石垣島〜台湾碧砂港〜基隆港11/29〜11/30
 座間味安護の浦ではうなりを上げる風の音を聞きながら2晩過ごし三日目の朝を迎えたがまだ完全には風は治まらない次は宮古島を通り越して石垣まで行くことにした、245マイルの航程だ、冬場の日本海と違いうねりは高いものの暖かいので快適である、しかし石垣島の灯台が視認出来る所まで来た2日目の深夜宮古島と石垣の中間あたりに八重干瀬(やびかんせ)があるがここを通過する際すごい潮流か艇は8ノットオーバーの感覚だがGPSでは2〜3ノット艇は左右に大きくローリングした、2度と通りたくない難所であった。
 目的地到着の時間を考えて出航時間を決めているが石垣港到着2時間前で夜が明けた、岬を大きく左に回り込むとそこには穏やかな海面が迎えてくれた、航路標識を確認しながら港に向かうとダイビングに向かうボートや島の間を行き交う高速船がひっきりなしに出てくるこの島には異常なほど活気が感じられた、特にジェット推進の連絡船であろうか40ノット位のスピードで次々と通り過ぎて行った。
 
 石垣島ではもちろん初めての入港であるので
あらかじめインターネットで八重山ヨットクラブに入港依頼のメールを送ったところ多くの返信をいただいた、特に今年ヨット八重山号で世界一周された前田さんから連絡ををいただき一昨日台湾クルージングから帰ったばかりです、台湾には何度も行っているのでサポートできますと、ありがたい返事をいただいた。
 指示どうり手ごろなヨットに横抱きしてしばらくすると海上保安官が二名来られていろいろ質問を受け一通りの書類の確認をされた、これは好都合これで出国するに際して海保に届けなくてもいいと解釈できるからだ。
 石垣では、いろいろ用事があった、まずは風呂、これはネット検索したところ銭湯はないがホテル日航八重山が1500円で入浴できるとあったので高安は論外早速自転車で向かった。
 次はコインランドリーでの洗たく、そしてドルの換金、まず郵便局に行ったが手持ちのドルがない琉球銀行でどうにか換金できた。
 その他これで日本とはしばらくお別れ食料は元より電気蚊取りのカートリッジなどメモにもとづき買い揃えた。
 前田さんがハーバに来られて、まず必要書類を台湾セーリングクラブにFAXします、現地に着くとクラブのボランティアが入国手続きを代行してくれるとのことで指示に従えばよいとアドバイスを受けた。


ヨットハーバーは50〜60センチクラスのアジのお化けのような魚の住処となっていた誰も興味がないらしい

 
 
 11月27日、金沢港を出発してもはや1か月韓国経由でなければもっと早い展開となっていただろうが天気予報では、この後あまり良くない、当初12月5日ころまで動けないようであったがよく確認すると29日と
30日が少しよさそうだ、これなら出港できる。
 座間味に滞在中、新居浜在住のヨットマン古川先生にメールした、先生は2年前ヨットで日本一周された際知り合いその後お付き合いさせてもらっている。
 先生は文部省の海外協力支援で台湾に派遣されとき、かつて日本が台湾統治時代金沢出身の八田技師が烏山頭ダムを建設した話は有名だが、古川先生はそのことを知り「台湾を愛した日本人」を出筆された方である、先生もヨットで台湾訪問を語っておられたが諸般の事情で実現されていない、台湾のいいところを沢山紹介頂いていた。

 11月29日朝早く出国の書類を作成8時30分税関に行った入管もスムーズに20分ほどで終わりハーバーに戻り出航準備をしていたところ前田さんがハーバーに来られて 台湾到着してから細かいアドバイスを受けた。
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 日が沈むと与那国島の灯台の明かりが確認できる幸いにも電話の圏内である国際ローミングに代わる前に安い電話代で必要なところに電話をかけた、夜中満天の星、いつも故郷の空ではオリオンやスバルが見る夜空は寒く長くは見ていられないしかしここでは見放題である。


 与那国と台湾のあいだを黒潮の本流があるらしい帆走では4ノットを切るようになったエンジンを2000回転回すが5ノットを維持するがやっと向かい潮はいやだ。
 残航20マイルを切るようになってから雨雲がところどころ出てきてこれをかわしながら進むしかし陸地は雨雲に遮られまったく見えない、とにかく入港が近づいたので台湾国旗とQ旗を揚げた。

 11月30日2時30分目的の碧砂港に迫る、それにしても高い防波堤要塞の入口のようだ10メートルはあるだろうかその上に大勢の釣り人がいる落ちたら助からないだろう、また港外の遠くから見える巨大ヨットのマスト入港すると150フィートはあろうかと思われるスループであった。
 
 
 ヨットのマストが数本見える一番奥の静かな岸壁を選び接岸すると二人乗りバイクが来た、エンジ色の制服を着た官憲それともガードマン後から聞くと日本語の少しわかる若者は海猿と答えた日本の海上保安官若しくは水上警察のようなものである、とにかく入国手続きは隣の基隆港に行かなければならないと言っている、私はネットで調べ古仁屋の葛西さんから紹介いただいた方のHPを見たところ碧砂港で入国した後陸路で入管に行った旨記載があつたのでこの方法を取ったのであるが、それは夏場のヨットレースの期間であったようで通常は基隆港に入港しなければならないらしく移動することにした。
 基隆港には約1時間の航程、港の奥に行くと合図をしてくれる男性が一名接岸の指示に従い話をすると石垣で紹介頂いた日本語の分かるる陳であった。
 しばらくするとボランティアの学生男女が現れ今からCIQに行きますと言って対岸の
古めかしい7階建ての庁舎に入った、陳さんはこの建物は日本が建てたものだと説明した。
 その内部は石川県旧庁舎によく似てた。
 
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建設中のヨットハーバー
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午前10時30分出航時々小雨も来降る天候であったが目指す台湾方向は明るく気持のよい出航であった、台湾碧砂港までは140マイル28時間の航程である明日午後には着ける予定である