ロード・オブ・サッカー(15)

舞台 ゴート国デヴィッドの部屋とウルフ国ホテルの部屋
登場人物 デヴィッド(指輪、ファラミア)
       カール(指輪、エオメル)
       ショーン(指輪、ボロミア)
       ジャレッド(大王、ヘファイスティオン)
       コリン(大王、アレキサンダー)
       ジョナサン(大王、カッサンドロス)
       フランシスコ(大王、バゴアス)
       イーサン(戦争王、ジャック、バレンタイン刑事)

カールの熱い口付けを受けながらデヴィッドはある光景を思い出していた。今だけではない。男同士の愛の営みで決まって思い出すのは初めての体験であった。





「おいデヴィッド、きちんと病院で検査してこいよ。このままでは次のジュニア大会出られないぞ・・・」
「ジュニア大会・・・もういいよ・・・次の大会もその次も・・・・」
「どこが具合悪い・・・それとも悩みでもあるのか・・・俺だけにはこっそり打ち上げてくれよ」
「どこも悪くはない!ただ・・・・もういやになった!・・・・サッカーをやるのはいやだ!」
「デヴィッド、みんな心配しているぞ・・・・どうして急に・・・」
「急にじゃない・・・ずっと前からいやになっていた。とうさんやショーンが有名選手だからってどうして僕までサッカーをやらなければいけないの?サッカーなんて大嫌いだ!」
「そうか、そんなに嫌いか・・・それなら今日の練習は出なくていい。そのかわり夜俺の部屋に来い」
「夜になってからお説教か」
「そうじゃない、いいから来い、わかったな」
「わかったよ、じゃあ練習頑張って、ショーン・・・」

13歳のデヴィッドは兄ショーンがグランドに出るのを見送るとすぐ、近くにあった水道に駆け寄った。なんとも言えない気分の悪さでさっき食べた物をみな吐いてしまった。数週間前からずっとこの状態が続いている。学校へは普通に行けるのに、サッカーコートの近くに来ると気分が悪くなった。歩き出すと同時にサッカーボールが与えられ、記憶に残るよりもずっと前の年齢からサッカーの練習をやっていた。自分の家の敷地内に専用グランドがあり、兄ショーンにもデヴィッドにも専属のコーチがつけられた。小さな子供の頃から特別の才能を見せたショーンに比べ、デヴィッドの上達は遅く、いくら練習量を増やしても普通の子供並みレベル以上にはなかなかなれなかった。父ノーブルはこのことにかなり不満を持ち、彼と父とはほとんど話もしなくなっていた。父は兄ショーンにだけ期待をかけるようになり、そしてめでたくショーンはGリーグプロサッカーチームの選手となった。その頃からずっとデヴィッドはサッカーコート近くに来ると吐き気を覚えるようになった。原因はデヴィッド自身にはよくわかっている。もうサッカーなどやりたくない、この家から逃げ出したい、サッカー以外のことをやりたい・・・心も体もそう叫び続けていた。





兄ショーンの部屋にはジュニア大会で優勝したカップやトロフィー、そして試合の時の写真などが広い部屋を埋め尽くすほどたくさん飾られている。

「悪いなデヴィッド、こんな物に囲まれたらまた気分が悪くなるか」
「うううん、いいよ・・・僕はショーンが大好きだし、プロ選手になって活躍してくれてすごくうれしい。でも僕にはそんな才能はないから・・・」
「デヴィッド、俺はお前がサッカー選手になるとかならないとかそんなこと関係なくお前が好きだよ。ずっとお前が好きだった。生まれたときからずっと・・・・すまない・・・俺はお前のこと・・・」
「僕もショーンのこと大好きだよ。かあさんの顔はよく覚えてないし、とうさんはいつも怒ってばかりだから、ずっとショーンだけを見て・・・・」
「お前も俺だけを見ていたのか、すまない、デヴィッド俺はお前に弟以上の感情を持ってしまった。実の弟にこんな感情を持つなんて許されないことだ。でもどうすることもできなかった。お前が何度も吐いてやせ細っていくのを見るのが耐えられなくなってきた」
「ごめんね、僕がいつまでたってもサッカーうまくならなくて、心配ばかりかけて・・・」
「違うんだ・・・俺はお前を抱きしめる夢を見て・・・何度も何度もいやがるお前を無理やり抱きしめる夢を見てしまうんだ」
「いやがらないよ・・・抱きしめて欲しい・・・・」
「お前、自分の言っている意味がわかっているのか!俺がお前に何をしようとしているのか」
「わからない・・・でも僕はショーンだけを見て生きていたから・・・・何をしてもいい」
「本当にいいんだな」

ショーンのしたことは何も知らないデヴィッドにとって驚くことばかりであった。初めに口付けを交わした。いつもしている頬やおでこへの口付けではない。唇をぴったりあわせ、兄の舌がデヴィッドの口をこじ開けて浸入してきた。あまりのことに息もできないでいるデヴィッドの股の間をショーンの大きな手が揉みしだく。デヴィッドは反射的に体を固くして足を閉じた。

「すまない、デヴィッド・・・悪いのは俺だ。俺のすることを許してくれ」
「悪くないよ、ちっとも・・・・」
「お前が好きだ・・・たとえ男同士でもせめてお前が弟ではなかったら、まだ大人になりきっていないお前にこんなことするなんて・・・」
「僕もショーンのこと大好きだよ」

デヴィッドはショーンの大きな体にしがみついた。生まれた時からずっと憧れ尊敬してきた兄、その兄にだったら何をされてもいいとすら感じていた。ショーンの手でデヴィッドの衣服はたちまち脱がされ、ベッドにうつぶせにされた。

「ううー!・・・ああー・・・痛い!・・・やめて!」
「デヴィッド、力を抜いて、少しの辛抱だ」
「だってここ・・・・まさか・・・やめて!・・・・アアー!・・・・・ウワー・・・・ヒイイー・・・どうしてこんな・・・いやだ!」

初めに尻の穴に指を差し込まれたとき、デヴィッドの心は凍りついた。まさかと思った場所に指を入れられ、あまりの痛さに叫び声をあげた。だがそれだけでは終わらなかった。いままで開かれたことのない足を開かされ、狭い入り口を無理やりこじ開けながら熱いからだの一部を少しずつ差し込まれた。どれほど悲鳴をあげてもその怖ろしい痛みから逃げることはできない。体のもっとも敏感な部分を貫く激しい痛みにただもう泣き叫ぶしかなかった。肩を強く掴まれ、大きな体で腰を激しく打ち付けられればもう生きた心地もしなかった。早く終わって欲しい、ただそれだけを考えるうちに意識が遠くなっていった。





目が覚めるとデヴィッドの体はきれいに清められ、服も元通りに着せられていた。

「大丈夫か、デヴィッド・・・・」
「ショーン、僕は・・・・」
「無理させて悪かった・・・・もうお前は俺を尊敬なんてできないよな・・・兄として最低だ・・・いいか、もう俺の真似しようと思うな」
「どうして・・・・」
「お前は今まで無理ばかりしてきた・・・俺の真似をしようと・・・俺と同じにならなくていいんだよ・・・無理するから何度も吐いてこんなに細くなって、無理しないで俺を軽蔑して俺から離れろ・・・サッカー選手になんかならなくったって、お前は頭もいいしいくらでも他の生き方ができる。政治とか勉強していずれお前が執政に・・・」
「でもとうさんはショーンを跡継ぎに・・・・」
「俺はサッカーしかできない人間だから、政治にはかかわらない方がいい。今この国はどうかしている。スポーツをやって引退した人間ばかりが国会で発言力があって、そうでない人間は大人しくしているだなんて間違っている」
「ショーン・・・もしかして兄さんは僕にそのことを伝えようとわざとこんなことを・・・」
「俺がそんなにいろいろ考えているわけないだろう・・・最低の人間だから弟まで欲望の対像にして、出した後はもうすっきりしている。たまっていればどんなことでも言えるさ、愛しているとかなんとか・・・」
「だめだよ兄さん・・・・僕は人の心がわかってしまう・・・何を考えているか・・・どうしたいかみんなわかってしまうもの・・・僕はサッカー選手になるよ。サッカーが好きだし兄さんも大好きだから・・・もう逃げたりはしない・・・どんなに練習が辛くても、立派なサッカー選手になってショーンに愛されるのにふさわしい人間になる。実の兄弟なんていうこと関係ないよ。僕は誰よりもショーンを愛しているんだから・・・」
「デヴィッド・・・お前はどうして俺のことそんなに・・・・」
「実の兄弟だから・・・・同じ血が流れているから・・・・」






「デヴィッドさん、苦しかったら声をあげて下さい。俺、ついつい夢中になってしまってあなたに無理をさせているかもしれません」

デヴィッドのしなやかな体に自分のものを埋め込み、激しく揺さぶりながら、カールは思わず声をかけた。彼の目には涙が滲んでいた。

「大丈夫だ、もう慣れている・・・好きなようにやっていい」
「でも、涙が・・・・」
「昔のことを思い出していた・・・・・俺の初めての相手は実の兄、ショーンだ」
「え、実の兄弟で・・・・」
「驚いたか?いまどき特にスポーツ選手の間ではゲイなんて珍しくもなんともないだろうけど、兄弟でって言うと驚くやつが多い」
「いえ、それほど驚いたわけでは・・・・」
「初体験は俺が13、ショーンが18の時だった。きっかけは・・・俺がサッカーがいやになって吐いてばかり、まあ拒否症ってやつだろう、それになった時だ。兄貴はそんなことでもして俺を別の道に進ませようとしたのだろうけど、結果は逆になってしまった」
「逆って言うと・・・・」
「俺は見事プロサッカー選手、それどころかゴート国の代表選手にまでなってしまったし、兄との関係はずっと続いている。父親にばれたらまずいから他のやつのように公表はしてないけど・・・」
「でも、それならばどうして俺なんかと・・・・」

言ってからカールはしまったと思った。こんなことをやっている最中に言うべきセリフではない。慌てて口を押さえたがカールの大きな声はデヴィッドの耳にしっかり届き、笑いをこらえるのに苦しそうだ。

「お前は本当に正直な人間だな、カール。それなら俺も正直に話すよ。確かに今でも俺は兄のショーンと愛し合って週1度は必ずsexをやっているさ。ショーンも俺も体も心もこれ以上にぴったりあう人間はいないと思っている。まあ、世間の目を誤魔化すために適当に女と付き合ったり、結婚や離婚を繰り返したり、未婚の父になったりといろいろやっているけど、本当に愛しているのは兄弟だけだ」
「それならどうして俺と・・・・」
「よっぽどそのことが気になるようだな。お前は男同士で愛し合う場合、愛を与える側と受け入れる側、満たされなくて苦しむのはどっちが多いと思う?」
「そんなこと急にいわれても・・・それは人によってではないですか」
「受け入れる方がはるかに満たされずに苦しむよ。お前と俺だったら俺の方だな・・・俺の方は報われない立場だよ・・・さんざん痛い思いをして自分の欲望なんかいつ出たかもわからないぐらいだ。それなのに終わった瞬間にはまたすぐ欲しくなる。お前の立場なら精液を出してしまえばたまるまで時間がかかるだろうけど、こっちは終わった5分後には次の男を受け入れることだってできる。その行為が充実していればしているほどまたすぐに次が欲しくなって永遠に満たされない。だからたまには他の相手と・・・悪いな、お前に対する感情はその程度だ」
「わかりました。俺、回復するの早いんですよ。あなたが欲しいだけ何度でも♪」
「ばか!そういう意味じゃない・・・・まあいいだろう。お前のその正直さが気に入った、好きなようにしろ」
「では、そうします♪、デイジー、愛している」
「な、なんだ、そのデイジーっていうのは・・・・」
「あなたの名前のデヴィッド、みんなけっこう愛称としてデイジーって呼んでいるんですよ。知らなかったのですか?」
「知るか!俺は目の前にいる人間の心は読めても世間一般の人間の心はわからない。あ、そうだ、言い忘れていたがジャレッドも俺と同じ立場の人間だ。それなのにあいつは自分のことがまだよくわかっていない。今頃どこでどうしていることか・・・」







約束の時間より2時間以上も遅くなって、やっとコリンが泊まっているホテルにイーサンがジャレッドとフランシスコを連れてやってきた。リゾート地ではなくそれ専用に作られたホテルの部屋は狭く、ソファーも2人分しかなかった。コリンとジャナサン、それから後から来た3人の計5人はやたらに大きいダブルベッドにそれぞれ座った。

「この中の全員を知っているのは俺だけだな。紹介するよ、ゴート国から来たジャレッドとフランシスコ、こっちはウルフ国代表選手のコリンとジョナサン、それからこの俺はイーサン、一応代表メンバーに入っている」

真っ先にイーサンが仕切って皆を自己紹介させた。

「ジャレッドです」
「フランシスコです」

ゴート国の2人が名前を名乗った。2人とも思ったよりはずっと甲高くハスキーな声をしているとコリンは思った。テレビで見るよりもずっと小柄で華奢に見える。フランシスコはともかくジャレッドもテレビで見たよりもずっと小柄で華奢に見える。これが本当にあの天才ストライカーのジャレッドと同一人物なのだろうか?ゴート国と試合をしたことは何度もあったが、その国の人間をこんなに間近に見るのも初めてであった。フランシスコの方は長い黒髪と褐色の肌の色で、目も漆喰を思わす深い黒であった。一方のジャレッドは肌の色は透き通るように白く、目は澄み切ったブルー、金色の混ざった栗色の髪を肩まで伸ばし、無造作に束ねている。ゴート人の特徴なのだろうか、どちらも彫が深い顔立ちで、体はあくまでも柔らかくしなやかである。この2人のどちらかでも今すぐ裸にして抱いてみたら・・・コリンは思わずつばを飲み込み隣に座っているジョナサンにつつかれた。

「楽な格好をすればいい、明日、写真を撮ってパスポートに貼ってから街を歩こう」
「は、はい」
「・・・・・・」

ジャレッドはすでに座ったまま眠っていた。続いてフランシスコもコテっと倒れてそのまま寝てしまった。ジャレッドも体を支えきれず、ベッドに倒れてしまう。

「おい、どうするこいつら、こんな格好で倒れてしまった」
「よっぽど疲れたんだろう。このまま寝かしてやれ」
「しかし、なんだね、この無防備さは・・・・俺が1人で相手も1人だったら絶対に襲っていたぜ」
「オオカミ3人に囲まれているのによくもまあこんな安らかな顔をして・・・」
「誰がオオカミだって?」
「それはやっぱりコリンだよ」
「いや待て、確かに俺はオオカミだけど、今回だけはウルフ国代表チームのキャプテンとしての理性を優先させる。いいか、この2人はこの先のワールドアニマルカップでウルフ国を優勝に導く鍵になるかもしれないんだぞ。天才ストライカーのジャレッド、天才的な踊りを見せるフランシスコ、この2人がいれば今度こそウルフ国が優勝カップを手にいれるかもしれないんだ。絶対に2人を襲うなよ。少なくとも優勝カップを手に入れるまでは・・・・」
「襲うなってお前が一番危ないだろう、コリン、俺達は別に・・・・・」
「だから俺が襲ったりしないようによく見張ってくれ」
「わかったよ、俺は見張りは得意だ」

コリン、ジョナサン、イーサンの3人は顔を見合わせて笑った。ベッドでは3人の会話などまったく聞こえてないジャレッドとフランシスコが気持ちよさそうに寝ている。




                                                      −つづくー






後書き
 ワールドカップで盛り上がっている最中、なかなかサッカーの試合をさせないで、私は一体何を書いているのでしょうね、スミマセン、ここに書いてあること、全く根拠はなく、適当に書いているだけです。どうか鵜呑みにはしないでください。
2006、6,14




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