データーロガーでは、電圧を計測しますので、温度を電圧に変換するセンサーを使うと、温度を測定する事ができます。
LM35というセンサーを使いましたが、このセンサーにはいろいろと種類があるようで、測定できる温度によって数種類あり、
今回は入手しやすい100度までの物を使っています。エンジンの油温などを測定する時には、150度まで計測出来るタ
イプが良いでしょう。
LM35は、温度が1度上がると電圧が0.01V上がります。
温度が0度の時に0V、温度が100度の時に1.00Vとなります。
このままでは電圧が低いので、データーロガー内部のボリュームを調整して、ゲイン(増幅率)を上げる事により読み取り
やすくします。
簡単に言うと、ボリュームを調整して、温度が100度になった時にデーターロガーでの読み取り数値が1000(10.00V)に
なるようにします。
センサーの電圧が低いので、センサーからデーターロガーまでの配線には、シールド線を使って、ノイズの影響を少なくし
ます。
下写真がセンサー部の加工ですが、センサーの大きさが良く解るように、下に一円球を置きました。
センサーをシールド線にハンダ付けした後、弾性エポキシ接着剤で周りを固め絶縁します。(下右写真)
写真には写っていませんが、安定したデーターがとれるように、配線のデーターロガー側にはセラミックコンデンサーをつけ
ています。
下のグラフが温度センサーで温度を測定したもので、右上がりになっている青い線が温度になります。
実車での走行データーですので、温度以外にもデーターがグラフ化されていますが、今回は温度計測がメインなので、他データー
は特に説明しません。(エンジン回転数、車速、インジェクター噴射量、スロットルセンサー、エアフロ電圧、バキューム電圧など)
温度センサーはシールド線でデーターロガーまでつながっていますが、実験の為、かなり長いシールド線(6メートル)を使ってノイズ
の検証をしてみました。得られたデーターやグラフをみても、目立ったノイズもなく、きれいなデーターがとれています。
計測した温度は、オートマチックトランスミッションの油温で、オイルレベルゲージ用のパイプからセンサーをオートマチックトランスミッシ
ョン内部に挿入し、約55分の走行データー(下グラフ)をとりました。
温度の読み取りは左端の縦軸数値を0.1倍して読み取れますので、1000の所が100度になります。
今回の走行では、約90度までオートマチックトランスミッションの油温が上がりました。
データーロガーのシングルモードを応用し、フリーソフト「エクセルロガー」と組み合わせる事によって、データーをパソコン取り込む間隔を
自由に設定できます。
シングルモードは
カムを測るでも使いましたが、パソコンのキーボードを操作し、データー取り込みタイミングを人が操作ものですが、この
一連の操作を自動的にパソコンソフトで行うようにするのがフリーソフト「エクセルロガー」です。
エクセルロガーは、使うのにいろいろと初期設定がいるのですが、データーロガー用に使うのにはそれほど難しい設定はありません。
下の表とグラフは、データー取り込み間隔を1秒にし、温度センサーを冷蔵庫に入れ、温度が下がっていく様子です。
最初の温度が28.5度位で、0度になるまで測定しました。測定時刻も自動で記録されます。
測定時刻を見ると解りますが、1秒といっても正確な1秒ではなく、多少バラつきがあるようです。
エクセルロガーを使うには、スクリプトというテキスト文が必要です。
データーロガー用として使うには、左のように書きます。
赤丸の部分だけ注意して、他の部分はそっくり同じに書きます。
左の例ですと、サンプリング間隔は1秒です。
このテキスト文をメモ帳などで作り、エクセルファイルと同じフォルダー
に入れておけば、エクセルロガーが使えるようになります。
あとは、エクセルロガーの通信の設定などを行えばOKです。