V-11 無間地獄
まずEQAの性格の違い。CRAFT PE-500 内蔵トランスの解像度は MICRO MT-500と較べて僅かに甘い。性格は、分解能よりバランスの良さと、モニター的な正確さか。D L-305をPE-500のハイインピーで受けるとAE50 6に繋ぐより神経質さが減じて温かさを醸します。
一方、分解能とヌケの良い透明感は間違いなくAE506 が上で、AE506とDL-305の組み合わせ、女性ボーカルの上品で透けるような発声は絶品!
MC-30Sは高域に華やかな騒がしさがあるのですが、これは PE-500との組み合わせでいくらか和らぐ。さらに、トーンアーム出力ケーブルSAEC CX-5006A(75cmに短縮)は、ortofonにマッチしているのか疑わしい気もします。ケーブルを替えて低インピー系システムを完成の域まで追い込むか……。
2系統を比較試聴した結果、それぞれに、分解能と、響きとバランスの良さという違いはあるが、基本性能はMC-30Sより、DL-305が上と判断しました。
ならば、ここでortofonを見限って、低出力ハイインピー系カートを一層充実させ、磨きをかけるべきか……。
対策毎に、算盤をパチパチはじいてみる。これは線形経済学、最小コストとなる投資の組み合わせは果たして如何に? いや、これは無間地獄の始まり……。
03ed. Mar.'07
これから3年後、後期カートリッジ放浪はオークション時代を迎えてますますの迷い道、やがて3プレーヤーシステムへと展開して、さらにラックまで手をつけることになるのでした…… ^_^;
まさに泥沼、その前段でまだ理性があるなら、そこで目を閉じるか、目を見開いて鏡の前に立ち、欲望まみれの哀れな姿を覗くべきです。
24th.Dec.'11
無間地獄という言葉、アナログに嵌るとまさしくこれを実感します。当初、壁面の素材などで響きをコントロールして、ホール感のような疑似音場を細工して、プアーな装置をカバーしていました。それが、2組のカートリッジライン毎にマッチしたトランスやEQAにステップアップすると、欲が出ます。
少し良い結果が出ると、不思議なものでもっと良い音が出るはずと確信に似た思いがよぎります。事実、もっと良い音は可能です。一つは工夫、一つは組み合わせ、そして残る一つは新規投資か、妥協してそこで満足するか……。
試聴環境を整えるため、ラック内部の配置替えを迫られました。当初の配置では、ラック内スペース不足を補うため、ラック後方に専用ベンチをセットしました。しかし、あまりにハンドリングが悪すぎます。ラック内部のテープデッキなどを取り出し、LP再生機器だけとしました。これで、ロー・ハイインピーダンス別に、2組のトランスやEQAのマッチングを確かめられます。しかし、比較試聴は簡単そうで非常に疲れます。