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　オーディオ愛好家なら一度は使用してみたい、夢のSuper high purity 6N Silver 素線材を100％使用したシェルリード線です。ネーミングにギリシャ神話の最高神 Zeus の名を冠し、超高純銀素材に蓄積ノウハウを投入して、工房のハイエンドモデルとして完成しました。

　Super High Purity 6N Silver 素材は僅少量生産されたortofon ケーブル＃5000型番モデル由来で、導電性Maxの超貴金属ですから芯部に僅かにあるだけの稀少材です。この素材を100％構成では、コスト的に市場製品として価格枠に収まらず、当初自家システムのリファレンスとして製作し、音質判定や最上の音質を愉しんでおりました。後にまとまった長さで入手できたのを機会に、製品開発と取り組みました。

　6N Silver導体は導電性が高く、その優れた特性を、聴感上フラットなバランスで引きだすには５年間に亙る試作と熟成期間を要しました。完成までの試作試聴では、DL-1000A×２、LUXMAN LMC-1、ortofon Kontrapunkt b、後にYAMAHA MC-2000を用いて、線数を変え撚線と編線構造を変え、データを検証してノウハウを蓄積しました。導体構成と構造が最適バランスしたとき、さりげないスピード感、凛と澄み切って煌めく高域と濁りな深く伸びた低域表現は異次元の再生！高域弦の響きは比類もなく絶品！

　導体は編線構造 (weaved construction)で、非常に工作時間を要しロスも大きいですが、音場表現の優位性を認めて採用。ハンダは最高級プラチナゴールドニッカス101使用。6N Silver 編線導体リード線はエージングにやゝ時間を要し、当初は低域が薄く感じますが、10時間ほどでバランスし、更に時間経過と共に、Pureな音の頂点を実感できます。しかし、一方で6N Silver 導体のナチュラルで超高速な音質は、銅素材導体の聴感と比較して低域が物足りなく感じるとの評があり、Zeus Ver.2では低域を増強し広帯域フラットな聴感特性としています。

　Super highpurity 6N Silver 素材100％使用のモデルで、Ver.2では導体断面積をオリジナルZeusより20％増大し、帯域バランスを変えることなく電力供給量を増加し、低域の力感を増しています。Zeus Ver.2で採用した多本数編線構造は、6N Silver素材の特性を余すところなく引きだす決め手となりましたが、編線工作はより困難となって時間と高度なスキルを要し、さらに加工による素材ロスも大きく、非常にコストが嵩みます。

　6N Silver の可能性をさらに追求し、2015年秋のモデルチェンジで、Zeus Ver.2（多本数編線）と、２LC（Double Layered Conductor：２層構造導体）として展開しました。何れも超高純度銀

特有のナチュラルな超スピード感と広帯域特性は共通で、Ver.2は音場再生に優れ、後者は輪郭鮮明な現代的HiFi表現です。さり気ないナチュラルさと超スピード感、高度な透明感でクリアな音場を再現し、澄み切ってよく伸びる高域の響きと、超微粒子の音を空間にちりばめ溶けあうような音場ニュアンスが特長です。

　Zeus Ver.2リード線は、決して安価ではありませんが、どのような高性能カートリッジでも能力限界まで引き出しますが、同時にカートリッジの素性を裸体で晒します。この音を多くの愛好家に知っていただきたいと、最低限の価格設です。残念ながら、Zeus Ver.2はコストと資材の入手難により、2016年６月に生産終了しました。