奄美大島古仁屋〜宮崎〜下関
 古仁屋で大修理、エンジンの冷却水は清水が循環しているがその清水を海水で冷却するシステムである、自動車で言えばラジエターの様なものだが船舶エンジンはより複雑で高価な部分である、以前から電蝕によるのか少しずつ漏れがありパッキンの交換をすればよいが部品がないので分解するとどうにもならなくなるので部品の調達できるところまでと我慢をしてきたのである、漏れている部分を分解するとパッキンだけでなく電蝕により交換を余儀なくされた、早速北陸ヤンマーに電話古仁屋葛西さんまで送って貰うことにした、離島にもかかわらず三日間で送ってきた、一通り修理を終えエンジンをスタートこれで安心しかし一週間を要してしまった。

上が新品で下が海水漏れを起こしたもの、左の蓋の部分が電蝕していた。
 もう一つの問題点、それはオートパイロットのリニアドライブだ、久米島で駄目元で分解してみた、10年近く使用しているためかところどころ潮をかみねじが戻らない、どうにかロッドのカバーを抜くとベアリングボールが散らばった、モーターは大丈夫だがロッド先端のプラスチック部品が破損しているためクリップリングが外れている応急処置で組みなおしたがうまく作動しなかった、そこで仕方なく久米島を発つときアメリカウエストマリンにオダーしてあった、これは意外に早く5日間で送ってきた、早速取り替えこれで万全、いやはや、動く整備工場だ、全部自前でやるからまだいいが、修理依頼すると大変だ。
 私が入港して二日目に32フィートのヨットが入った、この方は葉山を母港とする大滝さんでなんとあの三浦雄一郎エベレスト大滑降の撮影や、パリダカールラリーの映画の製作にたずさわった方らしく今度はヨットで日本海を北上したいので情報がほしいと言って居られた、5月から6月ごろ日本海に現れることでしょう見かけた方はお声掛けを。
 一通り修理を終え天候の回復を待ち4月27日古仁屋を発つことにした、大島海峡を西に抜けて曽津高崎灯台を回り今回はトカラ列島に沿い北上してできれば硫黄島に立ち寄りたかった、だがどうも29日大隅海峡付近を低気圧が通過して荒れ模様になるらしい、いっそのこと宮崎サンマリーナ迄行ってしまえば時化ても安心である又もや悪い癖二昼夜50時間のレグになってしまった。
 トカラ列島に沿って北上するがそれほど黒潮の恩恵を受けることはなかった、やはり西側を通らないとダメなのだ、次々と島のありかを灯台やGPSで確認しながら進むが夜が明けると中には白い噴煙を上げる島もあった。
 屋久島の手前でようやく黒潮の本流に乗ったのか7ノット位になったがそれほど期待に応えてくれなかった、海は穏やかでイルカの訪問を受けた。
 屋久島のシルエット、日中は中腹部は雲に覆われ頂上付近が見えていたが日が沈むと綺麗なシルエットが浮かび上がった
 宮崎サンマリーナに立ち寄り、予報通り夜半には雨風が強くなった、しかしここは奥まっているのでうねりはまったく入ってこない安眠できる良いマリーナだ、だが長居は出来ない今までいたマリーより割高だから。
 あくる日波は高いが東からの風、向かい風はいやだが東の風なら走れないことはない、午後1時出航ワンオバーナイトの下関に向かった。
 海上保安庁鹿児島保安からVHF12チヤンネルで日向灘風警報と報じていた、風は14m位波は3mから4mバシー海峡に比べれば序の口しかし夜半電圧がだんだん下がって行く、11,8ボルトまで下がるどうも充電をしていない、このままでは航海灯、レーダーオートパイロットまで使えなくなる、波は荒く陸に向かう風と波、又もやピンチオルタネーターを点検したところリード線がコネクターのところで1本断線していた、応急処置で復帰胸を撫で下ろした。
 幸いなことに豊後水道も連れ潮、その先関門海峡でも順調に走れば西行きの潮流ラッキーである。 関門海峡に差し掛かったところ三本マストの巨大なヨットとも帆船とも言える見慣れない船とすれ違った。操舵室のドアを開け手を振ってくれた。
 関門橋をくぐりふと門司側斜面に満開のつつじを見た、オケラネットやテレビで桜の便りは聞いていたがここで初めて季節感を感じた、やはり四季のある日本は良い国であることを実感した。
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