U-09 Musikfest AE506試聴

 その他問題点としては、昇圧トランス MT-500 は、アンプに接して置くことは好ましくないとマニュアルに明記されていますが、実はアンプ後方で出力ケーブルに密着しています。AE506も同様、機器の後方で何かと密着しています。右の画像が本来あるべきセットの姿です。


 最近、SPをセットした背面壁のパイン材が乾燥して共鳴音質が向上し、かつ音を伝えやすくなったようです。小編成曲では、この壁面とSP全体が一体となった音場を形成します。ピアノ、ボーカルとも 、濁りなく共鳴して美しく響きます。Westminster Rは、私の一つの夢ですが、部屋の壁までを利用した共鳴音響はなかなかのレベルに仕上がってきました。壁にもエージング効果があるのでしょうか(笑)。

 ただ一つ、部屋の設計段階でも迷ったのですが、窓を取り付けたのは失敗でした。生活空間としては、朝日を取り入れるのは快いことですが、中央部にラックや機器を置くと背面から直射日光を浴びますから、セットの自由度が制約されます。直射日光を受けない左側にラックを置くと、右SP迄のケーブル長は、どうしても4m弱となります。これは通常のケーブルとしては、長すぎてロスが多いと思われます。

 書き落としました。AE506は3年保証になっており、品質維持にかなり自信があるようです。
                       11th Nov '06
 独立EQアンプ Musikfest AE506MMの音質Impression。セット終了後、40時間程度音だし後の試聴です。
接続試聴機器の概要 : LUXMAN PD-300、SAEC WE-308N、DENON DL-305、MICRO MT-500、Musikfest AE506MM、LUXMAN L-540。スピーカーは、Victor FX-9 と SX-900 pirit 並列駆動 (高域をチェックするときは FX-9単独)。両SPをあわせねと容量200リットル弱ですが、SPと背面壁との間には300リットル-程の開放的な共鳴室が形成されています。低域はかなり増強される傾向なので、AE506MMの周波数特性切り替えはFrequen cy flatとしています。

 試聴盤は女性ボーカルとピアノ曲、バロック曲で、The Best of EMMYLOU HARRIS(Warner Bros)、オンブラ・マイ・フ/Kathleen Battle(SEVEN SEAS)、Triad/高橋真梨子(VICTOR) 、臨月/中島みゆき(AARDVARK)、シューベルト ピアノソナタNO18ト長調/ラドゥ・ルプー(LONDON)、ヴィヴァルディ四季/イ・ムジチ合奏団(PHILIPS)で行いました。

 透明感高く、良く見通しのきく音場を形成します。SNの高さは、この製品の最も優れた特徴でしょう。Freque ncy Rangeは最低域まで良く伸びていますが、決して曖昧だったり暗く重々しい低音ではなく、弾力的な締まりと量感とが両立したバランスです。音質は明るく軽やかで、晴れ晴れと分離良く拡がる繊細なハーモニーが美しい。音質はやや硬質系ですが、適度な暖かさを伴う表現と余韻感の描写が素晴らしく、バロック系音楽にはベストマッチです。LUXMAN L-540内蔵のMMイクォライザーも優れものですが、両者を比較すると、肉厚な豊かさを感じるLUXMANに対し、透明感と分解能で美音を聴かせるAE506が一枚上という感じです。

 エミルーが軽やかに歌うカントリーは、バックの弦楽器がとけ込んで弾み、とても快い。「Wayfaring Stranger」では、エミルーの口元の動きが見えるようだ。キャスリーンバトルのソプラノでは、声を張ったときちらりと硬質感が覗きますが、声帯のふるえを見事に描きます。中島みゆきの「雪」では、微妙に震えながら歌う息づかいと、悲哀の情感が伝わります。高橋真梨子の「桃色吐息」では、彼女の歌唱力とバックのきらめくような演奏とが競い合い、リアルに再現されて楽しい。サ行が僅かに目立つのは録音特性か。

 ルプーのピアノ曲は、手持ちレコードの中でも良い録音盤ですが、更にいっそう美しさを増して聞こえます。高域鍵盤の響きも素晴らしく聞こえます。ヴィヴァルディ四季では、軽やかで溌剌とした弦の響きを聴かせます。夏楽章のallegro強奏部では、弦のヤニが飛び散るような感じで見事です。

 初期段階では、音場形成と奥行き感がはっきりせず、音像が曖昧に振れたのですが、時間の経過とともに定位が明瞭となってきました。当初、一聴して高域寄りのバランスに感じ、高域が神経質かな? と感じた音質も、次第に滑らかさと響きの豊かさを増しています。Kathleen Battleのソプラノや、八神純子のハイトーンに伸びた高域で硬質感を感じますが、これはAE506の癖なのか、あるいは追加した「美音再生」カナレOFCケーブルGS-6の癖かは判断できません。別系統のortofon MC30S〜 LUXMAN L-540MC直受けに切り替えると、この傾向は弱まります。果たしてどちらが真実(なま)に近い再生音なのか?