太くてもいい邪ない?(4)

1ヶ月の間に10キロ太った。10キロぐらいだと顔つきはそれほど変わらないが、腰周りはそれなりにサイズが変わる。今まではいていたジーンズはすべてクローゼットの奥にしまい、ベルトでウェストを調節できるゆるいズボンをいくつか購入した。

「お客様、こちらでは少しサイズが大きすぎるのではないですか。もう1まわり小さなサイズがちょうどよろしいかと・・・・」
「1ヵ月後にはこれがちょうどよくなるんだよ」
「さようでございますか」

定員の目が俺の顔と腰周りを交互に眺めていた。なんとかという映画俳優に似ているけどでもあの腰周りは、とでも言いたげな顔つきである。パンツも特大サイズの物を買った。こちらは試着しなくていいから気楽であるが、はいてみるとどうも股間がスースーして落ち着かないし、ズボンと一緒にずり落ちそうになる。ベルトをきつく締めると食欲が落ちそうなので、仕方なくゆるめのパンツをいつも気にしながら歩くことになる。街を歩いていてもズボンが下がってないかつい気になってガラス窓などを覗いてしまう。そして兄貴に注意された。

「おい、ジャレッド、お前ロックバンドのボーカルだということを忘れるんじゃないぞ。そんなゆるいパンツをはいていてロックが歌えるのか?」
「バンドの仕事はしばらく休む」
「もちろん仕事はしなくていいさ。俺が言いたいのはロックの精神というものだ。ゴムが伸びきったような格好をして、いい歌が歌えるわけがない。なんていうのかな、ロックというものはもっとこうギンギンに張り詰めているものだ。もうそれぐらい太れば充分だろう。お前が主役なんだ。早いとこ撮影を始めてしまえばいいだろう」
「そういうわけにはいかない。後20キロ太らなければ・・・・」
「そんなものCGかなんかで処理しろよ。俺は知らないからな、本当に・・・・」

太った体では精神を張り詰めたロックは歌えない。兄貴のシャノンですらはっきりそう言った。本当にそうなのだろうか?あのチャップマンだって本当は誰よりも音楽を理解する精神を持っていたかもしれない。でも、周りの人間はそうは思わない。体型が変われば周りの扱いも変わるということを俺は身を持って感じた。





コリンはどうなのか?俺は1ヶ月ぶりにコリンに会った。案の定ヤツもまず俺の顔を見て、それから腰周りに目を移した。顔はそれほど変わってないが、かなり重くなっているはずだ。俺はもう足を持ち上げられないかもしれない、そんなこと考えているに違いない。レストランを出て、俺が夜食のドーナツを買っている時、ヤツはビデオショップに入っていた。ホテルに入って夜食を食べる振りをしながらヤツが購入したビデオもチェックした。太目の男の絵がカバーにある。それようのHな雑誌も太い男の写真ばかり出ている。それがコリンのやさしさだ。パートナーの見た目が変わればそれが別れにつながるというのはゲイの間ではよくあることだ。タブーがあるから燃え上がるのも早いが、その代わり束縛するものも少なくて熱が冷めればさっさとわかれてしまう、そんな話をよく聞いていたから俺は少し感激してしまった。互いに仕事で忙しいのだから撮影が終わるまでの半年間、全く会わないという手段だって考えられる。でも俺はそうはしたくない。ヤツには俺の全てをわかって欲しい、この体型がどう変わっても・・・

「先にシャワーを浴びてこいよ」
「わかった」

俺は買ったばかりでまだ自分の体にフィットしていない特大パンツを、わざとベッドの上の目につく場所に脱ぎ捨てた。コリンがこれを見てどう感じ、どういう行動をとるか大体わかっている。シャワールームの隙間からこっそり覗くと思った通りヤツは俺のパンツを広げ、自分の腰にあてていた。自分がついさっきまで身につけていたものを恋人が見て手に触れるというのは妙にエロチックな気分にさせられる。今まで自分の体の方ばかり気になって脱いだパンツのことなど気にも留めなかったが、まだ温もりが残っているかもしれない、俺の臭いが・・・などと考えると顔がかーっと熱くなった。サイズがサイズだけにヤツはやけに丁寧に俺のパンツを眺めては、体にあてている。お前のより大きいのは当たり前だ。俺はまだそこまで太ってはいない。なんだったら体を合わせればすぐにわかる・・・・体中を熱が駆け巡り、俺の体はシャワーを浴びる前から真っ赤になっているに違いない。熱い湯を音が聞こえるほど勢いよく出し、体中にかけた。熱い!今すぐにもあいつのモノが欲しい!俺はシャワーで自分の股間を刺激した。それだけでは激情は止められず、指で刺激してからシャワールームを出た。





興奮が収まり、少し冷静になると夜食に買ったドーナツを食べなければという気分になった。あいつとのsexでどれだけカロリーを消費するかよくわかっている。映画の撮影が終わって痩せる時は協力してもらうのが一番だろうが、今は消費するカロリー分はしっかり食べなければならない。1つ手にとって食べていると、コリンがそばにきた。

「ああ、お前のここはまるでドーナツの穴のように俺を強く締め付ける」
「なんだよ、食べ物を見てまでお前はそんなことを考えるのか。よっぽど・・・」

言いかけて俺は何気なくヤツの股間を見た。何もつけてなく、毛むくじゃらだ。コリンは下の毛も濃くて太い。その刺激が俺をさらなる興奮へと導くのだが、今はその間から突き出しているはずのモノが見えない。ヤツに限ってそんなこと、やっぱりあるのだろうか。俺はできるだけ冷静さを装ってコリンに近づいた。

「ドーナツの穴ってなんだ、コリン?」
「あ、いや、昔見たビデオを思い出した」
「この俺が目の前にいるのにそんなものが必要なのか」
「そんなことはないさ。お前がいればそれで十分だ」

コリンは俺の顔を引き寄せ、唇を近づけてきた。俺はさりげなくヤツの足の間に自分の片足を入れた。唇が重なり、舌を絡めあう。いつもならその陶酔に身をまかせるのだが、片手をコリンの足の間に入れ、太腿を内側からそっとなでた。足がビクッと動き、唇が離れた。

「どうした、ジャレッド。今夜は随分積極的じゃないか」
「俺は1ヶ月我慢したんだぞ。お前と違って他のヤツとはできないから」
「俺だってもう他のヤツとはする気になれない。でもお前の腹を見るとどうもその・・・」
「まさか立たないとは言わないだろうな。男でも女でも見境なく手を出すハリウッド1のプレイボーイだったお前が・・・」
「それは過去の話だ。今はもうお前以外考えられない。でも・・・」

コリンが情けなさそうな顔をした。そういう時、ヤツは実にすまなそうな顔をする。基本的に誠実な男だ。考えていることが全部顔に出てしまう。

「ベッドに行こうぜ。ここじゃ不安定だ」
「お前を運べるかどうか不安だ」
「そんなこと無理に決まっている。俺は10キロも太った」
「そのために俺はウェイトトレーニングをやった!お前がいくら太っても、軽々と抱き上げて愛せるように・・・」
「無理なこと言うなよ。俺はこれからますます太るんだぜ」
「わかっている。でもお前がいくら太っても、俺はお前を支えられる。この筋肉を見ろ。ウェイトトレーニングなんて久しぶりだから筋肉痛がひどくて大変だったけど・・・」
「コリン、お前・・・・」

俺の胸に熱いものがこみ上げてきた。こんなことぐらいでと思いながらも涙が流れた。

「泣いているのか」
「泣くわけないだろう。そこまで言うんならさっさと俺をベッドまで運んで突っ込んでくれよ。俺はもうさっきから興奮して待ちくたびれて、こんなところからまで水が出てきて・・・チキショー、ホットチョコレートの飲み過ぎかな、目から水分が流れるなんて・・・」

言い終わる前に俺の体は高く抱き上げられていた。

「おい、無理するなよ」
「じっとしていろ。そうじゃなくてもお前、重いんだから」

俺は慌ててコリンの首にしがみついた。大き過ぎるズボンのように体の重みでずり落ちてしまいそうだ。

「おい、首絞めるなよ!」
「悪い、肩を・・・いいからもう下ろせ!」

だが、コリンはゆっくり歩き出した。腰にかなり負担がかかっているということはすぐにわかった。やっとベッドの側まで来ると、倒れるように膝を崩した。俺は慌てて床に下りた。

「アイタタ・・・ああー腰をひねったようだ」
「だから言っただろう、無理するなって。お前撮影がすぐあるんだろう。腰痛めてどうするんだよ?」
「俺が腰を痛めているのはいつものことだから、監督も気にしないさ」
「なんだ、やっぱり他のヤツともやっているのか」
「いや、いつも腰を痛めているということで有名になっちまっているから監督もよくわかっているさ」
「だからと言って、こんなことしなくてもいいだろう」
「おかしいな、俺、ウェイトトレーニングでは80キロまで持ち上げたんだぜ・・・・アイタタ・・・アア・・・なんかこのあたりも・・・」
「俺がなんとかしてやるよ。楽な格好で寝ていろ」





寝ているコリンの足から腰までを順番にさすった。

「これでどうだ・・・」
「ああ、楽になった。こうやって全身をマッサージしてもらえるなんて、王様にでもなった気分だ」
「あれ以来、王様役はやってないか」
「そうだな。それにあの時は緊張して王の気分をじっくり味わうどころじゃなかったし、アクションも桁違いに多くてよく怪我をしていた」
「昔はきっとこうやって互いに怪我の手当てをしたり、痛いところをさすったりしていたのだろうな」
「そうやって自然にやることもやった。もういいぞ。俺のも立ってきた。お前、横になれ」

俺は喜んでうつ伏せになった。腰を高く上げ、足を少し曲げて受け入れる準備をした。だが、なんかいつもと違う。膝がうまく曲がらないし、腹がベッドにつかえているようなのだ。コリンの指が俺の内部を盛んに刺激する。

「いいか、ジャレッド?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。なんかこう体がうまく支えられなくて」
「いい格好しているぜ。少しぐらい太くなったって、そうやってケツを丸出しにしている姿、たまらなく官能的でいやらしい」
「ちょっと待ってくれよ、なんか」
「お前のここ、指を締め付けて離さないぞ。よっぽど欲しかったのか。待っていろ」

体の敏感な部分に舌が触れた。コリンがゆっくりと俺の体をめくり、舐めあげてくれている。ビチョビチョといういやらしい音に俺は歓喜の声を上げた。たっぷりとした唾液は前の方にも垂れ落ち、俺のモノを湿らせていく。腰が小刻みに揺れた。早く欲しい、もう我慢できない。

「うわー!・・・・・ぎゃああああー・・・・やめてくれ!」

信じられない痛みに体を貫かれ、俺は腰をひねった。だが、がっちりとした手に尻を掴まれ、ほんの少し捩ることさえもできない。

「ああー・・・うわー・・・・ぎゃああああ・・・・死ぬ・・・・」
「久しぶりだからな。ちょっと痛いかもしれない」

ちょっと痛いなんてものではなかった。太い杭か焼けた鉄の棒を体に無理やり押し込まれたような痛みである。目から涙がこぼれ、のたうって絶叫した。だがそんな命がけの叫びもコリンにはいつもの喘ぎ声にしか聞こえないのか、攻める勢いを少しも弱めてはくれない。ウェイトトレーニングなんかやったから、ますます筋力もついてあの部分も太く固くなったのかもしれない。

「コリン、お願いだ、もう少し・・・・ああー・・・はあああー・・・・」
「そんなに気持ちいいか。久しぶりだからな・・・・ああ、お前のここは本当にドーナツの穴のように気持ちよく俺を締め付ける」

ドーナツの穴・・・・まさか・・・体についた脂肪はこの周りにも集まって穴を圧迫し・・・・

「うわあああー・・・・ぎゃあああー・・・・お願いだ・・・・もうやめて・・・・ああああー・・・」

大声で叫んだ。その後の記憶はまったくない。



                        −つづくー




後書き
 太って体が重くなると、人の目も変わるし日常生活にもいろいろ変化が出るでしょう。Hも今までと同じようにはできなくなってしまうかもしれません。でもウェイトトレーニングをやるとそこの筋肉も発達するとか、脂肪がその部分を圧迫して穴を狭くするなどということは全くの作り話です(笑)根拠はまったくありません。でもなんとなくそんなこともありそうな・・・・
2008、1、30


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