19話でトランスやイクォライザー等の配置にゆとりができて、音質が一段向上したこと、さらに21話でLUX バキュームシリーズの最終モデル PD-350と、Ortofon 8N TSW-1000アームケーブルの入手によって、ハードとしてほとんど完成しました。すっかり悦に入って、後は使いこなしとばかり、思いつくままあちこち弄っております。

 Ortofon TSW-1000アームケーブルはどの経路に使用すべきか迷った末、PD-300と繋いでいるDL-1000A+AU-1000系に使用しました。このラインは、プリアンプまでが2mを越え、音質劣化が懸念されます。せめてトランスまでは、できるだけピュアーに情報伝達したい。画像後方に見えるのは、常用の清拭用不織布で、ボックス内で生じがちな定在波防止用です。

 LP再生でアースライン不備は、ハム要因となったりSNが劣化します。V式3PL(ヴァキューム3プレーヤー)システムとして、これは予想外のデリケートな難問でした。アースラインは、アームケーブル由来の他、外付けトランスやEQA、V式PLからのラインがあります。ラックの裏に潜り込んで、同じような黒色で細いラインが複数系入り乱れているのを区別して配線するのは至難です。

 頻繁に配線し直し、仕舞には配線エラーだらけになり、2プレーヤーで同時レコード再生しながら試聴チェックしたら、セレクトした回路以外の音も小音量再生されていました。これは、アースラインを介したクロストークかな? ^_^; 複数のアースラインを一緒くたに纏めた場合、自由電子の回路間移動のような影響があるか、不思議がまた一つ?

 E-06、C-7f のアナログ入力に関して、複数PL使用ではアース端子が不足して、1箇所の端子に複数のアースラインYラグを止めるのは意外と難題です。相互に緩み応力が働くものか、緩むと電位差が生じてノイズ源となったり、何かの拍子に外れたりします。本来は再生1系統1ラインがシンプル イズ ベスト。

 アース接点で情報の横漏れが生じるか、独立すべきは独立させるべきと、端子増設を考えました。増設アース端子として、簡易な逃げとしてワニ口か、SP端子部の形態が似ているか、銅板と適当な端子で製作するか、真鍮製の小型蝶番は加工できないかと考えながら、HCで資材を見繕いました。

 銅板や真鍮製小型蝶板を加工して、増設端子と中央部を本体端子に合わせてU字カット加工してみると、機能としてはOKでも美観はイマイチ ^_^;
 
V-22 増設アース端子

 最終完成版は、画像の通り 、導電性があってメッキのかかった綺麗な素材を利用しました。画像2は、アームケーブルとトランスからのRCAライン、および増設アース端子。 画像3はCAの増設アース端子です。EQAを複数使用の際は、アース端子は酷いたこ足でした^_^; LP再生ではアンプ増幅以前のライン系において何をやっても、音は大きく変わります。今回は、結線操作を容易にする改善の試みでしたが、もしや音への効果もあるのか? と云う軽い気持ちで試聴して驚きました。激変です!!

 Ortofon TSW-1000トーンアームケーブルの効果か? しかし、他の経路も音質向上しました。アースを一緒くたに纏めて緩んだりしている場合と、個別にアースをしっかりとる違いですが、間違いなく配線の見た目と、再生音場のすっきり感は相関します。音場の立体感が、雲間が晴れたようにスカッとしました。 最近のコントロールアンプは、ディジタルCD時代に不要なアース端子は1個だけ申し訳程度ですが、アナログ用には独立したアース端子が複数必要です!
                                                     07th Dec.'10