U-22 カートリッジ体験と評価
  f特バランス 低域 高域 音質 フォーカス 分解能 パワー感 スピード感 過渡特性 透明感 空間再現 総合評価
DENON DL-1000A 厚く滑か 2 natural  2 ★★★ 
DENON DL-305 厚く溌剌  2 natural  1 ★★ 
DENON DL-303 軟質  1    1  ★ 
DENON DL-304 ☆ 硬質  1   0  
DENON DL-103GL 芯ある音  1   0  
YAMAHA MC-1000 厚く溌剌  2 natural  ★★★ 
YAMAHA MC-100 溌剌   1    ★ 
YAMAHA MC-3 ☆ 厚い   0    
YAMAHA MC-4 温和   0    
YAMAHA MC-7 ☆ 溌剌  0    
SATIN M-21 ☆ 俊敏  1 ★   
LUXMAN LMC-1 繊細溌剌 2 natural  ★★ 
Technics 305MC MkU 繊細   1  natural  ★ 
AUDIO CRAFT AC-01 厚く芯ある   1 
  ★ 
Hiphonic MC-A6 薄目繊細   1     
audio-technica AT-33VTG☆ 溌剌   0  natural   
audio-technica AT-37E -1  繊細  高低異     
audio-technica AT-36E -1  -2  繊細  高低異     
Fidility Reserch FR1 MkU☆ 温和透明  0 ×   
Fidility Reserch FR1 MkV☆
-1  銀線癖有    0  ×   
ortofon kontrapunkt b 厚い   1  natural  ★☆ 
ortofon MC 30S 癖有  厚い  1    
ortofon MC 20S 0 溌剌   0   
BENZ MICRO Glider SL ☆ -2  -2  abnormal -2 abnormal -1  ×× 
GLANZ GMC-20E ☆ 軟質   0     
 1968年にTRIO主体のコンポを組んで、当時新発売のプレーヤーTRIO PC-400付属のMMカートリッジを、半年後FR1-MKUに替えて以来、MC(特に空芯型)の虜になり、以後MMは所有しても長期使用したことはありません。一時高出力タイプMCのSATIN M-21を使いましたが、YAMAHA MCとトランスを使用するようになった後は、プリ・メインアンプのMM入力が塞がって、高出力タイプは使えなくなりました。

 使用中のカートリッジは、DENON DL-1000A×2、DL-305×2、 DL-303、DL-103GL、YAMAHA MC-1000、MC-100、MC-4、AUDIOCRAFT AC-01、、HIPHONIC MC-A6、Technics MC305 MKU、Luxman LMC-1、audio-technica AT-37E、AT-36E、ortofon kontrapunkt b、ortofon MC-30S、MC-20S。

 これまで使用して、破損したり売却したり贈呈処分したモデルは、およそ使用年順に上げると、YAMAHA MC-7×2 (針交換1折損1)、MC-1000×3(針交換1折損2)、MC-3×2(折損1断線1)、HIPHONIC MC-A6(現在使用中とは別で断線)、DENON DL-305×2 (折損1断線1)、AT-36E(現在使用中とは別で折損)、GLANZ GMC-20E(断線)、AKG P8ES(折損)等々。売却または針交換処分は、FR1 MkU、FR-1 MkV、SATIN M-21、audiotechnica AT-33VTG、Technics MC205C-UL、Shure V15-V DENON DL-304、DL-207、BENZ MICRO Glider SLといった所です。

 いつの頃からか、それらの評価インプレッションをまとめてみたいと思っておりました。カートリッジの新製品価格が手の届かないものになって、むしろいにしえのモデルが身近に感じられる程ですから、シェルリード線を購入される方も事情は同じ様で、古いモデルの特性を訊ねられることも屡々です。しかし、試みようにも使用したそれぞれの時代毎に接続したシステムは違い、繋いだリード線やケーブル導体もまったく異質、さらに記憶と現実評価の違いは決定的相違です。そこで、現有モデル以外には☆印を附し、それらは試聴による絶対評価ではなく、記憶に残っている感覚としてご参考下さい。

 更に注意すべき点として、最近はほとんどがオークションやショップで入手した中古品ですから、これらが新品時の性能とどれほどの違いがあるかのは不明です。また、個体差による当たり外れも考慮しなければなりません。放出には理由があるはずで、ユーザーの好みと違ったか、使い切って性能が低下したか、あるいは悪い個体に当たったのかも知れません。BENZ MICROの例では、高度な品質管理で均一な品質の国産カートに較べて、どうも最悪の個体に当たったような気がします。前ユーザーから『これはどうやっても使えなかった』と聞き、放出した後落札者から『どこか壊れている』、と返品要請があったほど。Webで探ってみると、やはり元来の音質が暴れ者で、加えて個体差のブレも大きいようです。ここでは、品質管理や個体のバラつきも、そのまま評価されるべきと考えました。

 評価には、当然ながらユーザーの好みが反映します。ブランドの好みも影響します。私の場合は、ジャズボーカルとクラシック、特に女性の吐息重視(笑)、大音量のロック系はあまり聴きません。ですから、増幅初段はトランスを用いて、パワー感よりpp(ピアニシモ)の再現性、デリケートな歌い手の表情と、背景となる音場の再現性を重視します。大音量ロック派のリスナーとは、この点でまったく評価は異なります。MCタイプの場合、初段増幅方式との適否も関連しますから、これらの評価はトランスを用いている点も留意願います。
                                                     2014.01.31