高雄〜フイリピンスービックマリーナ
 潘泰安ことピーターパンが経営するヨット教室国際資格ASAの看板も誇らしげ、彼は35歳であるがこの他に太陽熱利用風力発電空調等の会社を経営、34フィートのヨットも所有する言わば勝ち組であるヨットで高雄訪問するには彼が面倒を見てくれる、但し日本語は通じない。
 12月12日午後出港とピーターに言ってあつた処午後3時イミグレーションとコーストガードが来てくれパスポートにスタンプを頂いた、審査もにこやかな雰囲気で終わった。
 コーストガード警備艇ヤマハ2スト250PS2機がけだ
 出港は雨の降る中午後4時を回っていた、警備艇は港の青灯台まで見送ってくれた、港外は検疫錨地で沢山の大型船がアンカーリング霧で見通しがよくない、レーダーで一番沖に停泊中の貨物船を迂回して南に進路を取った。
 高雄港を出てから12時間今までは風も強くなく北東の軽風が続き機帆走で5ノットをキープするのがやっとの状態が一晩続いた、夜明け前北東風が強くなり波も4メートルを超えるようになってきた、いよいよ難所のバシー海峡だ1年の中でも12月も遅くなるほど時化るらしい、海況の予報を見ていたところ12日から15日くらいまで一番風波とも弱くなる予報なので出航を決定した、案の定海峡の中間あたりに近づくに従い太平洋からシナ海海に吹き込む風と押し寄せる波は大きさを増した、エンジンはすでに停止していたが艇速8ノット近くまで上がった、セイルは畳2枚くらいにファーリングしたジブセイルだけである。
 風は東、波も北東から押し寄せる時折風速計は35ノットを超え、風力発機メーターは振り切れんばかりで唸っている、陸上に近い所ではではありえないことである、しかし艇は左右にローリングするもののきわめて保身性がよくオートパイロットのゲーインは低めにしているものの左右に少し申し訳程度に動いているだけである、大きな波に船首が大きくぶれても舵ではなく自然にコースに戻る、なるほどよくできたヨットである、ロングキールの特徴をいかんなく発揮している、これだけのロングの航海の経験がなかったのでロングキールの特徴を実証する機会がなかったからである。
 もう一つ後方から押し寄せる大波でコックピツトに打ち込むのでないかと身構えるがトランサムのあたりでスーッと消えてゆく、これもカヌースターンの特徴をいかんなく発揮している
カーヌースターンの特徴を今まで感じたことがなかったがこれも実証できた
貴重な航海である。
 デザイナーロバートペリー有難うそしてビルダータヤナ邱社長有難う。
 石垣で出会ったアメリカ人は12月のバシー海峡はオートパイロットが使えなくなるよと言ってプレッシャーをかけたががどうしてどうして全行程オートパイロット舵に手をすることは一度もなかった。
左がピーターパン
  右イミグレーション管理官
後方はコーストガード
 2日目の夜が明け海図の上ではルソン島の北端まで来たはずだ、天候は雨から晴れに代わり気温も上がった、ご多聞に漏れずコクピットには昨夜身投げしたトビウオ2ひき昼バター炒めでビールのつまみになった。
 私の考えでは、ルソン島の西に入れば東の風も治まり波も小さくなるだろうと思っていたが考えは甘かった、風は北に代わり波も真北方向から押し寄せ風波とも強くなった気がした、大型貨物船とすれ違ったがバウに大きな波しぶきをあげ北東に消えた。
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