V-08 一体化で巨大バーチャルスピーカー
この試みは、さらに完全な一体化をめざして3年間ほど続きました。両スピーカーの能率差、高さ調整や響きを整えるベース工作、両スピーカーそれぞれのヒアリング位置との角度、低インピーダンス駆動力のあるアンプ導入、最後に「ビヤダルパラゴン音響調整板」……。当システム初公開ですから、ネーミングしました。”Wide Area Cover 逆オルソン&ビヤダルパラゴン音響調整板システム”!(笑) 上記画像2と、第1話の概念図でシステム全体をご想像ください。この続きのエピソードは、いずれまた。
Dec. 20.'11
2つのスピーカーを一体化して、よくできた大型スピーカーで聴くような、音場形成と音像定位の両立した再生をめざしています。二つのスピーカーが一体となり、無垢の板壁も音場形成に一役買った音響が理想です。無垢の壁も……の意味を補足します。オーディオとは、『振動のすべての総和』として快い音響を再現し、体感する環境の創造であると云うのが持論です。スピーカーから出た音だけではなく、共鳴と反射と伝達によって生じた波動全体を、快く感知するシステムです。
スピーカー後方の壁材は、スピーカーと同じくらい重要です。住宅建設時、ここだけは無垢材にこだわりました。SX-900 Sp.のバスレフポートを意識して背面空間を50cm以上確保し、両SPの側板がやや重なったとき、思わず聞き惚れるような音となりました。その形、図にしました。まるで、巨大バーチャルスピーカー……。中央のTVブラウン管はまるでドーム状センターキャップ、スピーカー後方の空間は、エアーチャンバー!
互いのスピーカーが長所を発揮して融和するまで、位置関係やセット間隔を詰めました。当初、Sx-900 Sp.をメーンスピーカーとしてFX-9は音場の隠し味とすべく、Sx-900 Spの背面と、FX-9のバッフル面・TVブラウン管をほぼ同一面に合わせました。
2スピーカーは、LUX L-540アンプのAB各端子で駆動します。いずれか一方を独立使用したり、同時並列駆動で使用します。並列時には両スピーカーとも定格6Ωですから、3Ωの低インピーダンス駆動となります。その際、低域は伸びているのですが、締まりなどしっくりしない違和感があります。数センチ刻みで前後左右に移動しながら、ヒアリングを繰り返しました。
スピーカー後方に回り込んだ低音が、壁とスピーカーで形成されたエアーチャンバーで共鳴したり定在波を生じて、バスレフ放射されるかも知れません。スピーカーのエンクロージャーなら吸音措置です。巨大バーチャルスピーカーにも有効だろうと、吸音材を敷き詰めてみました。
正解でした。締まった低音がクッキリと立ち現れて、当初の悩みはほとんど解決されました。両スピーカーは全く違和感なく一体化しました。スピーカーを意識させないだけでなく、壁面周辺全体が一体となって奥行き感のあるステージイメージもあります。
一つ問題が生じました。このバーチャルスピーカーで音楽を聴くと、いつの間にか音量が上がります。床下補強にも係わらず、階下の部屋では頭上から不気味な低域振動がズーン・ズーンと…… 01st Mar.'06
寒冷地規格の断熱壁は25cm、高密度断熱材ブローで20cm入れ、内壁材はパイン無垢材を貼りました。
FX-9
ラック
FX-9
SX-900
Sp.
SX-900
Sp.
T V
エアーチャンバー
周辺、コーナーに吸音材
ラック