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B級SF(古〔いにしえ〕の魔人)
西暦1974年7月7日 九州は博多の海は 少し騒がしかった。
海洋考古学を専攻するも これといって実績も無く、無論名誉もない男 小谷雅人は
イギリス人超有名学者モーガン氏の日本人助手として 現地で雇われた。

博多の街の近海のココでは 小型作業船が3隻出ており慎重に引き揚げられているモノがあった
それは、長さ3メートル程の長方形で重そうな金属製の箱。
第二次大戦前、日本の軍事機密でココは 密かに海底調査が行なわれていた場所だが
その調査が何を探そうとしているのかは今まで不明のまま。

日本軍は、その金属製の箱を引き揚げようとした時期、戦況が怪しくなって以後、
そのまま調査は手付かずの状態になり終戦を迎えて今日に至るのだった。

占領軍の一員として モーガン氏は、旧日本軍の極秘資料を調査する役目を負っていたが
その中にナチス・ドイツ軍からの日本軍に調査依頼のあった1つの資料を見つけ出す。

博多の近海であるコノ場所に 昔ポルトガル船がエジプトから運んだ物で ある重要な遺跡の
1つが沈んでおり、その遺跡を回収して ドイツ軍が発見した他のアフリカにあったという
遺跡4個と併せると軍にとっては大きな利益になるかもしれない・・・というモノだった。

興味を引いた占領軍と各戦勝国は 日本軍が引き揚げる事のなかったそれを
モーガン氏を主幹としてチームを組ませて 引き揚げさせようとしている。

小谷雅人には息子が1人居る。名前は和彦、まだ12歳である。
父である雅人の仕事に異常に興味があり、日々 まとわり付いて離れないのだが
今回の引き揚げ作業にも 普段にも増して興味深々の模様で じっと作業を見つめている。

作業も終盤、その重そうな棺にも?似たような物体が 波間から姿を現して作業船は港に
戻り 早速モーガン氏と小谷達スタッフは 箱の解体作業に入ったのである。

びっしりと箱に付いた 色んな貝類や固形物を剥がし、箱を開ける鍵穴みたいな部分を
探すのだが・・・・・それがどこなのか?よく解らない。
清掃してるうち、箱の表面に なにやら不思議な模様、又は文字のような形が浮かんできた。

その文字の解析は 専門のスタッフに任されて、とりあえず箱の中をX線で様子を
探ろうと準備する。
しかしなぜか?現代の最先端の機材をもってしても 中の映像は撮れない。

スタッフも モノがモノだけに慎重にならざる得なく、箱を開けるまではしばらく時間が
掛かりそうな気配であった。

数日後 その箱に書いてある文字の解析結果が モーガン氏に伝えられる・・・・
結果的に意味はこうであった。

【人類が、まだ争いに終止符を打てないのならば この中のモノを世に出してはならない】