V-19 3プレーヤーシステムへの展開

 美音への欲望に際限なし。レコードにあわせて最適な再生組みあわせをめざして、3プレーヤーシステムとしました。アームはWE-407/23×2と、WE-308SX、EQAは1ラインをMusik fest 、2系統をAUDIOCRAFT受けです。

 3プレーヤー設置のため、レコード収納を兼ねたラックを自作しました。設計変更やカットエラー等2箇所あり、ベース部や骨格構造の強度と重量をチェックしながら4日がかりで完成しました。天板抜きで重量約50kg、完成度は部屋に置いて見苦しくない美観とガタのなさで70点。ホームセンターで珍しい継ぎのない無垢パイン材を見つけて側板としましたが、残念ながらレコードラックと並べてセットすると隠れてしまいます。

 食事も早々に毎日製作に没頭する夫の姿に惚れ直したか、工作場所の車庫から部屋への搬入を、妻が手伝ってくれました。予想より重く、2F迄運び上げるのは2人掛かりでも意外と難儀し、階段の壁にかなりの擦過傷を作りました。

 プレーヤーセットは、30mm天板の上にさらに25mm高密度ボードを敷いて、これにらレコードが入り、最上段の機器の配置が決まって補強の間仕切りが入るとラック全体がダンプされ、打音もコツコツに近づき低音もビシッと決まってきました。トランスやイクォライザーの設置に十分なゆとりができたことで、SNと音の透明感が一段向上しました。

3機のプレーヤーを切り替えて、試聴は手当たり次第。予定したアマリアロドリゲスのファドと一緒に引き出された、アラベスクから試聴開始。DL-1000A+AU-1000+Musikfest AE506ではポップなノリが不足、Ortofon MC-30S+PE-500では低域がですぎ。DL-305+AU-S1+ PE-500で、ポップなノリと高域の伸び共に良し。

 次にアマリアロドリゲス。DL-305+AU-S1+ PE-500は、音場の立体感不足。Ortofon MC-30S+PE-500では、ポルトガル演歌で悲嘆を歌うアマリアの表情が乏しい。DL-1000A+AU-1000+Musikfest AE506MM、これです! 高低両端まで伸び切った立体感豊かな音響!リード線Seire n が、DL-1000Aに深さと鋭さを与えてベストマッチ。 3プレーヤーシステムは、曲によって一瞬にジャストフィットした音響環境となりそうです。

 ここまで来ると完全をめざして、SPスタンド対策です。並列駆動SPの高さに段差があり、玉石ベースとあわせると高域に甲高さを伴います。硬質のウッドがベストマッチだろうと推察して、規格のあうONKYO AS-2001モニター用中古品を正価の半額程で入手しました。当時双璧だったのがYAMAHAで、こちらはマリンバ用アフリカンパドウク材の製品でした。

 サイズは398Wx207Hx370Dmm、SX-900 Spiritより奥行きが大きく、4cm程短縮加工しました。 しかし、これは硬い、重い、しかも美しい!紫檀材に似ていますが、加工が非常に念入りで、工作は難儀しました。当初使用した精密細工ノコはたちまち破損、しかも、木組みがまた独特で円形くりぬきだけでギブアップしつつ、戦いすんで日が暮れて、夕刻迫る頃、 修正塗料の乾燥もほぼ良しと、部屋に運び入れました。

 スタンドが、これほど効くとはまったく予想しませんでした。痩せることもだぶつくこともなく、実に素直な余韻のある響きです。これまでマスクされていた、情報密度が驚くほど向上し、高い分解能でこれまで聞こえなかった音の隅々まで照らし出します。あれこれ対策していて今ひとつの達成感がなかった、天空に突き抜ける音が見えてきました。 
                          06th.Sept '09