データーロガー本体には、シングル計測モードといって、パソコンのキーボードを操作する事で一回ずつの計測が出来ます。
一回ずつ計測というのは、パソコンのキーボードの「Shift」と「S」を押すと、アナログ8チャンネル分のデーターが一回パソコンに
取り込まれるという事です。
今回は8チャンネルは使わず、1チャンネルだけ使用してカムプロフィールのデーターをパソコンに取り込み、エクセルでグラフに
してみます。
カム計測に使ったのは上の写真で写っている物の他に、データー
ロガー本体とスライド抵抗、パソコンです。
ほぼ中央に写っている棒状の物はアルミの角パイプで、このパイプ
で「テコの原理」を利用し、カムの動きをスライド抵抗の動きに変え、
電圧の変化としてデーターロガーで計測します。
アルミの角パイプより上に写っている物は、固定用に使った道具類
で、形に意味はありません。たまたま近くにあった物を利用しました。
カムの上に載っている円盤は360度の分度器で、草刈機のノコギリ
刃を利用して自作しました。36枚刃の物が作りやすく、値段も安か
ったのでお勧めです。
左写真にも写っている物ですが、今回の計測に製作した物です。
上の棒状の物は、支点になる部分のシャフトで、長めのネジを削っ
ています。
下が尖った形状の物は、カムをトレースする部分に使用します。
ダイヤルゲージの先端と同じ役目ですが、一般的なダイヤルゲージ
の先端よりは尖っています。先端が尖っているほど正確なデーター
がとれます。
ナット状の物は、自作した360度分度器とカムシャフトのセンターを
合わせるアダプターです。
カムシャフトのスプロケットが付く部分の径と、分度器の内径が合わ
ないので製作しました。
左写真がスライド抵抗です。
カムの動きをアルミの角パイプで増幅させ、スライド抵抗を動かします。
角度と高さを調整できるようにしておき、最適な状態でデーターが取れ
るようにセットします。
下写真が、計測できる状態にセットしたところですが、データーロガーの
配線はまだ行っていません。
アルミ角パイプの支点近くに載っている鉄の塊はオモリで、アルミ角パイ
プに下向きの力を加えています。スプリングでも良いのですが、手元に
あった物を使いました。スライド抵抗を動かすのにも結構な抵抗があり、
アルミ角パイプだけの重量では戻らないのでオモリは必要です。
計測中のカム部分のアップ写真です。
先端が尖っている物のほうが正確に計測できる
のですが、今回はこのような形状で計測してみ
ました。これでも普通のダイヤルゲージ先端より
は尖っています。
カムの動きを円運動で計測している為、実際
のカムプロフィールとは言えませんが、アルミ角
パイプも長めのを使っていますので、それほど
影響はないと思います。
勿論、もっと長いアルミ角パイプを使えば、もっ
と正確にとれますし、円運動ではなく、直線運
動で計測できるようにすればなお良いです。
今回の計測データーをグラフにしてみました。
1度ずつ計測したので、360回でカム1回転分のデーターがとれますが、少し多めに(10回ほど)データーをとっています。
縦軸がストロークになりますが、今回は計測する実験ですので、正確なカムリフトは解りません。
ストローク(カムリフト)を算出するには、装置をセットする時に、仮にカムストロークが10mmの時にデーターロガーの計測値が10.00Vになる
ようにセッティングします。そうすれば分解能が0.01mmになり表やグラフからリフト量(ストローク)が見やすくなります。
今回は1チャンネルしか使用しなかったためカムの計測は1個だけですが、データーロガー本体で8チャンネルまで計測できますので、エンジ
ンにカムを装着したまま、カムを8個、同時計測すると面白いかもしれません。セットするのが大変ですが(笑)