春 の 七 草、 正 し い 作 法
君がため 春の野に出て 若菜摘む  わが衣手に ゆきはふりつつ 

                                 光孝天皇

 
百人一首でなじみ深いこの歌に出てくる若菜とは春の七草のことです。
 「人日(じんじつ)の節句」「七草の節句」ともいわれて、今では「七草粥」を食べる日になっています。もともといわれは中国から伝わったもので、旧暦の1月7日は、新年の占い始めの日でした。
平安時代になって「七草粥」を食べることが慣例になり、江戸時代では、五節句の一つとして、将軍、諸侯が七草粥を食べる公式行事になりました。時代とともに占いから「七草粥」に重点が移り、この日に「七草粥」を食べると邪気が払われ、無病息災でいられるという慣習になっていきました。
上左から、スズナ(蕪)、ナズナ(ペンペン草)、ゴギョウ(母子草)、
スズシロ(大根)

下左から、ハコベラ(はこべ)、ホトケノザ(田平子)、セリ(芹)
 七草粥は旧暦の1月7日に食べる行事ですから、本来は西暦の1月7日では「おまじない」にならないのです。

2006年の旧暦正月元旦は、1月29日(日)なので七草粥の日は2月4日(金)となります。そして、この頃に

なると野山にはホンモノの七草がみられるようになります。今年はぜひ、七草摘みにお出かけください。 
 七草粥を食べるのは、朝がよいとされています。昔は、
夜明け前から炊き上げていたようです。今日では、早朝
から仕度をして食べるのは無理があるでしょう。
 せめて、いわれを思い起こしながら家族揃って食べるよう
にしましょう。
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今 年 の 恵 方 は
 2月3日は「節分」です。子供たちは豆まきが楽しみな行事です。鬼の役をするのは、お父さんと昔から決まっています。豆まきのあと、歳の数だけ豆を食べて、無病息災を祈願します。節分が過ぎると、いよいよ春が到来します。
 イワシの頭をヒイラギナンテンの枝先に刺して玄関に飾るお宅も多いでしょう。鬼が嫌う臭いがすると、鬼払い厄払いの意味がこめられているのです。
 西日本では、古くからその年の恵方に向かって、恵方巻きを丸かぶりする習慣が伝わっています。
関東地方で売られている「恵方巻き」
 「恵方」とは、歳徳神がその年いる方角のことです。十干支により、4つの方角を巡回しています。2006年の恵方は
南南東から7.5度だけ南にふれた方角になります。
 旧暦でいう丙戌の方角なのですが、旧暦は24方位で西洋暦は16方位なので、南南東を向いたのでは正しい方位
より北にズレてしまうのです。
 磁石で南南東を向き、大人の男の人が前に水平に腕を伸ばして、指4本ぶんぐらい右側にズラせばだいたい7.5度
修正したことになります。
 最近は、東日本でも「恵方巻き」は売られています。家族そろって食べてみてはいかがでしょう。なを、縁を切らない、
という意味で包丁で切らずに丸ごと食べるのが作法のようです。立ったまま食べる土地もあるようです。
 寒いのも、あと少しの辛抱ですね。
春  が  遠  い  ・・・
2005〜2006冬はかってない強い寒気に覆われ続けていて、一向に春めいてきません。
 別所沼のまわりにはメタセコイアの木が並んでいます。赤く枯れた葉は風に吹かれるごとに下に散っています。地上に花が咲く頃に新芽が出てきます。ヒヤシンスハウスも冬篭りをしているような佇まいを見せています。
ユリの木の花が枯れたまま枝先にあって風に揺れています。この木は高さが20メートルぐらいあるので、初夏に花が咲いても見ることができません。
ハンノキの雌花が枯れたまま枝先に残っています。まわりの枝先には尖った新芽を出す冬芽が春の準備を終えています。
ツワブキの綿穂がまだ残っています。風に乗って何処に芽を出すのでしょうか。
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