石垣島〜宮古島〜久米島〜奄美大島古仁屋
 やはり日本は良い国だ入国審査が終わった後、すでに到着していたカタマランにお邪魔して台湾からの航海につい伺った、黒潮に乗り12ノットを記録したが与那国島あたりは海も荒れ波も高かったらしい、韓国のユン氏がよく言う、やさしい海はなかつたらしい

 石垣島は前回往路で入港して、風呂を訪ねたが坂道を上った高台のホテル日航にあり自転車で行くのも一苦労ここでは入浴をあきらめ、山と溜まった洗濯物を背負いコインランドリーに向かった、スーパーで買い物早々に出発して宮古島に向かうことにした、距離は80マイル順調に行って15時間午前3時出航した、風潮とも恵まれず午後5時ようやく伊良部島北端まで来たこのあたりに飛行場があるのか旅客機の発着が非常に多い国際空港並みだ不思議に思っていたところ後で分かったが訓練飛行でタッチアンドゴーをやっているらしい。
 宮古島の平良港に向かうのであるが湾が非常に奥深くところどころ浅瀬があり航路標識を見落とせない日の落ちかかったころようやくヨットたまりの防波堤に係留で来た。
 ここでは5月台湾とのレースがあり遠来の艇もチラホラ、バルセロナで買い大西洋太平洋を渡ったラグーン47若水も係留されていた。
 4月15日宮古島ではトライアスロン大会があるらしくその前日の土曜の夜も町の中心部では賑わっていたがホテルで入浴翌朝6時30分出航した、当初那覇に向けて進路を取っていた向かい潮なのか一向に速度が上がらないおまけに土砂降りの雨そして雷鳴、もう少し北に進路を取れば潮の流れも変わるだろうと思い久米島を目指すことにした、ここは一人乗りどこへ向かおうと勝手気ままシングルハンドのよいところだ
 日が暮れ薄暗くなった頃ヨットのわずかな明かりを求めてツバメが羽根を休めるようになった、丁度ツバメの渡りの時期なのだろうか中には疲労困憊朝になっても飛びたてないものも居た、さつき上がりの田園地帯を快適に飛び交うツバメを思い出したがこのような試練に打ち勝ち生き残った者だけがさも何もなかったように大空に舞うことが出来るのである、まさに自然の厳しさを垣間見たような気がした。
 中にはちゃっかり者の鳩のつがい、朝まで飛び立たなかった、足管が見えたので伝書バトのようだ。
 八年前の定年退職の年このヨットで沖縄を訪問をしているがその時は風の状況が悪く久米島に行くことが出来なかったことがあり心残りであった、そのこともあり久米島を選んだ、また北上すれば黒潮に近づくことが出来ると言う思いもあったからだ。
 滞在時間20数時間の短い間であったがオートパイロットの駆動ベルトを点検したところ相当なダメージがあり長く持たないであろう、神奈川の代理店から奄美大島の古仁屋に送ってもらうことにした、また大型のオートパイロットのリニアドライブもアメリカウエストマリンにオーダーした後、午後3時奄美古仁屋に向け出航た。
 久米島の北を黒潮が流れている、奄美大島まではやや迂回のコースになるがそれでもトライしてみたい、風の予報では北東の風が次第に南東に変わる予報だ19日午前9時頃になると東が強くなるそれまでに奄美大島大島海峡に入ることが出来ればと思って黒潮に乗った、流れる速度は北行き2,5ノット位か、その頃は北東風が10m前後艇は安定してクローズホルドで走る、夜が明けオートパイロットを停止ハンドルを固定してみた、何のことはないオーパイなしでも真っ直ぐ安定してコースを外れない、夕方までテーラーを固定したまま走ってくれた。
 しかしよいことは続かない、エンジンを見ると軽油が漏れているらしい確認すると3番のノズル高圧パイプから漏れていることが分かった、増絞めしても止まらない、燃料フイルターを点検するとかなりスラッジがある2か所とも交換それでも漏れは止まらない、ノズルを外したが完全に分解できない、仕方なく組み込んだところ幸運にも詰まっていたごみが取れたのか洩れは治まった。
 南東に変わる予報が全く変化がなく北東風のまま、これでは奄美に近づけない黒潮に乗り北上する一方、仕方なくセイルを下し奄美に進路を向けるが向かい風と潮か通常5,5ノット出る回転数で2ノットを切る速度しか出ない、このままでではとても奄美大島にたどり着けない、いっそのこと海が時化るが黒潮に乗り鹿児島まで行ってしまった方がよいかもしれない、しかし部品をオーダーして奄美大島古仁屋で受け取ることになっている、どうしても奄美に行かなければならない、そこで苦肉の策燃料の残量を確認エンジン回転を2800まで上げ向かい風と波に向かうことにしたそれでも4ノットを超えることがやっと、最大の危機、しかし耐えるより仕方がない大島海峡まで40マイル10時間の計算夜が明けると風は15mぐらいまでになった、ますますピンチ。
 大島に近づけば波も風も治まるだろうと思っていたがなおも悪い波と風で大きな波しぶきを上げて艇は突進する、この艇は最初ヤンマーの40psが載っていたが2年前78psターボー付きに交換した前のエンジンでは踏破できなかつたであろう、海峡中ほどまで来たところ午後5時ようやく波は治まったが風は依然強い、葛西さんに電話したところ係留を手伝うと言ってくれた。
 瀬戸内海の駅では広島から来たラグーン38のカタマラン4名グループが居て強風の中係留を手伝ってもらい接舷で来た、あくる日隣の徳之島から今朝出たと言う静岡のヨットが入港してきて3艇となった、しかし風は一向にやむ気配はなく吹き荒れている、今年は例年と違い気候が悪いと葛西さんは言っていた。
 そういえば太陽の活動の休息気に入り地球の気温も1度前後下がるのでないかそれに伴う天候不順、とテレビ番組で報じていた。
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