美術品・装飾品の傷・破損は、輸送時(搬出入)に起こるヒューマンエラーと、紫外線や風害による自然劣化、地震、火事等の災害で起こる事が大半の原因です。人為的なミスでは輸送時に梱包を行っていても、落下・転倒の衝撃で梱包の上から圧力がかかり、商品に凹みを及ぼします。例えば、その際の美術品・装飾品の修理方法として、木製の場合は木の性質を利用して、残痕凹みに数ミリの穴を開け、水分を何度も注入し膨らませる方法があります。その後、様々な方法で少しずつ直していきます。このページでは工法や費用について簡単にご説明させていただきます。
【★解決リペアマン★】では、木工・金物・ガラスを初め様々な樹脂形成を用い、それらをリペア・補修・復元していきます。単にリペア・復元といっても簡単にできる事ではありません。部位のマテリアルを熟知していないと、復元どころか全体をダメにしてしまいます。美術品を取り扱う業者からの依頼で「輸入装飾品の下地を考察せずに溶剤系の塗膜を塗布したところ、全面が剥離した」という事例がありました。表面がどんな物質で仕上がっているか理解しなくては対処はできません。
破損部位形成、下地作業、中間作業、仕上げ作業と、どの工程でも失敗はできません。輸入装飾品には水溶性の仕上げが施されている事が多く溶剤系塗料は塗布できません。国内ではアクリルエマルジョンペイントと呼んでいるAEPも海外では様々な融合物を含んで塗膜形成されています。アクリル酸・メタクリル酸・マレイン酸・アンモニア・アミン・ポリアクリル酸メチル・ポリメタクリル酸メチルなどから形成され、硬化方法も、常温乾燥・縮合反応型・架橋反応型等にと分かれています。中国産の美術工芸品は顔料(ピグメント)が不明で粗悪な合成顔料が多い為、お受けできない場合もあります。
木工彫刻の補修・復元も作業に入る前に注意が必要です。木材の種類、木の乾燥度、製作からの経過年月を考慮「実態把握」に入れ、破損箇所・クラック・塗膜剥離の原因を思案し理解しなければ、補修・復元はできません。
これらの美術品は、保管環境によって劣化の度合いが異なります。適切な環境でいつまでも美観を保つよう工夫が必要です。
美術品・絵画等の状態や原状によっては現場施工も承ります。
一端お預かりして弊社工場にて時間をかけて施工する場合よりコストがかかる事も御座いますが、大切な美術品を預ける事が出来ない場合や再輸送が心配な場合は出張補修(復元)もいたします。内容によってお見積もり有料となることも御座いますので、事前に現況の画像等をメールにてお送りください。
美術・工芸・装飾品は、痛み具合によっては修理完了まで数ヶ月かかることもあります。大きな物の修復で、例えば御神輿の修復をした場合、金箔の張り替え作業、装飾金物の作り替え、傷の修復すると数年の工期と一千万円以上の費用がかかる場合があります。新規に製作した方が安い場合も数多くあります。最近の有名な話で、東京オリンピック招致活動で製作したジオラマは、皆様の記憶に新しい事でしょう。あのジオラマの制作費は、約5億円だそうですが、面積から試算すると1センチ×1センチあたり¥192.307-となります。予想外に膨大な金額ですが、それなりに労力と技術が必要だった事と思われます。
企業の皆様、美術に関するお困り事は、お気軽にご相談ください。弊社の別サイトで新規の美術制作を専門で受注している部門もございます。
弊社別サイト→【美術制作-アートウェブ】をご覧ください。
概算(あくまで価格の目安です)
木工美術品の補修 | ¥60000〜 |
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スチール装飾品の補修 | ¥80000〜 |
ガラス・金物の補修 | ¥80000〜 |
FRP・大理石の補修 | ¥60000〜 |