V-18 音をつめるケーブル工作
包み込まれるような音場の奥行きと広がり、 バロックでは管や弦が繊細かつ軽やかに響き、フルスケールのオケは天空に抜ける音の洪水となり、ポピュラーはボーカリストとバックのアンサンブルが溶け合い、そして女性ボーカルの甘く切ない吐息……等と妄想しつつ、相変わらず重箱の隅をつついています^_^;
システム全体のセットが一段落して、次はケーブル類に手を加えています。私の80年代ケーブルは表面つるりとした被覆の製品ばかりですが、最近のはメッシュ模様でン万円のばかりでしょ? あれってホントに音に良いの?きっかけは、なかなか自分のイメージ通りに鳴らなかったortofon MC-30Sに、高純度銅ケーブルを驕ってみたところイメージした美音を奏で始めたので驚きました。そこで、試みるテーマはケーブルのダブルシールド化。
やや旧タイプでしっかりしたRCAケーブルを入手。これを2本纏めてアース線と共に覆い、アース付ダブルシールドケーブルを工作します。シールドチューブはメタルメッシュでなければ意味がないし、見た目もそれなりの質感がほしいと、アルミと合繊混紡タイプを採用。1. 5m ケーブルは70:80cm、1mは60:40にカットし、手持ちのピン端子取り付けとシールドを施しました。
ケーブルは必要悪、機器を直結して接点やケーブルで生じる歪みゼロが理想です。カットしたケーブルにRCA端子取り付けの際、内部構造をじっくり観察しました。外装シース等、見た目はすばらしくとも、内部は別です。従来のコントロール・パワーアンプ間ケーブルは6・7Nハイブリッドでしたが、内部構造がプアーで音が固めになると睨み、内部構造と導体の緻密な7〜8Nケーブルとしました。
ダブルシールド用防磁・導電性チューブは上流側にアースし、方向性のあるケーブルとしましたが、シールド位置やアースのとり方で静電容量が変化するのか音質調整は難しく、この後悪戦苦闘しました。導電性アルミ編線スリーブだけでは、ラック裏面でケーブルが輻湊して接触する懸念があり、さらに黒色絶縁シース処理しました。この黒蛇たち、ピュアーな信号伝達の切り札となるでしょうか?
セットして早速音出し……。おかしい、エージング不足か? 妙に高域の張るような、背景と分離の悪いメタリック感のある音。作業工程を思い返すと、電源プラグを全てコンセントから外した。使い慣れたLUXMAN機器は極性チェッカーを備えているが、Musik fest、A.CRAFTのEQAにはない。そこで、プラグを挿し替えると、……メタリック感が消えて爽やかな音に変身! これは改善すべきと、コンセントとプラグに極性マーキングしました。
作業で気づいたオーディオ機器への提言。 その1、EQAは極性によって最も大きな影響を受けるようで、極性チェッカーは装備すべき。その2、アナログ機器はアースが重要だが、ディジタル時代のC-7fコントロールアンプ端子はチャチで、複数本のアースではお手上げ。アース端子を2箇所は備えるべきです。
夜間の試聴は小音量。う〜ん、柔らかくなった感じです。でも、小音量ではいつも柔らかなのですね。明瞭ハイファイ傾向というより、柔らかで自然な音質傾向のようです。そこで、カートリッジのうちで一番明瞭度と鋭さも持つDL-305をセットしました。シェルリード線にはOrtofon 8N LW10 を驕っていますが、数日経つと見事に微細な情報量の増加と柔らかさがバランスした癒しの世界です。
21th. Sep.'08
アナログオーディオ愛好の仲間が増えて、斜陽真っ只中低迷するオーディオが再び隆盛することが夢です。ばかげた体験談をご笑覧いただき、これなら私もと挑戦されたら望外の本望。しかし、オークション取引が近隣諸国に拡がり、そこに介在する業者の存在と機器の価格高騰は無視できなくなってきました。何処の国の方でも、オーナー同士の交流であれば問題ないのですが……。