Seiren Ex. インプレッション U

 本日午後からやっと「Seiren Excellent」の試聴を開始しました。カートリッジはいろいろ迷いましたが、とりあえず「サエクC3」です。交換前のリード線はテクニカのAT611(OFCリード線)でした。まずは現状でレコード片面を聴き込んでおき、慎重にリード線を取替実施。リード線は太めに見えますが、中空なので交換は思ったよりも容易で、これなら問題なく対応できそうです。

 レコードに針を落として曲が流れ出したら、いきなりベースの伸びが違う、高域のヌケが別物になっている、ボーカルがくっきりと浮き出てくる、などまったく違った再生音になりました。……リード線は自分でも作り試聴はしていますが、ここまで変化が大きかったのは初めてです。高域がすっきりしているのはSNが改善されたせいでしょうか?CDなみに無音部分の静寂性が増しているように感じました。

 ピュアと表現されていたのは、このことを言われていたのでしょうか。ただ、透明感の代わりにC3のワイルドな部分が若干おとなしくなったような気がします。当初はボーカルが堅めかもとのことでしたが、いやいや当初からでも生々しいです。これからエージングが進めばどんな音になってくるか、また他のカートリッジで使えばどんな変化があるのかすごく楽しみです。

 久しぶりにリード線の交換で興奮しました。これなら倍の値段でも納得できる品物ですね。早く手を挙げて譲って頂けてラッキーでした。どうもありがとうございました。                                         ( 2010.2.14 和歌山県有田市 EH様)

……アンプ系が前回インプレッションの時とは違う事になりますが、Auroraとの比較と言う事で試聴を行いましたのでご報告させて頂きます。今回使用のアンプはプリアンプ:VIOLA カデンツァ、パワーアンプ:VIOLA シンフォニーです。その他の機器に変更はありません(注、Auroraインプレッション参照)。

 Seiren Excellent はAuroraとは比較にならないほど全くの別物と言ってもいいと思います。弦楽器のソロとオーケストラを聞きましたが、針が音溝に滑り込んだ瞬間からその違いに目を見張りました。バッハ 無伴奏ソナタ&パルティータ(シトコヴェツキーVn)でのバイオリンの芯のある胴鳴り音を取り巻くような倍音成分がしっかりと表現され、残響音が消え行く空間にまるで引き込まれるような錯覚を覚えます。

 Auroraのインプレッション時に指摘したエッジの甘さも改善されており、しっかりとした輪郭を描いきつつも空間にちりばめられた音の粒子を浴びるような感覚は他では得られないSeiren Ex.の最大の特徴でしょう。空間に満ちた音の粒子によって得られる空気感は、ソリストの動作一つ一つが手に取るように描きだされます。ボウイングの始まるその一瞬の緊張感さえも描き出しているといっても過言ではありません。

 オーケストラ:チャイコフスキー 白鳥の湖(フィストゥラーリ、コンセルトヘボウ)では楽器の質感が非常にしっかりと表現されていて、それぞれの音に決してかき消されることなく空間を埋めていく様は素晴らしい物があります。特に空間表現の素晴らしさは特筆モノで、サウンドステージがスピーカーの奥深くと左右に広がりスピーカーの存在をかき消します。オーディオ的な音源のピンポイント定位は若干甘いものの、かえってそれがほんのりとした温度感と安心感を感じさせどっぷりと音楽そのものに浸れる時間をもたらしてくれます。

 弦楽器は弦楽器らしく、金管楽器はより金管らしく、木質楽器は木の質感を鮮明に描き出しながら、それぞれが空間にぽっかりと浮かびあがりながらハーモニーを奏でる様はまさしくSeiren そのものです。太さゆえに機器の条件によっては非常にセッティングがし難いことが唯一の欠点かもしれません。私も結線には非常に難儀をして、もうすこしで針を折るところでした。。。なお、Seiren Ex.をもう1セット注文をさせて頂きたいと考えております……
                                                    (2010.02.21 愛知県瀬戸市 KK様)

 Seiren Excellent リード線の試聴感想についてメールさせていただきました。今回は、Seiren Jrからの交換になり、試聴始めて3日目ですが Seirenすごいですね。まず、低域ですが、Jrでも十分に満足していましたが力感がさらに増しています。低音好きな私にとっては大満足です。また高域も伸びて、とても迫力あるサウンドを聞かせてくれます。カートリッジはGRADO PRESTIGE GOLD1ですが再生周波数10Hz-60KHzの帯域フルに出しきっているといった感じです。

 おもにロック、女性ジャズボーカル中心に聞きますが、なんともボーカルに実在感があるというかなにかバンドの空気感を感じるような気配すらあり、楽器もよりはっきりと聞こえるようになりました。ノイズ感が減ったからでしょうか。とくに、録音がよくないと思っていたライブ盤が今はとてもリアルに聞けています。アナログがこんなに面白いとは!後にSilverが控えていますが、今はまだまだSeirenに夢中なのでSilverの試聴はまだもう少し先になりそうです(笑)使用機器:プリメイン/ONKYO A-977、フォノイコ/LUX E-200、プレーヤー/KENWOOD KP-770D カートリッジ/GRADO PRESTIGE GOLD1、スピーカー/B&W 685。                                         (2010.06.13 兵庫県姫路市 IK嬢様)