高純度Ortofon7N+Tara Labs 8N導体、二層構造導体断面積 0.571mm2/38本。MCカートリッジが出力する、0.2mV程の微少出力を、アンプで通常ヒアリングする数W程度まで増幅すると、電力倍率として1億倍にもなります。カートリッジで拾い上げた直後の情報ロスや歪は増幅され、再生音に大きな影響が出ますから重大です。

 微弱電流のロスをなくすることめざして試行錯誤を続け、完成したリード線がCrystalです。極めてオーディオ的との評価で、透明感、音に芯がある強めのコントラスト、スピード感と切れ込みの良さ、エネルギー感のある押し出しの良さが特徴です。 最近、ジャズファンのユーザーの方からの照会があって、当モデルをご提供し大変喜ばれました。Jazzライブの熱気を生々しく再生します。

 雄大でパンチのある音をめざし、original Ver. 1はortofon 7N 素線で断面積は0.62mm2、Ver. 2でortofon 8N銅をハイブリッド、導体断面積は0.525mm2 にダイエットしましたが、音像フォーカスに甘さがあリました。導体が太く断面積が大きくなる程、雄大な表現と裏腹に低域がだぶつく傾向があります。

 Ver.3以降は鮮明な輪郭をめざして導体断面積を縮小、Ver.4では0.281mm2に抑えて低域電力を減じ、再生帯域全体の均一な描写と、しなやかで明瞭な音像、自然な音場表現を獲得しました。

 導体断面 0.754mm2 素線数 96本。趣味のオーディオとして、目ざした音のイメージがSeirenです。セイレーンとは、ギリシャ神話で船人を惑わし難破させる魔性の歌声!かのオデュッセイが帆柱に我が身を縛りつけてこの世のものならぬ麗しい声音に身を焦がすシーンに憧れ、その怪しくも美しい恍惚の音響イメージです。レコードに収められた情報を残らず引き出したい、時には地を這うような低域、時には天空高く突き抜けて舞い上がる、この世ならぬ音響!そのような理想を求めてリード線工作を詰めていくと、導体素線の特性だけでは解決できない、構造問題に行き着きました。基礎理論は、「表皮効果」といわれる電流特性で、導体を流れる電流は高周波となるほど導体表面を流れる性質があり、高域特性に関わり、導体表面積や酸化被膜が影響します。

 一方、導体断面積は情報エネルギーと低域への影響が大きく、シェルリード線導体として微細な素線径で多本数とすれば表面積が増して高域特性が改善され、太線構成で導体断面積だけ増すと、情報量は増加しても聴感上高域が伸びないバランスとなります。このバランスを求めて試作を重ね、編線多層構造導体のリード線 Seirenが誕生しました。素材はRCAケーブル由来で、スピーカーケーブル由来の素線材より高コストですが、帯域バランス整える上で有効です。

 Freude は歓喜、素晴らしい音質のLP再生に触れた最初の驚きと感激、その歓びをそのままネーミングとした、エントリーモデルです。素材はPC Triple C導体+WBT 0800 Silver ハンダ使用、とてもエントリークラスとは云えない破格のSpecです。

 切れ良く弾むパワー感と、明るく活気に満ちた若々しいHiFi音調は、まさに歓びに満ちた再生。ロック、ジャズ、ポッブスから、勿論クラシックまでOK!LP再生の歓びを実感できます。
Moon Audio工房 ArchiveT(生産終了製品)
CrystalU
Aurora 7N・O
Seiren 7N・O
Freude(フロイデ)