平戸〜萩
平戸大橋
平戸大橋
2017 H29 5/4(木)
         晴れ 長崎港→平戸瀬戸→北九州若松半島沖(日本海の玄界灘)
     5:45 出航。陸側の橋をくぐってから北の港口へ向かう。6:30北側の港口を出る、波は静か。
     五時方位からの太陽光がまぶしい、北の空にレンズ雲が三つ有る。

     7:00 朝食はたまご粥を2袋、梅干、チーズ、トマト、漬物が美味い。船酔いは治った。
     ふと左を見ると、昨日出航したAIDA号が軍艦島の右にいる。すぐに向きが変わり西に向いて
     走り始める。艇長は、試験航海をやっているのではないか、納品先のスペインへ行く前に
     ここで十分テストをしてからだろう。そうか、だから昨日はお祝い事が無かったのか、納得。
     スタボードタックのアビーム、機帆走6.1kt。三菱長崎造船所のオレンジ色のクレーンは
     遠くからでもよく見えていい目印になる。

     9:10  左舷に薄っすらと、しかし大きく五島列島が見えてきた。

     10:10 2時方位奥の方に佐世保造船所の白いクレーンらしきもの見る、前方には平戸島が
     見える、周りに島がいくつも見える海域にきた。晴れて風も心地よい。小島の南を東進していくと
     ヨットに会う、そのまま南下していった。

     12:40 平戸瀬戸に入った。穏やかだった海が更に静かになる、左側の平戸島と右の
     北松浦半島が近づき、緑の木々が茂りが緊張をやわらげてくれる。
     左側の平戸島は景色に変化が有り見飽きない。船の往来も少ない。
     ポートタック、クローズリーチ、6kt。 昼食は餃子、パックご飯、キャベツとトマトのサラダ、
     たくあん、キムチ、サバ缶、金麦とオリオンビールもうまい。風も心地よい、快適だ。

     13:50 遠くに見えていた平戸大橋の全体が見えてきた。瀬戸の幅が狭まっているのが分かる。

     14:25 平戸大橋の下を通る。橋を通る車の多いこと、つながって走っている。良いことだ。
     海峡に入ると右手の岬に12ー3階建ての大きなホテルのようなものが目に付く。
     左手には平戸城が見える。(艇長が教えてくれた)生い茂る木々から浮き出るように建つ城は
     とても目立つ。海峡を望むこんな場所にあればさぞかし、昔はにらみが効いたことだろう。
     海峡の出口の先は日本海の海流がぶつかって、てんでバラバラな不規則な波が立ち上がっている。
     波の高さは20センチくらいで小さいのだが不気味だ。
     前方の灯台の付いた小島の右を走り日本海へ出る。

     14:50 海は自然な波に戻った。うっかりしていた、いつからそうだったか
     海の色を気にしていなかった。日本海に入って突然気になって観て見た。
     見慣れた深い緑色だ、なんだか落ち着く、気にならない、もうあの太平洋の色ではなかった。
     9時方位に的山大島が、11時は馬渡島だろう、正面に東松浦半島が右から伸びてきている。
     メインのみ、クローズホールド5.8kt、艇長はスマホに精を出しておられる、F・Bのアップかな?。

     16:00 馬渡島に向かっている、ジブを出し安定、11時に島影が有る、色が薄い、遠い、壱岐だ。
     いつから見えていたのだろうか。その左に二神島がラクダのこぶのように見えている。
     右舷側の海は陸まで奥が深そうだ、伊万里市へ入っていくのだろうか。
     すこし進むと玄海原発のビル群が、原子炉のドーム屋根も分かります、1時の方位です。
壹岐〜唐津に向かう連絡船
17:10 馬渡島を越したら壱岐の左横に対馬が低く小さく見えた。
     転舵して加唐島の北に向かう、右手は九州。玄海原発から先をなぞると波戸岬の灯台が見えている。
     風見は正面 6.4kt、メインのみ。波が次第に高まる、波長が短い。

     19:50 イカ漁の漁場の端を通る。N33°45.760’ E130°01.308’ 水深42m
     まぶしい光玉が3個、海面が反射で光る。ボボボーとエンジンが轟く。各船はすこし距離を離して
     操業している、近くで22隻、外には更に25隻ほどの灯りが数えられる。
     玄界灘のイカ釣り漁は耳にしたことがある、これなんですね。漁師さん、おいしいイカをありがとう
     ございます。
     ここでエンジンが故障。エンジン停止。艇長がキャビンに下り、前室の後ろで××フィルターが
     詰まったーー。と大きな声を上げる。床板を外し中を覗き込んでいるのが見える。
     こんな所でこんな悪い波の時に・・、いやな予感。
     念のためコクピットで見張りをして、修理は艇長にやっていただくしか道はない。
     どんちゃか揺れる中で不自然な体勢でよくもまー、気持ちが悪くならないものである。
     修理完了20:20、燃料を飲んでしまったー、と言いながら涼しい顔で上がってこられた。
     エンジンがおかしくなった原因は、この大揺れで燃料タンク内のゴミが動いて燃料パイプを
     詰めたためだった。修理方は燃料ホースを外し、そこからタンクに向かって押し返すことでゴミを
     取り除くという実に簡単な理屈のやり方で治してしまった。

     20:50 左舷横に見える明かりが少呂島や、と教えられる。右手は博多湾、奥の空がぼんやり
     明るい、大福岡市の灯りだろう。玄界灘の海はますます荒れ、大隅海峡の時より悪い。
     完全に船酔いが完成した。前後不覚、艇長から「寝られ」と言われ、ありがたく寝かせていただく。
     ハーネスを置き前室へたどり着きマットに上がる。横になるが体が浮き上がり定まらない、
     ピッチングが大きい。投げ出した足は最悪、宙に浮き上がりドタッと落ちる。これが際限なく続く。
     100%おかしくなる前に船の重心に近いキャビンへ移る。
     長さの短い方のイスに寝て足を仕切り板に突っ張り、右手はテーブルの上に
     置いて突っかい棒にする。何とか許容範囲に入ったようだ。覚えているのはここまで。
     艇長は動じることなく静かに夜走りに入っている。
萩湾にアンカーリングフランスの客船
2017 H29 5/5(金)
         北九州若松半島沖(玄界灘)→萩漁港(山口県)で給油、昼食→温泉津港沖(島根県) 
     目が覚めると天窓が明るい、海が大荒れで揺れの少ないキャビンのイスに寝たはずなのだが、
     なぜ前室にいるのだろうか。気分は昨夜よりもましだ。6:40になっている。挨拶に上がる。
     右舷には緑の山並みが海岸から立ち上がり先々まで続いている。海面の上は岩壁になって
     中ほどから上が樹林、新緑の緑がすがしい。
     左舷に小さく島が見えている、見島と教えてもらう。N34°28.204’ E131°03.816’
     波0.6m 5.7kt 長門市がすぐ先だ。

     朝食はレトルトお粥と梅干。防寒ジャンパー、毛糸冬帽子、ハーネスを付けコクピットに出る。
     自分はただヨットに乗っているだけ、航海は全て艇長さんにやっていただいております。
     艇長さんありがとうございます。ヨットマンと言う言葉が有りますが、良く分かりません。
     自分が艇長を表す言葉はヨット人です。ヨットと一体になっている気がします。

     長々と同じような事を書いているようだ、反省しきりである。でもこれしかならない。
     先を急いでいい加減終わらせたいのだ。スピードを上げていかないと、あと少しなので
     何とかしたい。

     10:10 テーブル状の島が出てくる、七島見える。その間を抜け港に近づく。後方からも
     大きな船がこちらに来ている。
     テーブル状に見えていた島はどれもほんの少し本土側に傾斜している、その平らな所は
     畑になり家が建っている。中でも大きな島の一つにはギッシリと畑と家が有り立派な町に
     なっている。

     11:55 萩漁港のヤンマー営業所の前に着岸した。船酔いのリセットを期待する。
     スマホで給油の注文をしてからコンビニで弁当を買い昼食、ヤンマーの影で昼寝。
     日差しが暑い、思えば沖縄から雨に遇っていない、ぱらっと降った程度でいい日が続いている。
     艇長のスマホ情報では、九州の宮崎では東風の荒天でヨットは皆足止めになっていたそうです。
     長崎に進路を変えた艇長の判断は大変良かったのでした。

     14:30 燃料を入れて出航する。港外に大きな客船が停船している。
     フランスの国旗を揚げている、数万トンは有る。
     後方から来ていた船がこの船だったのだ。萩港には着岸できないのだが、寄港の用件が
     気になった。
     ふり返ると萩の町は右奥に有るようだ、大きなビルも沢山有る。背後は2−300mの山々に
     囲まれ静かな落ち着いた土地だ。江戸時代末期にこの地、長州藩から沢山の偉人が出た
     のだ。と艇長さんから聞かされる。艇長さん、学もあるんですね。
萩を出港したあと天気予報では夜明けから雨になるらしい、須佐港で一夜をと迷ったが走れるうちに先をとの思いで継走、しかし西の空で「雷神様」現れ睨まれているようだ。
夜になると夜光虫の光で照らされる
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