沖縄〜能登九十九湾firstwave号回航記
2017年4月23日〜5月9日
沖縄与那原マリーナーのファーストウェーブ号。
2月8日からこのマリーナで雨風に耐えて主人の迎えを待っていた。
今回は、宜野湾マリーナーに移動沖縄の垢を落とし船底塗装をする予定そのあと約1000マイルホームポート能登九十九湾までの航海となる。
この航海に同行されるN氏67歳とダブルハンド、N氏は几帳面で筆まめ航海の一部始終をメモされ航海記録を作成されたので引用させてもらうこととした。
与那原マリーナは、昨年7月オープンしたばかりスーパーヨットが二艘入っていた。
100フィートロシア艇
さらに大きい、マリーナスタッフの話ではモンゴル船籍と話していた。
4月24日与那原マリーナを早朝出港久高島水道を抜け太平洋に出た。
ご縁が有り、沖縄から能登半島の九十九湾へ帰るヨットに乗せていただきました。
乗船中はあれこれと邪魔をしていたことと思います、すみませんでした。
自分がこんなに長い距離を航海する事は出来ないので、又と無い体験ができました。
乗せていただいたK艇長さんに厚くお礼申し上げます、ありがとうございました。
この航海は希少な事と思い、この様子を手帳にメモしておりました、これを読めるように作文してみました。
至らぬところ、間違い等、気の付かれましたところが有ればそっと教えてください。
(乗せてもらった船は タヤナ37 です。設計はアメリカ人ロバートぺりー、台湾tayana造船所です。)
架台に乗せられ引き上げされた
中国塗料シーテンダー2年ぶりだが貝類の付着はほとんどなかった。
2017 H29 4/23(日)
魚津駅を出発→小松駅→小松空港→那覇空港→首里→与那原マリーナ
大きなザックを担ぎ小さいイス付ザックを持って魚津駅10:20の電車に乗る。
車内は空席が少ない、高岡駅から金沢駅までは通路にも人が立つ。清潔そうな電車、皆さん
スマホかおしゃべりで平和な日本です。
金沢駅で乗り換える、どのホームにも外人さんが多い。
12:39 小松駅着、駅前のバス乗場から見る小松駅は三階建て、新幹線の駅のような大きさだ。
在来線だけにしては立派過ぎ。(小松市の皆様すみません)
13:00 バスに乗り小松空港へ。ここでK氏と合流、一緒に行く予定だったK氏友人は急用のため
行けなくなり、二人で行くことが分かった。(k氏は艇長です)
14:20 離陸、機は日本海を南下、福井港の油タンクや天橋立の砂州も見える
「鳥取上空9000mを飛行中」の機内アナウンス、左下の瀬戸内海の島々が、もやの中に見える。
来島海峡が、佐田岬半島が伸びてのびて機体の下を通る
帰りはこの海面を北上する事を思いながら見下ろし、豊後水道を飛び越して九州に入る。
窓ばかり見ているものだから、K氏がスマホでGPSの画面を見せてくれた。
おかげで種子島、奄美大島、が良く確認できた。
16:10 機内アナウンスが徳之島を知らせる。見下ろせば島じゅう畑だらけである。
高度を下げ始め機体がゆれる、与論島が見えているアナウンスも入る
16:35 着陸。早い、快適、便利。飛行機って大したもんですね。
空港のモノレール乗り場へ歩く、はっきりと暑い。北陸のファッションから沖縄用半袖に代える。
モノレールで首里へ。ここのスーパーで食料を買い、タクシーで与那原マリーナへ向かう。
乗って帰るヨットはこの与那原マリーナに保管されているのです。
マリーナで手続き後リヤカーで荷物を艇へ運ぶ。21:00シャワー、22:00遅い晩飯、久米仙(泡盛)
オリオンビールが旨い。南東8m 星が見えている。23:00寝る。
2017 H29 4/24(月)
与那原マリーナから→糸満港へ(途中で変更になり)→宜野湾マリーナへ回航
朝食はトーストと目玉焼きと野菜サラダ。+アルコール消毒仕上げ。
8:10 出航、左舷のタンカー桟橋を過ぎ久高島の西の水路を目指す。
米軍のヘリが頭上を飛んでゆく、ここは沖縄なのだと確認させられた。
右舷には沖待ちのタンカーが二隻停泊している、どれも中型タンカーである。
沖縄の海は珊瑚礁が有り、どこからでも自由に陸に近づけない、不用意に寄ると座礁乗り上げ沈没
となる。
久高島の水路に近づくと珊瑚礁帯の終わりにすっくと灯台が海面から立ち上がっている。
浅いところはどこも白く波立っている。初めて見る珊瑚礁海域の構造と危険さを頭に刻む。
9:50 久高島の西の水路を抜け、太平洋に出る。進路を喜屋武岬へ取る。
ポートタックのクォータリー、ジブのアウトホールが高い位置にあるので良く風が流れている。
海の色はなじみの無い色、よく本に書いてある濃い青いインク色になっていました。
晴れているので日の光が入って本当に不思議な海の色、太平洋色です。
13:00 喜屋武岬を回りこむと糸満市方面が見えてきた。
那覇空港への着陸進入路になるので頭の上を大小色々のジェット機が飛んでゆく。
ひときわ鋭く大きな音を出してゆくのは自衛隊のF15戦闘機です。図体は小さいんですが。
少し進んでから予定が変更になる。今日は糸満の港へ入り、明日4/25(火)に宜野湾港へ向う予定
だったのだが、今日このまま進んで宜野湾マリーナへ入る事になった。宜野湾は火曜日が休業日
なのだが総合的に判断して、そうなった。
糸満港沖には、ご多分にもれず、ここにも珊瑚礁の合間の通行水路に大きな標識のブイが有る。
南の島はどこでもこれを厳重に見ていかないと偉い事になる。危ないあぶない。
15:00 那覇空港沖を過ぎる。曇り、東8m、波0.7m、クローズホールド。F15が頭上を旋回する、
力の有る大きな音が腹に響く。
16:10 宜野湾マリーナ最沖の右舷浮標を通る
16:30 宜野湾マリーナ着岸。
16:50 事務所で受付、シャワー券190円/人を各自買っておく。
ビジター会員のIDカードを作ってもらう。これで場内と駐車場のゲートが通れる。
続いて向かいにある大きなコンベンションシティーのスーパーへ食材を買いに出る。
宜野湾マリーナの周りは大きなビルが建ち並びスポーツ店、食品、東急ハンズなど大小いろんな
店が有ってすごく便利なところである。
2017 H29 4/25(火)
曇り、マリーナ休業日→船整備プラン考、観光、夜は艇長の沖縄の知人来訪で外食
7:00 起き。朝食後マリーナの船を見物をする。小さい船でも30ftでカタマランも多い。
モーターボートもでかい、家のようなのがあちこちにいる。船数も多い。
10:00 マリーナを出る、タクシーでレンタカー屋へ、28日まで借りて13,590円はお安い。
国際通りに連れて行ってもらう、人がとても多い、どの店も活気が有る、中学生があちらこちらに
多い、盛んに何かを食べてにぎやかにしゃべっている、聞いてみたら四国から来た修学旅行生
さん達でした。先生は大変そうでした。
12:00 スシローで昼食。終わると浦添ホームセンターへ、ここでヨットの水栓金具交換用品を買う。
他色々買い物して船へ帰る、すぐさま水栓金具の修理が始まる、予那原から宜野湾までの途中
キッチンで水を使うと水が漏れて大変でした。それを直すのです。
艇長のあざやかな仕事ぶりでみごとに直る16:00。水漏れなし、良く出て、良く止まる。
次はコーヒーとアルコール消毒をする、そして遅い昼寝。
17:00 荷物を仕分け、船の整備、出航用意、連絡他・・・。
18:30 K氏の知人来訪、積もる話しは外で夕食をしながらすることになり、町に出る。
マリーナの近くのコンベンションシティー内の餃子大将へ入る。
知人の方からヨットにかかわるいろんな話、明石から沖縄までヨットを運んだ航海の苦労話しを
聞かせてもらい、大いに盛り上がって解散。
20:00 船へ帰る、シャワーに行って外で涼んでいると艇長から声がかかる。
テレビで白石さんのヨットの番組をやっているから見ようという事でした。
でかいヨットを一人で操船、世界一周レース。こりゃまー、体力勝負です、大したものです。
あれやこれやで11:30に寝る。
2017 H29 4/26水)
曇り小雨 上架業者さんと打合せ(上架は順番待ち潮待ちです)。観光と食材買出し。
7:00 起床、コクピットに出て顔を洗う、小雨が降ってしっとりしている。が裸足でうろついても
足は濡れずそのまま座っても大丈夫。これはコクピットに屋根が有るからで、ステンレスパイプ
で組まれ、パルビットと船体に固定されている。屋根面材はトラックのシートが使われ頑丈だ。
おかげで雨に濡れにくく、日にも焼かれず体力の消耗が少ない、とても快適である。
(艇長さん自作です)
朝食はパックご飯を電子レンジでふっくらさせて、ハムエッグ、キャベツとトマトのサラダ、
味噌汁あさげ、漬物、食後にコーヒー、船が動かないので落ち着いて出来ます。
食後にマリーナを散歩、どこを見ても30フィート以下の船は無い、整備と修理中の船が
あちこちに有る、残材が片付けられないままでけっこう見苦しい、汚い。
船に帰るとレーダーの試運転の真っ最中。アンテナを昨日スターンパルビットの上方に付けました。
不調なFURUNOの画面の上棚にHONDEXの新しい小ぶりなLEDが黄色い残像を映している。
視界の無い霧の中ではこれが無いと危なくて走れないそうです。
パイロットハウスの天井にGARMINのGPSが付けてある、コクピットからも見えるのでとても良い
周りにも電子計器がいろいろ取り囲んでいる。
11:15 観光と買出しに出発。初めは嘉手納基地へ行く。かねてから見たかった所。
「道の駅かでな」の4階まで上がる。基地は高い塀で隠されているがここからなら基地が覗ける。
観光スポットらしく沢山の人で大賑わい、修学旅行生や中国の観光客も大勢来ています。
北朝鮮が弾道ミサイルを打っているのでこの基地でも対応をしているのだろう、そんな思いを
もって眺めた。戦闘機や大型機が飛ぶのを見たかったがヘリが行ったり来たりしているだけで、
残念。
12:50 宜野湾漁港のみなと食堂で昼食。海人定食¥1,000と惣菜を買う。続いて流通店へ、
充電アダップターやら食料やら・・・。船に帰って昼寝。
夕方、上架屋さんが船底の形を見に来る事になっている。それまで船側の掃除をして待つ。
17:00 ウェットスーツを着たその方が来る、ちょっと話してあっさりと手馴れた感じで海中へ消える。
形状と寸法が分かったので明日9:00に上架スロープへ行く事に決まる。
上架屋さんは日に焼け体型も声も、とてもタフそう、70歳を越えたのでダメですと言っているが、
体はしっかり肉付きがよく元気でその年には見えない、顔もどこかの親分さんみたい。