12、繋がり
さっきまでの激しい動きで呼吸は乱れ、汗が吹き出ているのを感じる。彼の叫び声は消えた。少し心配になって繋がったまま背中に耳を押し当てると、規則正しい胸の鼓動が聞こえる。自分の勢いにまかせてちょっとやりすぎたかもしれないと後悔したが以外にもジャレッドは穏やかな顔をしている。さっきまであんなに激しく抵抗して俺を締め付けていた彼の体は、今はやさしく俺を包み込んでいる。俺はいままで随分たくさんの女や男の体の中に入った。痛い思いをしたやつ、何も感じなくてがっかりしたやつ、思いのほか快感を分け合えたやつ、いろいろな相手がいた。だけどただ中に入っているだけでこれほど心地よく感じる相手は今までいなかった。いや、この感覚は覚えている。前にも俺はこいつに出会い、こいつに包まれて幸せだったような気がする。ばかな・・・ジャレッドに会うのは今回が初めてだ・・・だが俺はこいつの体を確かに覚えている。
「おい、ジャレッド、俺は以前お前に会ったことがあるか」
「コリン、愛している」
俺の聞き間違えではない。確かにそう答えた。俺は繋がったまま体を折り曲げてジャレッドの細い背中を抱いた。ただそれだけのことで、深い喜びに満たされた。彼も幸せそうな顔をしている。強く攻めすぎて相手を気絶させ、俺はまだ欲望を吐き出せずに中途半端なまま繋がっているというのに、なぜこんなに満たされるのだろうか?だいたい気絶して笑っているやつというのも初めて見た。
「愛している、愛している・・・」
なんだこいつ気絶したまま寝言まで言ってやがる。うれしそうな顔をして・・・あんまりいい顔をしているから俺もそのままでいた。ずっとこのままでいたい、そんな気持ちだった。だが俺の欲望は意思とは関係なしに膨れ上がっていく。もう我慢できない。一度引き抜いて、再度狙いを定め勢いよく刺し貫いた。
「ギャー!!」
相変わらずすごい悲鳴をあげてジャレッドは目を覚ました。
「何をするんだ!人がせっかくいい夢を見ているときに!」
「夢!お前は人が一生懸命やっている時に夢を見ていたのか?どんな夢だ、うれしそうに笑っていたぞ。美女とやっている夢か?」
「夢の中にまでお前が出てきた」
「本当か!どんな夢だ」
「いや、間違えた、夢ではない。俺はお前にやられて気絶したんだ。だからあんな幻覚を見てしまった」
「何を見た。・・・俺もしかして以前お前にあったことあるか?俺の体はお前を覚えている。不思議なんだ。お前の中に入って・・・今も入っているけど・・・こうしていると何かに包まれているような幸せな気持ちになれるんだ。ずっとこうしていたい」
「俺はいやだね。冗談じゃない。こんなことさっさと終わらせてくれ」
「そう言うなよ。俺はお前に包まれて眠りたい」
「そんなによけりゃ、ウサギの毛皮の○ンツでも作ってやろうか!」
「今何言った?ウサギの毛皮の・・・」
「うるさい、間違えた。余計なことを言った。まったく関係ない。早く終わらせろ!」
「そう言ってお前本当は好きなんだろう」
「別に好きじゃない、こんな痛いこと、だけど命の恩人だから・・・」
「何の話だ、ますます興味深いな」
「また余計なこと言ってしまった。俺の幻覚だよ。気にするな」
「話してくれ、その幻覚とやら」
「そんなこと話すわけないだろう」
「話さないならこうしてやる!まだ時間はたっぷりある。お前の幻覚全部しゃべってみろ」
「やめろ!おい、何をする!」
力関係では完全に俺の方が上だ。いやこいつは抵抗しながらもこうされることを心の底から望んでいる。そうでなければ気絶して笑っているはずがない。全く変なやつだ。だけど俺はもうこいつなしではいられなくなるかもしれない。今まで付き合った男や女のことなどもうどうでもいい。このジャレッドさえいてくれれば、俺は心も体も満たされていく。
朝日が差し込んできた。俺にとってはさわやかな朝、だけどジャレッドは歩くのも辛そうである。
「コリン、この島の奥地には何がある」
「さあ、行ったことないからな。海岸で泳いだり、寝そべったりばかりして、ジャングルの中なんか入ったことはない」
「それなら探検に行こう」
「お前、腰とか大丈夫なのか、歩くと結構きついだろう」
「当たり前だ、お前のせいでな。今までお前とつきあったやつ、よく身が持ったと思うよ。だいたいお前のモノの大きさは半端じゃない。マンモス並みだ!・・・まあお前は狩の名人でマンモスもよく捕まえていたから・・・」
「それは皮肉か、そのマンモスに攻められてお前は大変なんだろう。それなのになんで探検に行こうと言い出す」
「リハビリだよ!無理をしてでも歩いて慣れないと・・・俺にはこの先ずっとこういう生活が待っているんだから」
ジャレッドの言うことはどうもよくわからない。だけどこの先ずっとということはこの島を出た後も俺に会って関係を続けたいと言っているのだろうか。
「ああ、やっぱりそうとう痛いな。お前何かこういうところにつける薬とかないのか」
「俺のつばでもつけてやろうか」
「原始的なやり方だな。まあいいか、俺も今はそんな気分だ。でもいいか、絶対欲情して差し込むなよ。一日一回が限界だ」
「わかった、舐めるだけにしておく」
ジャレッドは裸になって白い体を俺の前にさらし、四つん這いになって尻を俺の目の前に突き出した。日の光の中で見るとよりはっきりと美しく見える。まったくこんな格好を俺の目の前でして、欲情するなとは無理なことを言う。実際俺のモノはすぐに立ち上がってしまった。自分の欲望を押さえながら跪き、ジャレッドの割れ目を押し開いた。確かにそこは赤くはれ上がって見るからに痛そうだし、切れて血が滲み、かさぶたもできている。俺はつばをたっぷり口の中にため、舌の上にのせて傷口に近づいた。今までにも俺は男とやる前にけつの穴を舐めたことはある。だけどこんなに明るい所で、しかもやる前ではないという状況で舐めるのは初めてであった。穴を指で押し広げ、傷口を丁寧に舐めると血の味がした。こいつはこんなに大変な思いをしながらも俺を受け入れようとしている。
「けっこうたくさん切れている。大丈夫か」
「痛くはない。気持ちいい。なあコリン、俺達ずっと前にもこんなことしていたよな」
「ああ、そうかもしれない」
「思い出したいんだ、その時のことをもっといろいろ・・・お前と一緒にいてすごく幸せだったような気がする」
「俺もそう思うよ」
「一緒に奥地まで歩いて行ったら何か思い出せそうな気がする」
「だったらそう言えよ。リハビリだとかお前はどうも俺の気に触るような言い方ばかりする」
「リハビリだよ、俺の大変さがわからないから、お前はそう言っているんだ」
「わかるよ、かなり血が出たようだ」
「いいんだ、これぐらいの傷、お前が俺に与えてくれたものはもっと途方もなく大きかったから・・・ちくしょう!男にケツ舐められてなんでこんなに気持ちよく感じているんだ。ここへきて、俺はおかしくなった」
「おかしくはなってない、お前は自分を取り戻したんだろう」
「ああ、たまらねえ、コリン、このままの気持ちで俺を連れて行ってくれ。何かが見えるかもしれない」
結局俺は目の前にえさを出されて食べようとした瞬間取り上げられてしまった犬のように、座り込んでハアハアしていた。ジャレッドはさっさと立ち上がって服を着、探検に行くための荷造りを始めてしまった。すっかりその気になっていた俺はなかなか立ち上がれない。
「早く用意をしろ。一日ここでハアハアしているつもりか」
「お前が悪い。あんなことさせてそのまま歩き出せというのか」
「そうだ、その方が楽しみも大きくなるだろう。俺は立場が弱かったからいろいろなこと考えてお前を繋ぎとめようとした、お前がいなければ生きていかれなかったし・・・」
「いつの話だ」
「ずっと昔のはなしさ」
まったくジャレッドはわけがわからない。わからないながらも俺はこいつの言いなりになっている。俺達は大昔、深い繋がりがあった。その絆を彼は思い出そうとしているのに、俺にはなんのことだかさっぱりわからない。転生ということが本当にあるのか、それとも単なるジャレッドの夢や幻覚といった妄想に過ぎないのか、どっちにしろ何もわかっていない俺の方が不利になるような気がする。俺も早く思い出さなければいけない。
何を?・・・俺達の前世かそれともジャレッドの妄想かもしれない何かを・・・なんのために?
−つづくー
後書き
二人の前世という妄想がどんどん膨らんでとんでもない方向に・・・もちろん現代のコリンはジャレたんお手製のウサギの毛皮の○○○なんかはいてないと思います(笑)
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