ヘッドシェル Super Kite (discontinued)
カートリッジ専用ビス・ナット・ワッシャ5ペア・セット
 シェルリード線とヘッドシェルは不離一体、オリジナル製作のきっかけとなったのは、フィンガーフックを掴み損ねてカートリッジを跳ね飛ばし、カンチレバーを破損したことでした。こんな操作エラーを防止したいと工作して、操作性のみならず、音質、デザイン的にも好結果を得ました。

 複数の中〜高級ヘッドシェルに、各種カートリッジを取り付け、音質比較しました。使用したヘッドシェルは、SAEC ULS-3X、AT-LH 18、同LH 15、A.CRAFT AS-14等々。使用機器は、カートリッジがDENON DL-1000A他、アームがSAEC WE-407 /23他、すべて日常使用している機器です。結果、AT-LH 18(一部AT-LH 15もあり) tecnihard が音質、価格、入手容易で高評価し、開発のベースとしました。

その長所は、1.剛性が高く、共振による濁りや、情報欠落が少なく、特有の微かな響きが綺麗で快い。2.カートリッジ取り付け部とジョイント部が二分割構造で、S字・J字アームのレスト位置とレコード盤面位置で生じる左右傾き補正や、シリンダー伸縮によってオーバーハング調整ができ、シビアな再生のための機能は万全です。

 現在、カートリッジ専用ネジは市販されておりません。当セットはSuper Kite添付用として開発したセットですが、一般的市販パーツでは得られない優れた点が高評価され、製品として独立しました。
 
 短所は、1.重量が18gでやや重く、使用できるトーンアームやカートリッジが制約される。 2.フィンガーフックが小さく、稀に掴み損ねて跳ねたりする。 3.カートリッジの止めねじ山がシェルの裏面側から切られており、Ortofonのようにカートリッジ側にねじ山のある製品を取り付けできない。 4.リード線チップを受けるピン端子が、コネクター部シリンダーの奥まった位置にあり、端子接続が難。5.ヘッドシェル上面がフラットで、デザイン的に物足りない。

 市販ATシェルのフィンガーフックを工作して、掴み損ねるエラーを解消し、のっぺらぼーに感じられ外観も、このフィンガーフックがアクセントとなって締まったイメージとなりました。Super KITE のネーミングは、このフィンガーフックがレコード再生中にあたかも滑空遊弋する鳶が羽を広げたように見えることに由来します。実用では、従来使用できなかったMC-30Sでも、ねじ山不適合が解消されただけでなく、フィンガーフックを介して上下双方から締め付ける効果か、明らかに明瞭度が向上しました。品質には満足できますが、手作業の一品製作のため生産性が低く、通常販売はせず受注生産しましたが、2013年10月ディスコン(生産終了)となりました。
カートリッジ専用ビス・ナット・ワッシャ・5ペアセット

 パーツは高コスト特注品が主で、ナットは外径4.5±0.07mmφステンレス製削りだし、片面は縁あり裏面はフラット。'15年11月新規格で、チタン製15mmには真鍮製ナット。ワッシャは優れたポリカーボネート(PC)製特注品、外径5.0φ、孔径2.6mm。ネジは、高音質チタン製とステンレス製で、使用頻度の高いL長の組合せです。

左:一般市販品と
当セットのパーツ比較

中央:最強5Pセット
チタンL=10,12,15mm+
ステン L=18,20mm

右:最強バラエティ5Pset
チタンL=10,12+
金メッキ黄銅L=15mm+
ステン L=18,20mm