イメージ療法というと硬い感じがしますが、私たちは日常でもイメージをよく使用しています。例えば野球やゴルフなどのスイングを行うときに、頭の中で理想的なフォームや一流プレーヤーなどのフォームをイメージしながら行っていることも多いと思います。また、大勢の人の前で発表するときや、大事な仕事のときの前などには、「緊張して失敗したらどうしよう」などと悪いほうにイメージしてしまい、本当に失敗してしまうということが良くあります。
 
 あるイメージを強く潜在意識に焼き付けることで、潜在意識はそのイメージを実現させようと働き始めます。上記の失敗例の場合、「緊張して失敗したらどうしよう」ではなく、「落ち着いてどうどうとしている。そして、発表または仕事がうまくいく」という成功体験をイメージしておくと、実際の場合もうまくいくことが多くなります。また、海や山など、自分がゆっくりとくつろげる場所をイメージしているだけで、体の緊張がほぐれてきます。このようにイメージは、良いほうにも、悪いほうにもわれわれの心身に影響を起こします。

 さらにイメージにはもっと凄い力があります。アメリカのカール・サイモントン博士が開発したイメージ療法(サイモントン療法)では、イメージにより免疫力が向上するということが報告されています。ある事例では、脳腫瘍の患者に「宇宙船が白血球と協力して癌細胞を攻撃し、やっつけていく」というイメージを1年間続けてもらいました。1年後CTスキャンで調べてみた結果、驚くことに脳の中にあった腫瘍の影はすっかり消えていたということです。これは、癌細胞をやっつけるイメージをすることで、癌細胞を上回るほどに免疫力・自然治癒力が高まったためと思われます。余談になりますが、「笑う」ことによっても免疫力が向上するといわれています。

 上記の事例のようなイメージ療法は誰にでも効果があるわけではありませんが、イメージを高めて前向きの姿勢で生きていけば、心身に良い影響が現れる可能性が高いということを示唆しています。ポジティブ(プラス)イメージは、これほどまでに人間の体に大きな影響力を持っているのです。

 催眠療法では潜在意識に直接ポジティブなイメージを植えつけていくことで、現実の思考・行動もポジティブに変わっていくことが期待できます。またイメージを持つことは誰でも出来るので、催眠に入りにくい場合でもイメージ療法を併用することにより効果を得ることが出来ます。