腰痛や頚部痛、上下肢のシビレなどの症状で病院へ行くと、「椎間板ヘルニア」「脊柱管狭窄症」「腰痛症」などと診断されることが多いかと思います。治療法としては腰椎牽引や頚椎牽引、温熱療法、低周波などの物理療法、関節の動きを良くしたり、筋肉を強くしたりする理学療法、湿布、神経ブロック注射などがよく行われています。
 
 これらの治療で改善する人もいますが、完全に治らない人も結構多くいます。現代の医療において、腰痛や頚部痛、上下肢のシビレについて、どうしてそのような痛みが起きるのかがまだ十分解明されていないのが原因です。「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」はCTやMRIなどの画像を見て診断します。しかしこれらが原因で本当に痛みを出しているケースはごく一部であると考えられます。本当にこれらが原因ならば、ヘルニアや狭窄により圧迫された神経の領域に沿って筋力低下や筋萎縮、感覚障害などが出現するはずだからです。しかし、腰痛を訴える多くの患者さんは、腰部の痛みのみか神経支配に一致しない部分でのシビレの訴えなどが多いのが現状です。神経ブロックをしてもシビレ等が改善しないのがいい例です。
 
 ある研究によれば、腰痛のない患者の腰部CTスキャンを見ると、全体の35,4%に、また40歳以上の群ではその半数に椎間板の異常、脊柱管狭搾、その他の老化による変形が確認されたとの報告もあります。これから、ヘルニアや狭搾が直接的な原因で痛みを出しているのではなく、その他の原因によって痛みが出ていると考えられます。
 
 私は実際に理学療法(リハビリの一部)の現場で働いていますが、物理療法のみで完全に治るという方は、100人の患者さんがいたら、そのうち2,3人ぐらいではないでしょうか?また、運動療法や徒手療法を用いた場合、多くの方が痛みの軽減を自覚しますが、完全に治るという方は全体の半数にも満たないように感じます(私の経験的な判断で統計等を取ったわけではありませんが…)。これは、私の技量不足ということも考えられますが、どこの病院でも同じような感じだと思われます。
 
 ここで問題になるのは、多くの整形外科では骨・関節・筋肉などの身体にのみ診察の焦点を当てて診断しているということです。心身症のところでもお話したように、腰痛や頚部痛、上下肢のシビレなども心理的・精神的ストレスから来ることも多いのです。にも関わらず、それを診察しないで骨や筋肉、関節だけで解釈しようとしているところに無理が出てきます。人間の心と身体は連動しているのです。心に過剰なストレスが溜まると体が重くなり、さらにひどくなると腰痛や頚部痛、シビレといった症状となって身体に出てきます。また、身体がだるい、痛いなどのストレスが長期にわたって続くと、精神的にもストレスが溜まってきます。このように身体のストレスと心のストレスは密接につながっています。
 したがって、腰痛や頚部痛、シビレなどの治療には心身両面からのアプローチをしていかなくてはなりません。しかし、実際腰痛・頚部痛を心の問題から改善しようとする医師(特に整形外科医)は極少数です。カウンセリングを行っている方でも心理的なところから腰痛・頚部痛を改善しようとする人は少ないのではないでしょうか?
 ここまで話を聞いて自分は心理的・精神的ストレスは無いから、腰痛の原因はやっぱりヘルニアや狭窄症なのでは?と思った方も多いと思います。しかし、ここでいうストレスとは潜在意識下でのストレスのため、意識的にはわからないことが多いのです。
TMS理論による腰痛と心理的・精神的ストレスとの関係 
 ニューヨーク医科大学臨床リハビリテーション医学科教授のジョン・E・サーノ博士の著書「心はなぜ腰痛を選ぶのか」によると、腰痛と精神的ストレスとの関係は以下のようになります。
 
 明らかな構造異常を認めない、あったとしても画像と神経学的な所見が一致しない頸・腰・上下肢に表れる痛みやシビレ等の症状を「TMS(緊張性筋炎症候群)」と名づけた。そして、このTMSを心身症の一部として捉えている。TMSの原因は潜在意識下に抑圧された怒りや不安にあり、それが意識上に浮上してくるのを防ぐために注意を引き付けるものとして痛みを作り出している。こうした怒りや不安は潜在意識の中に蓄えられいくため、当人はそうした潜在意識の感情には全く気づくことがない。当然それらをコントロールすることは出来ない。そしてその感情があまりに威嚇的で恐ろしいので、脳は反射的に身体に症状を引き起こさせて危険な感情が意識に浮上して顕在化するのを避けようとする(心の防衛機制)。
 
 脳内の何かがこのプロセスの始動を決定すると、自律神経を司る中枢が活性化し、患部の血流が減少する。つまり筋肉や神経、腱の組織が酸素欠乏状態になる。これにより、痛みやシビレが身体症状として現れる。これがTMS(狭義の心身症)の症状が現れる仕組みと考えている。
 
 そして、このTMS理論をしっかり理解し、受け入れることさえ出来れば、95%の確立で痛みから解放されるということである。 
治療法
治療としては、
 @腰痛や頚部痛、上下肢のシビレ等がヘルニアや狭窄症といった構造異常から起きてい 
  るわけではないということを理解すること。
 A防衛機制を解除させるために、潜在意識下に抑圧された怒り(不安)とその理由につ
  いて考え、潜在意識の怒りに気づくことである。
 
潜在意識の怒りに気づくというのは、意識していない部分での怒りに気づくということ
 なので、なかなか難しい。しかし、催眠療法は潜在意識へのアプローチを得意としてい
 るため、年齢退行などを併用していくことにより潜在意識の中に閉じ込められた過去の
 怒りや不安を比較的容易に呼び起こすことが出来ます。
 
テイクハートでは、心理・精神的アプローチ以外に、関節・筋肉等に直接アプローチす
 る方法も行っています。 治療内容・方針については初回のカウンセリング・評価後に
 決定します。
 
この療法を受ける前に必ず医師の診察を受け、危険な器質的疾患のない状態であること
 が前提となります。病院で治療しているが腰痛や頚部痛・上下肢のシビレ等がなかなか
 取れないという方は是非ご相談ください。