Seiren Ex. インプレッション V

《視聴環境》 プレーヤー:マイクロ1500、アーム:サエクWE308SX、カートリッジ:光悦(ブラック)、プリアンプ:プライマー928、メインアンプ:ジャン平賀氏製作真空管300Bアンプ、スピーカー:タンノイオートグラフ(ティアック箱)
試聴レコード:RCA ホルスト組曲『惑星』作品32ユージンオーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団
《インプレッション》 強奏部、弱音部、高音部、低音部が豊かに含まれた『惑星』で試聴した。すべての楽器が強奏する部分に於いて、これまでのシェルリードと比べ各楽器の音の輪郭が明瞭になり、それぞれの楽器の音もよく聞き取れるようになった。高音部、低音部もより滑らかに色づけなく出るようになって、大音量で聴いても疲れない音となった。
 色づけなく各音域がバランスよく出るようになったこと、音の解像度が上がり、楽器の表情が豊かに出るようになったことで、音楽がより楽しく聴けるようになったことは本当にうれしいことです。シェルリードで音が変わることは何度も経験してきたけれど、今回のような再生音域が広がり、音に色付けが無く、分解能が優れ、楽器の表情を描き出すシェルリードに出会ったのは初めてである。たかがシェルリードと思って購入したが、今回はやられてしまった。結果、追加注文してしまった次第である。                                  (2010.11.10 京都府宮津市 ST様)

 昨夜も夜遅くまでレコードを聴いておりました。シェルリード線に誘惑された結果です。昨夜の一枚はクリュイタンス指揮のベートーベンの9番です。オケは低音部がクリアーになりスケール感が出てきまし、独唱部は立体感がでてきて、合唱部は合唱者個々の声まで聞こえるような感じで一層鮮明になりました。満たされて床につきました。
今回のこのシェルリード線には充分満足をしています。
 いろいろメールに記してくださっているオーディオの記事は私にとっては「悪魔の囁き」になりかねません。十数年封印していた泥沼へ、又足が引き込まれそうです。用心用心 ^_^; 先ほど追加分のシェルリード線が届きました。これはオルトフォンのコントラクンプトに使います。失礼いたします。(2010.11.12 京都府宮津市 ST様)

 ……前略。今日やっと聴くことができました。まだ良く解らないですが、一聴した感じが、音に実在感、躍動感が今まで使用した物と全然違います。他のカートリッジにも着けたくなりました。                                       (2011.08.30 秩父市 HO様 )

 圧倒的情報量、フラットな音域、音場感(横・奥行き)が印象的で、これをつけたら外せないと思わせるような音でしたが、少し本来カートリッジの持っている個性が失われる?ような感じが残りました。(もう少し聴きこんでいく必要があると思われます。)   (2011.09.11 千葉県柏市 KY様)

 ……エースカートリッジはortofon SPU Synrgy で、到着した日の夜に装着。かなり堅い線なので装着はしにくかった。試聴しだしたのは夜中になってしまったので、大音量は御法度。家族からNGだされないように気をつけて聴いた。???『あれ?』。でかいのである。音量は小さいが、音場が今までよりかなり大きい。左右のスピーカーの間に音がぎっしり。今までとスケール感がまるで違う。鯛焼きで言うと頭からシッポの先までアンコが詰まっている感じで嬉しくなってしまう(笑) 高音が強く感じられるが中域は程よく気持ち良く、好感触。ソフトな雰囲気の低音、小音量では低音の評価は難しい。リード線のくせに慣らし運転が必要かな?

日曜は、……夜の8時頃から音量を上げての試聴開始。聴いたレコードはアルケビッチのピアノの独奏、ラベル作曲「夜のガスパール」。第一印象は昨夜とあまり変わらず、高音が強い感。中域はGood。低音は高音に比べてソフトもう少しハードな低音が欲しいかな、なんて思いながらも、音場がすごく良く響きが綺麗で余韻も良く表現されている。どんどん聴き進めていく。MJQとスイングルシンガースのバンドーム。人の声と楽器の音が濁らないのに有機的に結ばれている。オペラ、ウエストサイドストリー。これは凄かった。オーケストラと歌手のバランスが絶品。録音会場の大きさまで手に取るような表現。

 スメタナ四重奏団でベートーヴェンの弦楽四重奏曲第一番。スメタナ四重奏団の演奏は真面目であまり好みでなかったが、弦と弓がこすれて発するわずかに濁った音や、チョロの胴鳴りが美しい。こんな凄い技術を使って演奏しているんだなんて、演奏出来ない自分でも解ってしまうかのような表現で聴かせくれた。

 最後に聴いたのは、大好きなLIVING STEREO録音で、ストコフスキーの「ラプソディ」。ここまで聴てくるとリード線もならし運転が終わったのか、<リード線にも慣らしが必要なんて経験初めて。音が変化していくことがこのリード線は解ってしまうです> 耳についていた高音域も落ち着き、少し引っ込み気味だったソフトな低音も鳴りだしてきた。中音域は深みをおびた音色に変化。他に気づいたことは、レコードのノイズ(パチパチ音等)が耳につきにくい。音楽と別のところで鳴っている感じ。

 オーディオ的な表現の説明になってしまったが、自分の装置で演奏や表現される音楽を意識できたのは、初めての体験。今までの音はなんだ?リード線でここまで音が変わるとは思わなかった。シナジーって凄いカートリッジなんだね。その変化を受け止めたEQ-7070も凄かった。恐ろしやSeiren。素晴らしやSeiren。他のカートリッジにもこのリード線を使いたいと思う自分が怖い。【試聴器機】ortofon SPU Synrgy/Pioneer PL-70/Victor EQ-7070/YAMAHA B-4/DIATONE DS-505                             (2012.11.26 京都市 KR様)