6位:福島県「喜多の郷」

7位:群馬県「川場田園プラザ」

8位:兵庫県「あいおい白龍城」

9位:静岡県「伊東マリンタウン」

10位:山口県「蛍街道西の市」

 

1位に選定した「上品の郷」は、温泉「ふたごの湯」があり本格的な温泉が楽しめ、足湯があり、コンビニもある。またレストランでは地元の食材を使った料理が、昼と夜にもバイキングがあり、また駅弁も販売されており食事には常に満足が得られる。更には三陸自動車道河北IC近くにあり交通も便利で旅の中継地や金華山や松島観光の拠点ともなる。駐車場も広く平なため車中泊にも問題が無い。単車や自転車での旅行者にとって屋内の畳のある休憩所は有難い。またイベントも数多く開催されているしホームページの内容も充実しているのが良い。

総合評価を更に高め1位の座を不動にするには「体験施設」や「スポーツ施設」の充実や「無線LAN」などの設備が望まれる。

 

今回の選定は、道の駅の利用者、それも地元以外の観光客や旅行客から見た評価結果であり地元地域住民の方から見た評価とは異なるものである。

道の駅を運営する側や地域の方から見れば、地域の活性化が数字で現れる「売り上げ高」が重要であろう。

参考までに売り上げ高から見た「道の駅・人気ランキング」ベスト10は以下の通りとなっている。(出典:2010.4.25、日TV,18時〜、報道番組:番記者)。

1位:新潟県「あらい」251320万円

2位:群馬県「ふじおか」219413万円

3位:静岡県「富士川楽座」180200万円

4位:福岡県「むなかた」154178万円

5位:栃木県「どまんなかたぬま」134200万円

6位:熊本県「七城メロンドーム」129680万円

7位:新潟県「能生」126800万円

8位:宮城県「あ・ら・伊達な道の駅」:123504万円

9位:静岡県「掛川」123000万円

10位:千葉県「富楽里とみやま」119000万円

道の駅ベスト10は、平成22年7月発行の雑誌「クルマ旅」に掲載されました。