ハモニー高田さんからパラワン島の情報を聞きまた英文のクルージングガイドブックを借り街でコピーして製本して貰った、これがあると無いとでは大違い、意を決し2月25日46日間お世話になり夢のような暮らしに終止符を打つことにした。
 マレイシアを出国するには、港湾局のような役所でポートオブクリアランスを貰いそのあとカスタム、そしてイミグレーションでパスポートにスタンプを貰うことになる、私はクダットで入国したままになっているので、クダットまで行かなければならない、ヨットで行くのも面倒なので旅行を兼ねて陸路バスで行くことにした、バスと言っても乗合いの8人乗りワンボックスカーである、乗り心地が極めて悪い、午前8時出発これで往復、コタキナバルに戻ったのは夜の7時だつた、コリアンレストランを探し久しぶりの焼肉でコタキナバル最後の夕食を摂った。
 2月25日午前10時マリーナオフイスでチェックアウトしてパラワンケソンに向け出航した、往路はパラワンの東スール海を来たが復路は西側を行くことになる
 コタキナバルからケソンまで230マイルやや長めのレグ懸念していたマレイシアとパラワンの海峡は波も悪く向かい潮でスピードがが上がらない、妻は船酔いでキヤビンで臥せている、どこか近くで入港できるところがないか岸に近寄るがサンゴ礁が広がり近づけない、3日目の朝どうにかケソンの岬を回った、湾内に入ると波も静かだが火山灰が堆積しているのか濁りがあり測深器が全く役立たない、アウトリガーの漁船がひっきりなしに航行しているのでそのあとに続くがついに水深が2メートルを割ったのでタウンに行くことを諦め島影でアンカーリングすることにした。
不正確なMaxSea,ステラハーバーでは正確に現在位置を表示していたがここでは危険なサンゴ礁や山の上を通ってきたことを表示している信用できない、地形を参考にしてあとは目で確認するより方法がない。
 ケソンの街はヨットの入港できる港はない、グーグルアースでは多くの漁船を確認できるのでかなり大きな町のように見えた、妻は船酔いから解放されるため近くの島にガスコンロや食料を積みゴムボートで上陸することにした。
 アンカーリングのヨットの横をアウトリガー付きのアメンボーを大きくしたような漁船が次々と通り過ぎる10数人位い乗っていて手を振るとおおきな歓声とともに答えてくれる
 半日位で妻も元気を取り戻したのでこの先船酔いが気になり酔い止めがほしいと言う、私もマレーシアで買った高いビールが底をついたので買い求めが必要になった、街までは4キロくらいありゴムボートではとても無理、通りがかりの小型のアウトリガー船に手を振ったところ近づいて来た、年は30半ば好感のもてる明るい感じのニイチヤンであった、街まで行きショッピングがしたい、帰りここまで送ってほしいと交渉してハウマッチと言ったところしばらく考えファイブハンドレッドと答えた私の予想とほぼ一致したのでOKで契約成立、彼にすればよい稼ぎだと思い私らにすればまさに渡りに舟である。
 彼は漁師らしく生簀には60センチ位の真っ赤なキジハタのような魚が2匹その他小魚が数匹今日の稼ぎであろうか、後から思ったがあの魚も売って貰えば良かったと。
15分位で沢山の漁船がアンカーリングされている石垣の岸壁に着いた、ここはフイリピンでも一風違った感じがして未開のちに足を踏み入れた感じだったが、水上住宅の桟橋から表通りに出て三輪バイクタクシーでドラックストアーを尋ねた。
 3軒目でようやく酔い止めの薬に巡り合ったが、それは開封したバラ売りの薬であったが他にはないので仕方なく購入、そのあとビールを買い戻ると約束の時間丁度だつた。
 ヨットに戻り代金+チップ&ビール1缶を渡すと嬉しそうな顔をしてサンキューと言って暗くなった海に消えた。
 この様子をカメラを忘れたので紹介できないのは残念である。

 
 ケソン湾の入り口に当たる島影にアンカーリングして一夜を過ごしたが新月で何も見えない不気味な夜だつた、深夜の2時に目が覚め付近を見渡すとごく近くにかすかに黒い無灯火の船影が見える、こちらは衝突されることを回避するためストロボライトを点灯しているので向こうにすればよく見えているはず、ライトで照らすが100m位か、灯光が届かない、もしかしてこちらの動向を窺っているかもしれない、襲われたことを考え武器になる銛を船内にいれ、また画鋲をデッキに撒いておくと′踏みつけた族は悲鳴を上げて退散したと言う航海記を読んだことがあるが、まァそこまでもと考え入口のドアを閉ざし身構えていたが何ら反応がない、しかし依然として無灯火の船は全く動いていない、耳をそば立ていたがいつの間にか眠ってしまい夜が明けてみると3人乗りの漁船がアンカーを打ち漁をしていた、手を振るとすぐに答えてくれた。
 ここは何もない所、天候もよさそうなので先を行くことにした、外海に向かい航行するがシーマップは信用できないところどころリーフがあるのか白く波立つた箇所もある、このような場所は遠くからでもわかるが問題なのは水面下に潜む暗岩である、前方にカヌーが止まっているよく見ると二人の男が潜水漁をしている、あすこは浅そうだと思った矢先水深計が3メートルを示す、あわてて後進を入れ乗揚げを回避したそれを見ていた漁師は手で迂回するよう合図を送ってくれたサンキュー
 ようやく外洋に出たが相変わらず進行方向からの風と向かい潮でスピードが上がらないモータリングでも4ノットを維持するのがやっとエンジン回転は2000回転燃費を抑えるためあまり回転ををあげないようにしている、深夜になりオートパイロットが誤作動するようになった何度リセットしてもしばらくするとコースミスが表示されるしまいにはノードライビングの表示このままではスービックマリーナまでは大変、160マイルのエルニドを目指していたが半分まで来ていない、それでは避難する場所を探しオーパイの予備機を取り付けなければならない、丁度早朝にはバルトンに入れる距離だ、クルージングガイドもGoogleEarthの画像もある、ケソンと違い海も深く水も綺麗街こそないがガイドにあるアンカーポイントに行くとその先には海軍の給油基地があるらしく軍艦が2隻停泊していた。ここは安全で安心できる場所水深20メートルのところにアンカーを落としたチエーンがずーと見える10m以上の透明度があるようだ。
コタキナバルステラハーバーを後に
復路編
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