屈辱と栄光の絆(3)
 
               レオニダス 17歳
               ディリオス 12歳
               ボロトス(ディリオスの兄) 18歳
               デネソロン(ディリオスの父) 58歳

ディリオスは訓練所に向かって走ったが、途中で考えを変えて山道に入った。兄が成人の儀式を終えて戻って来たということで、今日は訓練所に戻る必要はない。ひどく空腹でもあった。7歳の時から入っていた訓練所でもそうだったが、12歳になって移った訓練所で与えられる食事はさらに少なくなり、必要最低限しかもらえなくなっていた。足りない分は盗めというのがスパルタの掟であるが、ディリオスはなかなか盗みを実行することができなかったし、やっと決行した時にはすぐに見つかって鞭でひどく打たれた。意識がもうろうとしている時にさらに傷の手当てをしてくれた年上の少年レオニダスに犯されるというおまけまでついた。その行為はまだ子供だったディリオスの官能を刺激し、生きる力を目覚めさせたりもしたが、屈辱と苦痛も相当なものであった。

「盗み以外の方法で食べ物を手に入れよう」

かなり山を登って来た場所で彼は独り言をつぶやいた。ここまで来る者はめったにいないし、成人の儀式にはもっと遠くの山が使われていた。1年以上前、成人の儀式を行う前に兄ボロトスがこの山にディリオスを連れて来て、食べられる草や木の実について詳しく教えた。食べ物を満足にもらえない訓練所での生活を心配してだった。兄の説明をよく覚えていたので、少し歩けばすぐ両手にかかえきれないほど草を摘むことができた。太陽はもう山の陰に隠れている。ディリオスは小さな川で水を飲み、摘んだばかりの草も丁寧に洗った。少し離れた草の上に1枚の布を縛っただけの衣服を広げて座り、草を食べ始めた。

「うわー、苦い・・・・だめだ、これもひどい味だ」

おいしいものなど1つもなかったが、それでも空腹を少しでも満たすために苦い草を噛み続けた。

「なんだ、デネソロン議長の子がこんなところにいて、家でご馳走を食べているのではなかったのか」
「あなたは・・・・レオニダス・・・・どうして僕のことを・・・・」

突然声をかけられたディリオスは驚いて顔を上げた。目の前には背の高いレオニダスが立っている。

「無用心なヤツだ。俺が敵ならお前はもうとっくに死んでいた。短剣は常に手の届くところへ置けと教えられただろう」
「ここに人が来ることはめったにないから」
「山で夕食か、家のご馳走も食べずに・・・・」
「どうして僕のこと・・・・」

ディリオスはもう一度聞き返した。訓練所では誰がどの家の子かということは一切明かされていなかった。王や議長の子であろうと扱いはみな同じである。

「俺とお前はもう他人ではない。お前の家族のこと少しは調べてもいいだろう」

レオニダスはディリオスの白い衣服の上に遠慮なくドサリと座り、わずかに前の部分だけ隠した腰巻の上に大きな手を乗せた。

「あ、やめてください。あなたはどうしてここに・・・・」
「お前と同じように食糧をさがしてと言いたいが、俺はいくらでも食糧ぐらい別の場所で見つけられる。薬草をさがしに来た」

王族であるレオニダスは隠れて食糧をもらうことは簡単だったが、そのことは誰にも言わないというのが条件だった。ディリオスはまだ彼が王族であることを知らない。

「あなたは強くて才能もあるから、食糧ぐらいいくらでも手に入れられると思います。でも僕はこうするしか方法がありません。ほっといてください」
「お前は気持ちよさそうにしている。まだ充分に成長してないが、感度は抜群にいいようだ」
「やめてください・・・ああー」

レオニダスの大きな手が、腰巻の薄い布の上からディリオスの一番敏感な部分を力強くもみしだいた。思わず腰を浮かせばゴツゴツした指が布の上から穴の入り口に触れた。

「いやです、もうこんなこと・・・・これはタブーです。見つかればさらし者にされて罰を受けるからもういや・・・ああー!」
「そうか、だがお前の体と心は求めている。この前もそうだった。お前は抵抗しようと思えばできたはずなのに、あえてそれをしなかった」
「あの時僕は半分意識を失っていて・・・・」
「抵抗できなかったというのか。フフ、お前は本当にかわいい」

レオニダスは舌なめずりをした。あたりはもうすっかり暗くなり、大きな丸い月が出ていた。ディリオスの細い体は小刻みに震えているが、坊主頭の下の彫像のように整った顔がまっすぐ自分を見た。全身の血が熱く体を駆け巡り、体のある一点に集まって爆発しそうな勢いで情欲を高めた。なぜこの少年にこんなにも激しく欲情してしまうのか。今まで仲間同士いくらでも似たようなことをしてタブーを犯す寸前の行為で止めて誤魔化していたのに、彼が目の前にいるというだけで、自制心はまったくきかなくなる。心臓が相手に聞こえてしまうほど大きな脈を打っている。呼吸も荒くゼイゼイしている。だが、このまま勢いにのって彼を犯し屈辱を与えてもいいのだろうか。自分の欲望を満たし、なおかつ彼を男として成長させるには・・・・

「ディリオス、お前は強くなりたいか?」

突然の口調を変えての言葉だったが、ディリオスは大きく頷いた。

「俺がどれほど強いか、お前もよく知っているだろう」

下半身の敏感なところを強く握られているディリオスは言葉を返すことができず、ただ頷くばかりだった。

「俺の言うとおりにしたら、強さの秘密を教えてやろう」

ディリオスの目がレオニダスをじっと見つめた。彼もまた自分を求めていることは間違いない。細い肩を抱きしめ、うなじをなでて耳元で囁いた。

「俺に全てを任せろ。俺が必ずお前を強い男にしてやる」

ディリオスの口からため息が漏れた。小柄な少年の首から肩にかけての線が月明かりの下、いっそう艶かしく見えた。レオニダスは自分の衣服を草の上に敷き、腰巻の布をはずした。全裸のレオニダスを見て、ディリオスは少し顔を赤らめた。

「恥ずかしがらなくていい。これも訓練の1つだ。俺とお前だけの特別の訓練だ」

言いながら唇を重ね合わせ、手は少年のまだ小さなものを懸命にまさぐっていた。





「手はこの位置、足はここだ。足はもう少し開いて、ひざをここにつける。オオカミだ、今お前はオオカミと同じスタイルになった」
「はい」

レオニダスは草の上に敷いた服の布の上にディリオスを四つん這いにさせた。

「いいか、この格好のまま、どんな衝撃を受けても声を上げず、体も動かさずに持ちこたえろ。痛みに耐えて持ちこたえてこそ一人前のスパルタの男だ」
「はい」
「もし、少しでも声を出したら、皮のベルトで打つからな。そのつもりでいろ」
「はい」

レオニダスは膝をつき、自分に向けられた小さな尻を両手で押し開き、入り口に肉根をあてがった。まだ成長していない少年がなんの準備もせずに受け入れた時どれだけの痛みを伴うかは充分に想像ができた。ディリオスの体は前の記憶を思い出し、ガタガタと震えた。その尻を押さえつけ、レオニダスはありったけの力を入れて最初の一撃を加えた。

「ああー!・・・痛いいいー・・・・ヒイイー!・・・・」

悲鳴と共に小さな体は倒れた。

「声を出すなと言っただろう!これぐらいでもう崩れるのか!しっかり支えていろ!いいか、強い意志があればどんな痛みにも耐えられる。次は絶対に声を出すな」
「はい」

ベルトの鞭を手に取った。四つん這いにさせたまま背中や尻を続けざまに数回打った。

「ああー!・・・・・ひいいいー!」
「声を出すな!体も動かすな!歯を食いしばって痛みに耐えろ」
「はい」

続けてまた数回打った。今度は悲鳴を上げなかった。ディリオスは顔を歪めながらも歯を食いしばって耐えていた。

「いいぞ、その調子だ」

レオニダスはニヤリと笑った。もう一度尻を掴み、肉根を押し当て、勢いよく貫いた。レオニダス自身も激しい衝撃と摩擦の痛みを感じていた。だが悲鳴は聞こえない。小さな呻き声を漏らしながらもディリオスは持ちこたえていた。

「大丈夫か、ディリオス」
「・・・・・」

痛みに懸命に耐えている体はレオニダスの巨大で固い肉根さえ締め付けた。強い快楽に彼は我を忘れた。ディリオスの目からは涙がこぼれ、体をわずかでもずらそうとしてもがき、強く擦れた部分から血が滲み出ていたのだが、その苦しげな表情がレオニダスの情欲をさらに高めた。どれほど苦しくてもディリオスは体を崩したり、大声を上げたりはしない。レオニダスはさらに激しく攻めた。悲鳴を上げ、許しを請い泣き叫ぶのを待ったが、そう簡単に降伏することはなかった。力の限りを尽くして攻めても、ディリオスは痛みに耐え続けた。ついにはレオニダスが精液を解き放ち、この戦いは終わりを迎えた。





しばらくの間、レオニダスの方が息を整えるのに苦労した。ディリオスはまだ同じ四つん這いの姿勢のままじっとしている。

「もういいぞ、ディリオス。普通に座っていい。大変だったか?」

ディリオスは黙って頷いた。

「お前は見かけよりもずっと精神力がある。見直したぞ」
「僕はずっと精神力だけで生きてきたようなものだから」
「お前とは逆に力は強くても、精神がまるで鍛えられていないヤツの方が多い。だが、お前の場合はいつか体も精神に追いつき、真の強さを手に入れられるだろう」
「本当ですか」
「時々俺がお前を鍛えてやろう。合図を決めておくから、またここに来い」
「今と同じ訓練ですか?」

ディリオスの言葉にレオニダスは苦笑いをした。

「もちろん同じこともやるが、別の訓練もする」
「ああ、よかった」

ディリオスの顔がぱっと輝いて、始めて笑顔を見せた。

「もっとそばに来い、ディリオス、お前は本当にかわいいヤツだ」

言いながらレオニダスは自分からディリオスに近づき、体を抱きしめた。蚯蚓腫れの傷跡に滲んだ血が手の平についた。

「辛かったか」
「いいえ、あなたのように強くなれるなら、僕はどんなことでも耐えられます」
「お互い無事成人の儀式を乗り越えたら、同じ部隊で一緒に戦おう」
「僕が成人の儀式を無事・・・・」
「必ずできる。お前はこれだけの試練を乗り越えた。辛い時は俺の顔を思い出せ。どんな痛みもそれで乗り越えられる」
「はい」

ディリオスはレオニダスの方に体を傾けてきた。レオニダスはもう一度しっかり抱きしめた。夜は寒くなるかもしれない。衣服の布一枚を二人の体にしっかりまきつけた。



                                          −つづくー



後書き
 スパルタ式調教(?)とばかりにレオニダス、やりたい放題のことやっています。おまけに辛い時は俺の顔を思い出せとすごい自信(笑)でもそんな強引な相手にディリオスは魅かれるのです。この頃はまだ彼が王族とは知らないでいます。


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