Harmony 導体断面積 0.416(前身Sopia0.506)mm2
 Harmonyモデルの前身、原型となったのはSophiaモデルです。広帯域再生をめざし、2009年5月誕生しました。表皮効果理論からヒントを得て、高音質な高純度銅素材で径の異なる数種の素線を、同心円状多層構造に配した導体の試みでした。以後、『多層構造導体』として、Moon Audioリード線の性格を決定づけたradicalな技術です。

 ネーミングのSophiaは、開発にご協力いただいたソフィァザール氏にちなみます。幅広いジャンルの音楽に日常触れていらっしゃる音楽家で、初期試作モデルから評価と助言の末、最後に高い評価をいただきました。

 11年モデルでは、径の異なる3種の素線で三層構造の導体を形成して、帯域特性拡大を試みました。そのワイドレンジでニュートラル、しっとりした素直な音質は、音楽ジャンルを問わず幅広くカバーして高評価を得ました。しかし、工作が複雑で生産性が低くロスも大きいため、Sophiaの価格ではコスト負担が重く、受注生産として、多層導体技術は上級モデルに引き継ぎました。

 16年、2度目のバージョンアップでは、無垢でピュアーな音質ベースに、いくつかの二層構造モデル開発で培ったノウハウをフィードバックし、可能な限り低価格でハイC/Pモデルをめざしました。3種の素線配分比、帯域バランスを見直し、キレと空間表現を得て、音楽を愛する心に響く音質!ネーミングは、音質をそのまま表現したHarmony!

Harmony(Sophia) スペック :
@ 異なる3種径の 高純度ortofon 7N銅二層構造導体。
A 導体断面積 0.416(0.506)mm2/素線数35(43)本。
   画像上段、09年開発時のSophia、試供カートはDL-304&MC20S。
   中段、SophiaとHarmony、試供カートはDL-305&MC30S。下段、試聴情況。
開発時のソフィアザール氏インプレッション
…今キャロル・キッドを聴いています。廉価なオーディオ・テクニカのカートから、ギターもピアノも、勿論キャロル・キッドの歌声も魅力的に聴こえます。このテストに合格しなければ私のところでは次に進めません。良い感じでキッドが可憐な声で囁いています。 このイメージはリンショップでもオーディオショウのリンのブースで鳴らされている時よりも、女性ボーカルの生めかしさを感じさせてくれます。半導体アンプと真空管アンプの差を感じますが、球アンプですがNFBで角が取れた音色とは別物ですからなかなか理解してもらえませんが。楽しく聴いております。

 未だに聴き続けています。チャイコのバイオリンコンチェルト、オケはコンセルバトワールです。レオニード・コーガンで1960年録音ですがモノラルのコロンビア原盤で33cx1711です。ステレオ時代のモノラル盤は楕円針で聴いていますが、軽く爽やかですね。そろそろ出かけなくてはなりません。

 バンドの練習から戻り、続きです。ボザールトリオでドボルザークのピアノトリオでドムキートリオ、続いていまピエール・フルニエのチェロを聴いています。軽い音調で私の好きな響きです。軽針圧用アームを用いてコンマ5グラムもかけているでしょうか、部屋を歩くとちょっとした弾みでLIN-LP12は針飛びを起こしてしまいます。しかし、レコードを忘れさせてくれる癖の無い響きです。カートリッジが姿を消していい感じです。大沢カートリッジに迫る音味です、柔らかさでは凌いでいる部分を感じます。ホールの15インチダブルでの試聴は今しばらくお預けです。 

 今はデッカのエクリプス盤で(デッカ・ロンドンの暖簾レーベルです)ワグナーの彷徨えるオランダ人を聴いています。この盤は従来は再発盤ですが、モノラルの時代の録音もあり重宝していますが、マスタリングに先鋭すぎる嫌いがありましたが、とても良い感じです。1955年録音で擬似ステレオ盤ですが、臨場感あふれる歌声とオーケストラを聴く事が出来ます。とにかく癖のある盤ですが自然に、この時代の録音を情報量よく聴く事が出来ますので、感心しています。とにかく自然ですねそれでいて情報量も不足を感じませんから、次から次と聴きたい気持ちになっています。                 (以下次ページに続く)
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