ニセミナミコモンマダラ

《学名》
 Tirumala ishmoides

《分布(記録のある沖縄県の島)》
 沖縄本島、下地島、石垣島、竹富島、西表島、波照間島、与那国島

《写真解説》
 標本写真のデータはキャプション内で蝶研フィールドに報告されたものが主です。多くの方々から標本写真の掲載についてご快諾いただきました。ご協力頂きました皆様へ感謝申し上げます。まだまだ、新たなご投稿もお待ちしています。個体変異の参考になれば幸いです。
※ミナミコモンマダラとニセミナミコモンマダラにつきましては、同定するポイントが一転二転しており、判断するのが難しい種です。ただ、その時々の判断基準については尊重すべきと考えていますので、ここへは当時に記録された通りの種で写真を並べています。多くの標本が並ぶことによって、整理される事を願っています。一部刷本からスキャニングしています。

《見分けるポイント》

 A・・・ひょうたん型にならず、2〜4個の細条に分かれる傾向(1.2.3)。この仲間は変異が多いのでこれのみで判断できない(4)。3分裂する(5)。
 B・・・2本とも太く途中で途切れない。上の条の内側先端は細くならない(1.2.3)。前翅後半の2つの条紋がその終端で結合しない(5)。
 C・・・後翅中室内の紋はかすか、または消失傾向にある(1.4)。
 D・・・前翅・後翅の外半分の青白紋が不明瞭になったり消失傾向にある(4)。
 【参考文献】解説中の数字は参考した文献を示す。
 (1)川副昭人 日本で初めて採集されたマダラチョウ数種について 蝶研フィールド8
 (2)蝶研出版 スーパー採集ガイド 沖縄・宮古編
 (3)白水隆 日本産蝶類標準図鑑
 (4)高橋直・菅原春良 ニセミナミコモンマダラの同定について 蝶研フィールド163
 (5)橋本定雄 迷蝶に見るコモンマダラ属の見分け方 蝶研フィールド163
♀ 石垣島  1986年9月8日 佐々木茂 ♂ 同左裏面 蝶研フィールド8 ♂ 西表島  1992年10月2日 田中伸一 蝶研フィールド91 ♂ 与那国島 1993年8月6日 葛目靖 蝶研フィールド97
♀ 西表島  1990年9月14日 秋葉国広 蝶研フィールド59(フィリピン・ミンダナオ亜種) ♂ 西表島  1992年9月5日 秋葉国広 蝶研フィールド90 ♀ 西表島  1992年9月8日 秋葉国広 蝶研フィールド90 ♀ 西表島  1992年9月8日 秋葉国広 蝶研フィールド90
♀ 与那国島 1996年8月8日 廣本一信 蝶研フィールド157 ♀ 与那国島  1996年7月26日 田中敏博 蝶研フィールド168 ♀ 西表島  1992年9月10日 杉本雅志 同左裏面 蝶研フィールド107(本号に写真は掲載されていない)
♂ 西表島  1992年9月13日 杉本雅志 同左裏面 蝶研フィールド107(写真なし) ♀ 西表島  1992年9月9日 杉本雅志 同左裏面 蝶研フィールド107(写真なし)
♀ 沖縄本島  1979年8月31日 藤原孝夫 蝶研フィールド15 ♀ 波照間島  1990年9月13日 小路嘉明 蝶研フィールド57 ♀ 西表島  1990年9月11日 杉原茂夫 蝶研フィールド57 ♂ 竹富島 2005年8月12日 塩野崎雅夫 蝶研フィールド235
《文献覚え書き
【2016年度発行文献より】

 1♀ 石垣島富野 2016年8月6日 熊谷隆、1♀ 石垣島底原 2016年8月17日 熊谷恵子「石垣島でニセミナミコモンマダラを2頭採集」季刊ゆずりは71、62.
参考資料》
【参考文献】
本種に関する蝶研フィールドについて(数字は通巻号数)
 佐々木茂 ターゲットは迷蝶台風13・14号の置き土産 8
 藤原孝夫 沖縄本島名護においてミナミコモンマダラを採集 15(57号でニセミナミコモンマダラに訂正された)
 藤原・三上・小路・米谷 1990,迷蝶の季節 57
 杉原茂夫 1990年9月に八重山で記録した迷蝶について 57
 秋葉国広 夢色の瞬間(とき) 59
 秋葉国広 1992年秋,八重山諸島で得たマダラチョウ7種 90
 田中伸一 1992年,八重山諸島で採集した迷蝶 91
 新田智 沖縄・八重山で採集したマダラチョウ科の迷蝶 92
 葛目靖 1993年夏,八重山の蝶 97
 杉本雅志 1992年,八重山諸島で得た迷蝶 107
 廣本一信 八重山諸島で採集した蝶 157
 高橋直・菅原春良 ニセミナミコモンマダラの同定について 163
 田中敏博・田中由美子 1994年〜1999年八重山諸島で採集した迷蝶 168
 塩野崎雅夫 マラダチョウ科2種の記録 235