U.Audio Impression : オーディオ機器やレコード、独自の評価と印象等
音響評価とかインプレッションは、表現するのも読み取るのも難題。両者の聴覚感度の違いや、音を重視する方、音響を聴く方、音楽を聴く方、その姿勢の違いは評価に大きく影響します。さらに、聴覚情報を表現したりイメージさせるコメント表現は、書き手と読み手が同じ音響体験を共有していない限り、想起されるイメージは一致しません。二重三重に主観的誤差が含まれる懸念があります。
では、定量的に示すなら、客観的な音のイメージが把握できるだろうか? 帯域の広狭、歪み、音の硬軟、音場再現性……等々、各ファクターを数値評価したグラフィック表示は妥当な手段だ。確かにデータとして音質傾向は把握できそうたが、そこから想起される音のイメージは……? それらのデータを反映させた音質イメージを想起できるのは、かなり専門的な音響のプロを除いて到底無理と思われます。仕方ない、『ああ、いい音だ……』、と表現すれば何か伝わるだろうか……?
屡々目にする発言で、『ケーブルや小さなパーツで音が変わりはしない』と。それは先にあげたような誤差の上に、さらにシステムの再生限界が要因かも知れません。人間の聴感は器機の精度より遙かに高度で、耳で感知した微細な問題は気づかぬ振りも良し、解決しようと追いつめるそこから先が趣味の世界か、底なしの泥沼です。