Eos 2(エーオース 2way)
高周波電流やaudio帯域の高域電流は表層からある深さをドーナツ状に流れ、これが表皮効果です。図1は、導体の太さと表皮効果による高域電流を黄色、低域電流を褐色で示します。下段は、細線や微細線を束ねた一般的導体で、表面に微細線を配置することが、高域情報再生に有利です。導体断面積が大きい程電流量は大きく、パワー感に繋がり低域寄りバランスとなります。Eos 2は、両者の有利点活かす二層構造導体で、この構造は、Seiren、Sophia等で実証済です。Eosは高域にortofon 7N、低域にPC TripleC 導体を採用し、二層間を絶縁して分離を試みました。結果、輪郭明瞭、パワー感とデリカシーの両立しました。スペックは、二層2way 導体断面積 0.335mm2/27。
試聴は、AT-36E、DL-303、DL-305 を使用し、試聴盤としてシェラザード(マゼール/ベルリンフィル 28MG0931)、Simon & Garfunkel、高橋真梨子、森田童子、Lily他、最終ロングラン試聴まで行いました。エージングは、5時間程で輪郭鮮明となり、10時間程度で安定します。Eos編線導体試聴に用いたAT-36Eカートリッジは、パワー感に欠け低域のひ弱さが不満でしたが、見事に解消されました。2Way モデルと組んだDL-305は文句のつけようがありません。
神話シリーズのニューモデル、Eos 2(エーオース 2wy)リード線は、PC Triple C導体を採用。ネーミング Eos の由来は、太陽神の先駆けとして天空の門を開く、バラ色の暁の女神、PC Triple C 導体の未来を暗示します。PC Triple Cの試聴では、PCOCCで感じられた高域の癖もなく中域が充実、今後のオーディオ用導体として期待されます。試作では、当初のプロトタイプ5モデルと、試作3モデルを追加して試聴をくり返しました。PC Triple C素材は、電力供給力が大きいのか低域のコントロールが難しく、編線タイプと撚線タイプ構造で導体断面積の最適値を探り、最後に二層2way構造としました。
Eos インプレッション
★…プレゼンスには定評のある構造で、空間描写は効果的に付与されている。ただし、量的には一般的には多めでも、MoonAudioの他高級機と比べれば普通の範囲。カートの瞬発力を受け止められる能力も控えめ。またスレンダーだったプロポーションに全域でふくよかさが付いた、そしてボトムエンドはともかくトップエンドは落とし気味。試行錯誤の先に到達した現段階が此処だというのは興味深い。これは製作者の感性の違いそのものを聞いたに等しいんじゃなかろうか。利点は確かに大きい。同時に長所になり得るファクターも削いだ感はある。
…エージングは5〜6時間との事だが、眼前にプレゼンスを感じられるにはもう少しかかると思った。推奨通りAT36Eへ9時間以上エージングしてから組み合わせたが、そこから少し聞いている内に所定の落ち着きに到達した感じだった。AT36Eとの相性は良好。ここまで出せればAT36Eも不満は無いが、増幅系がC-37に変わっている点も考慮しないといけない。だって、AT36Eも長く沈めていたカートだったから。 (2015.03.03 愛媛県 SK様 )
★(前略)…編線タイプに30S、撚線タイプに30Wを接続しました。試聴は主にキースジャレットのスタンダーズIです。初めに編線タイプと練線タイプの違いはカートリッジが違うため解りませんでした。どちらのタイプもですが、第1印象ではどっしりとして力強いが高音不足と感じました。
…エージング後では高音不足は感じられなくなりました。全域力感がすごくて気持ちの良い音になりました。ボリュームをどんどん上げて行きたく成ります、私の好みの音です。ただし、カートリッジのせいだと思いますがもう少し切れが欲しいような気がします。
…オルトフォンはかなり個性が有るので、日本製のカートリッジの方が相性が良いかもですね。DL301IIとかPTGで聴いてみたいです(手放してしまって今は持っていません、残念)DL305、AT-F7で聴いて見たいと思っています。…以下略… (2015.03.11 埼玉県 HO様)
★Eos 2way: 本日早速試聴しましたので感想をご報告します。…カートリッジ:オーディオテクニカ AT-ART2000。試聴レコード:マリーン/マイフェイバリットソングス。テクニカのリード線(PC-OCC)から交換。
…音量レベルが若干上がったよう。低域、高域とも明らかにレンジが拡大。音の立ち上がりが明確になった。ヴォーカルの肉付きが若干増したよう。全体的に音の厚みが増し、温和な感じ。
…トランペットのミュートが非常に生々しい。高域はよく出ていますが、キツさはあまり感じません。ヴォーカルのサ行も気になりません。もともとART2000は音楽性のあるカートリッジということで評判でしたが、さらにその良さが現れて来たように感じます。 (2015.04.06 和歌山県 EH様)
★Eos 2way:新リード線はごきげんです。その後、毎日のように聴いています。特にシュアーに接続したEos 2wayリード線は、ピアノは芯のあるタッチに、ベースははじく音にふくらみが感じられ、コンボジャズを楽しく聴かせていただいています。 (2015.05.07 東京キ AH様)