襟裳岬から竜飛岬
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 北海道でも太平洋側に面する地域の天候は冬の日本列島太平洋側と似ているようで日本海側の江差や留萌あたりでは時化模様の天候続いているような天気予報であったがここでは幸い海面も穏やかであった。
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 襟裳岬の灯台に接近したころには夜の帳が下り月はまだ昇らないため闇夜の中に灯台の光だけが陸地の在りかをを教えてくれる、北の海の日暮れは早く風も落ちた滑らかな海面を先を急ぐあまりエンジンの回転を2,500に保ち闇に向かい突き進む、上空には久々の星空が輝いていた。
 夜中のワッチはつらい、私は真夜中のワッチのため網走の電気量販店でヘッドッホン付きのラジオを買った、これで退屈さが少しはまぎれる、この辺りの日本の放送局の感度はあまりよろしくない、朝鮮語、ロシア語、中国語の放送がガンガン入ってくる、中波は夜間になると電離層で反射して遠くに届くのか、その次に強いのがどう言う訳かNHKの第二放送だ。
 あとから気がついたのですが、小倉から、釜山に向う時では、あれだけどこをチューニングしても外国の放送が入ってきたのに全く入らない、日本語の放送局がクリアーに受信できる、新発見だ。
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 噴火湾の入り口恵山、天気は快晴初冬の海面は空気が澄みきっているため遠くまで見渡せるそのため行けども行けども岬が近づかない。
恵山
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 鴎が一羽執拗についてくる左右に角度を変えヨットを観察しているようだ、何を考えていのだろうか、おそらく変わった見慣れない船であると思っているのだろう、そのように鴎の考えを憶測すると楽しくなる、まさかこのヨットはAbashiriportHok kaidoと書いてあるが韓国に売られてゆくとは思っていないだろう。
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 ここまで来れば潮の影響も少ない今回の津軽海峡はあまり潮流の影響は受けなかった潮首岬も難なく通過できた。
函館山
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 再び金森倉庫前に訪れることが出来た、夏とは違い晩秋の倉庫壁面には紅葉した蔦がとても奇麗で残り少ない陽光に鮮やかに映えていた。
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 給油の後夜の帳が下りた駅の近くの食堂でイカの生き造り実演で焼酎をあおりタクシーで函館山に登った、おなじみの函館山の夜景であるがやはり見ないで函館を去ると悔いが残ると思い観光等のゆとりのないYuoo氏を強引に誘った。
 夜の天候も安定しており海峡にはイカ釣り船の漁火もまばゆいくらいに輝いていた、彼は船が進まないと口数も少なくなる、気持ちがわかるので午前零時出航を持ちかけ1時ちょうどに函館港を後にした。
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 夜明け間もない津軽海峡を日本海に向けて航行中、鳥がやたらと騒いでいるその方向を見るとやけにあわただしく海面が波立っている、どうせイルカだろうと思っていたところ、それは最近やたらと多く放映されているマグロ漁の光景さながら100キロ級がジャンプしているではないか何度もそのジャンプの瞬間をとれないものかとシャッターを切ったが鮮明な映像は残っていなかった。
大マグロが飛び跳ねる津軽海峡
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 津軽海峡終盤に差し掛かった時潮風共に強くなり私のワッチが始まるためキャビンから這い出したところコースは極端に落とされ竜飛岬方向に向かっていた、理由は向かい潮で2ノットしか出ないので反流の潮をつかむため岬のほうに向かっているといっていたが間もなく突風が吹き荒れツーポイントリーフのメインセールもオーバーキヤンバス私がそのまま風下に舵を切ろうとしたがYuoo氏はメインハリャードを緩めてしまった、ラッシングがうまくできずシバしてセールが暴れずたずたになってしまい翌日半日を要し修理を強いられた。
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 突風は瞬間で20メータは越えたであろう波も3メータ近くになったので陸地に近ずき宇鉄漁港に避難した、港の中は時おりブローがくるがうねりが全く入らない良港であった。
 その日は雨も強く早めの晩酌を頂き寝ることにしたが夜中すごい強風でリギンがうなっていた。
 夜が明けると雨は上がったが依然として強風は落ちない、早速破れたセールの修繕に取り掛かった。
 午後1時過ぎまでかかりセットした後おそい朝食兼昼食になった。
 どうせ出港できないのだからと函館で仕入れた冷凍ジンギスカンとワインにしばしの至福にしたった。
 ここで何日も足止めを食らうのであれば太平洋岸にコース変更もあり得るのでないか、と考えが過った。
 食事の後3時のバスで竜飛岬に出かけることを提案し出かけた。
竜飛岬手前の宇鉄漁港に避難
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