(7)初体験(前編)
俺の体が小刻みに震えているのは寒さのためばかりではない。生まれたままの姿になって愛する者と抱き合い、そのぬくもりを感じあう・・・本来ならロマンチックなシーンである。事実、コリンは俺の髪をかきあげ、耳元で甘い言葉をささやいてくる。
「愛しているよジャレッド。お前は素晴らしい・・・」
相手が女であれば俺もここで甘い言葉を返すはずなのだが、今はそれどころではない。この先自分の身に起こるであろうことをついつい想像してしまう。コリンのアレがやけに大きいのも気になる。今まで人のモノの大きさなど気にしたことはなく、自分も特別小さい方だとは思っていないが、彼のモノは別に長さを測ったわけではないが、確実に俺のモノより1.5倍はありそうである。小さくしぼんでいる時ですら1.5倍もあるモノは大きくなったときは何倍になるのだろう。1辺の長さが2倍になると体積は8倍になるから1.5倍の場合は1.5×1.5×1.5・・・そして俺の容量は・・・わーだめだ!これは絶対無理がある。
「そろそろいいかい。ほらもう我慢できなくなってきた。触ってみるかい」
俺は恐る恐る彼の下半身に手を伸ばした。直接目で見てその大きさを知ってしまうのは怖い。目をつぶって手でさわり、その大きさと固さを確かめた。これが本当に自分のあの部分に入るのだろうか?どう考えてもそれは愛し合う行為というよりも拷問のように思える。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。どっちの方向から、いやどういうかたちだと一番痛くない」
「体位のことか、まあ初めは後ろからが無難じゃないか」
「そうか、じゃあそれで早いとこやってくれ。なんかこう拷問でも待っているような気分で体中がむずむずする」
「わかった、それならそこに横になれ」
俺はテントの中にある簡易ベッドの上に横たわった。そこでまた一つ後悔することになる。初体験はやっぱり豪華なホテルで迎えればよかった。こんなごつごつしたベッドの上ではそれこそ刺激を受けて動くたびに他の部分までこすれて痛くなるに違いない。コリンが俺の首筋をなで、背中に口付けをする。どこかを触られるたびに体は激しく反応してしまう。
「いい体だジャレッド、どこに触れてもこんなに反応してくれるなんてうれしいよ。お前のここはどうかな?」
「うわー!!」
俺はものすごい叫び声をあげていた。一瞬何が起きたのかわからなかった。下半身にすさまじい痛みが走った。尻の穴に何かを入れられていると気がついたのは数秒たってからだった。驚きと痛みで息をすることもできない。尻の穴に突き刺したものを抜かれて、ようやく息をすることができた。
「そんなに驚くことないだろう。まだ指を入れただけだよ」
「・・・・・」
俺の心臓はバクバク動き、声を出すことができない。
「もっと体の力を抜いた方がいいぞ。指でよく慣らしておいてやるからそんなに痛くはないはずだ」
「力を抜けといっても・・・」
「俺に全てを任せろ」
「うわー!!」
再び指が入れられたらしい。俺はまた絶叫した。
「指ぐらいでこれだけ騒ぐやつも珍しい。まあそれぐらいの方が一度快感を味わえば病み付きになったりするけど・・・」
「快感・・・これが快感なのか・・・」
「そうだ。今まで味わったことのない素晴らしい快感を味あわせてやるよ」
俺は目を固く閉じた。これから起こる事を目を開けたまま体験する勇気はなかった。尻の穴をこじ開けられ、中に油のようなものを注ぎこまれた。続いてまた指が入る。ぬるぬるとした感触で今度はそれほど痛みを感じない。指は何本入れられているのか。さっきまであれほど神経が張り詰め、鋭い痛みを感じていたその場所にがぬるぬるとした不思議な感触で痛みを感じなくなっていた。俺は思い切って腰を少し動かしてみた。尻の穴を通して指の感触が体中に伝わってくる。耐え切れずにあえぎ声を漏らした。
「そうだジャレッド、感じているのか、もっともっと声を出していいよ」
俺は大きな声を上げた。自分の声だけが反射して聞こえ、今まで感じなかった体の部分を覚醒させていく。指が体の内側に触れるたびに神経がそこに集まり、痛みとも快楽ともつかぬ不思議な感覚を覚える。おれのモノはたちまち固くふくれあがった。これならば女とやるよりもよほど良いかもしれない・・・俺は夢中になって腰をふり、歓喜の声を上げていた。
「ギャー・・・アー・・・!」
快楽の時は終わった。俺は今度は処刑台の上にいた。足を開いて縛り付けられ、尻の穴から先の尖った太い杭が打ち込まれた。杭が打ち込まれるたびに想像を絶する痛みに襲われ、俺は叫び声を上げた。体は裂け、大量の血が流れているというのに死ぬこともなく、意識を失うこともない。だがこれは間違いなく死よりももっと鋭い痛みである。俺がこれだけ苦しんで絶叫しているというのに、処刑人は杭を打つ手を止めようとはしない。この世のものとは思えない痛み、それなのに俺のモノは喜びに震えて大きくなり、どろりとした液体を吐き出していた。声を上げ続けたのどはひりひりと痛み、頭は何も考えられなくなり体中がバラバラになっていた。自分におおいかぶさる男の荒い息遣いが聞こえる。俺の叫び声も痛みにのた打ち回ってうごめく姿もこの男には歓喜の声に聞こえ、快楽に打ち震えているように感じているのだろうか、ますます興奮し、腰を強く打ち付けてくる。これほどの痛みの中、意識を失わないのが不思議であった。やっと彼のモノから液体が流れ、全てが終わったとき俺はもう息絶え絶えの状態になっていた。
雨の音が聞こえる。外は嵐だということを今まで忘れていた。俺もコリンもベッドに仰向けになり、激しく息をしていてなかなか次の言葉をしゃべれない。
「ごめん、お前があんまり興奮しているから俺もつい夢中になってしまって、気がついたら血が出ていた」
「あれくらいたいしたことではない」
「初めてとは思えないぐらいよかった。あんなに興奮したのは久しぶりだよジャレッド。もう他の女や男は当分抱く気にはなれない」
「当たり前だよ。俺はお前より年上だし、そういう経験はなくてもいろいろ人生経験をしているから。でもこれは初めての体験だがいい経験だった。これだけの快楽は初めて味わった」
「本当か、そんなによかったか」
「ああ、お前はそっちの方のテクニックも一流だよ」
俺はついついうそを言っていた。本当は途中から死ぬほど痛く、拷問のように感じていたのだが、年上の俺がそれを言いたくはないという妙なこだわりやプライドがあった。
「外はまだ雨だな。暇だからもう一回いいかい」
コリンは再び俺を抱き、口付けしてきた。たった一回で死にそうになっている俺とは全く違う人間である。
「ちょっと待て、一度に何回もしたら快楽は薄れてくる。我慢に我慢を重ね、ようやくって時やった方が何倍も快楽を感じられる。まだ一週間もあるのだから、楽しみは一日一回、日が暮れてからということにしようぜ」
「それはいい考えだ。ジャレッド、やっぱりお前は頭いいよ。俺のベストパートナーだ」
また口付けをされた。こいつは本当にそういうことが好きなやつだ。でもこれで俺もうまくかわせることができた。下手をすれば一日に何回もやることになってしまっていた。それでは確実に俺の身がもたない。それにしても世の中にホモとかゲイと呼ばれている男は数多くいるし、公表してなくてもそういう関係をもっているやつもたくさんいるだろう。そのうちの半分は俺と同じ立場にあるわけだが、みなあの拷問のような痛みを喜んで受け入れているのだろうか?俺にはどうも信じられない。
−つづくー
後書き
ついに書いてしまいました。懲邪の初体験、でもぜんぜんロマンチックじゃなくて、すみません。男同士のロマンチックな話というのは難しいです。
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