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2022年11月30日
鳴らなかったベル(小学5年生)
先日、小学校時代の恩師板井先生(84歳)と同級生の徳子さんとランチをしました。徳子さんは小学校時代の学年通信やサイン帳をほぼ全て保存していました。私も保存している方ですが、徳子さんはそれ以上です。その5年生の時の学年通信の中に私の作文が掲載されていました。

「鳴らなかったベル」 1968.3.5
5年3組 仲島 正教

理科の時間、ぼくたちはベルを作った。
先生が「設計図をよく見て作りなさい」と言われたので、さっそく作り始めた。ところが、前の人の作っているのを見たら、ぼくのは、電じしゃく台が上になっていて、前の人は横になっている。これはおかしいと思って、設計図を見直すと、電信機の所を作っているではないか。この時、ぼくはつくづく自分の注意深さの足りないことを反省した。
 それからまた作り始めたが、一番はじめにやっておかないと、しにくい部分があるのに気づいた。スイッチの部分である。またやり直した。このように何度かくりかえしているうちにだいたいつくりあげられた。ところがふと机の上を見ると、コの字型の金具が転がっていた。コイルの所に差しこむ金具である。またまた失敗である。だけどこれはすぐにはめられてよかった。
 やっとできた。かん電池を入れる。心の中で鳴ってほしいと思った。スイッチをおした。何度もおしてみた。けれど鳴らなかった。ベルの部分を全部見直したが、悪い所は別にない。おかしいと思って、友だちのと比べた。どうも接点の部分がちがうらしい。やり直したが鳴らない。今度は接点の部分をおしてみた。すると音はしないがふつうのように動いた。なぜ音がしないのだろう。ベルのネジをゆるめた。しかし音はしない。
 ほかの鳴らない人は、先生や鳴った人に悪い所を教えてもらっていた。しかし、ぼくは教えてもらいたくなかった。自分の物は自分で作ろうと思っていた。
 けれど、時間がたつにつれて、先生の所へ行きたくなって、ついに教えてもらいに行った。先生がちょっとさわったとたん、いっぺんにいい音がなるようになった。
 でもあまり気持ちはよくなかった。自分で苦労して作らなければ、できてもうれしくない。自分の力で考え、考え、苦労して作った時、はじめてうれしいのではないか。ぼくはもうこれからは、自分でぜったいに最後までやりとおすぞと決心した。



今、読みながら笑ってしまいしました。
その気持ちは今も同じですからね(笑)



もう一つ、こんな詩も載せてもらいました。
というかこの詩は教室の前に先生が画用紙に書いて貼り出してもらいました。
でも、自分ではどこがいいのかさっぱりわからない詩でした。
だって適当に書いた詩なのですからね(笑)


   「太 陽」
         5年3組 仲島正教

  黒板は まだきれいだ
  ぼくのノートは もう古い
  この校しゃに もうひびが入ってる
  ねんどにも ひびが入ってる
  「あ!太陽だ」


評 「太陽」を読んで
 「心のはたらき」ってえらいものですね。
 「なぜだろう」「どうしてかな」
  詩をつくる人の心はいつもそうつぶやいて
  はたらいているのです。
  自分でもわからないうちに、はたらいているのです。
 これを心のアンテナといいます。
 スイッチをひねってごらん。
 「太陽」の詩の心のテレビにうつってくるのでしょう。
                  (虎谷先生より)



私はこんな5年生でした(笑)



Posted by naka602 at 19:41 | TrackBack (0)