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2005年11月9日
教え子のカミングアウト 「性同一性障害」
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 私が20代の時に担任していた教え子から突然メールが届きました。メールのタイトルには、旧名として当時の男名が書かれていました。ウーン旧名?と思いつつメールを開くと、そこには、次のように書かれていました。

「実は、私は、性同一性障害で、女性として生活してます。なんとなく違和感というものは、あったものの性同一性障害という言葉もまだなかった時代、本当の自分を否定して生きていかざるえなかった時代が続いてました。大学在学中も、ほとんどひきこもり状態でした。そんな中、性同一性障害という言葉をテレビやマスコミなどでとりあげられてるのを耳にして、自分だけじゃないんだ、その人たちも立派に社会の一員になってるんだと、すごく勇気づけられ、とても励まされました。そして5年ほど前から通院し始め、現在もカウンセリングやホルモン注射を行っております。体も姿も女性として見られるようになり、現在では、女性として就職活動中です。」
 
 これを読んで、私は少しびっくりしましたが「あーそうなんや、そうだったんや」っていうぐらいの気持ちで、そんなに驚くことではなかったので、そのことを彼女に伝えると「先生のメールにうれしくて涙してしまいました。」と返事が返ってきました。
 私は、10年前、アメリカに行った時に「同性愛者」に数多く出会い、「性」についてあらためて考え直すことがありました。そして6年前に、人権の講演会で「あべまりや」さんという方のお話を聞きました。普段は男性だけど、週末は女性として生活していますという方でした。正直に言うと最初は「なんか変や」って思っていた感情が、次第に「あーそうなんや、人間ってそうなんや」っていう自然な気持ちに変わっていきました。それ以来、私の中に「性同一性障害」っていうことが、抵抗なく入るようになり、「性」に関するNPOの方とも連絡を取り合うようになりました。でもまだまだ社会での認知度は低く、彼女も偏見や差別にはずいぶん苦しめられたようです。彼女のメールの最後には今後は、一人でも多くの人に人権を尊重し偏見や差別のない世の中を知ってもらい、誰もが人として生きていける世の中を作りあげていきたいと願っております。」というふうに書かれていました。


 私は彼女に「このカミングアウトのこと、ホームページに載せてもいいか?」と聞くと、「性同一性障害で苦しんでいる人のためにも、是非載せてください」ということでした。「誰もが、人として幸せに生きていける世の中」 そんな当たり前の社会にするために、私もがんばりたいと思います。  尚美、一緒にがんばろう!  (尚美は仮名です)
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Posted by naka602 at 13:50 | TrackBack (0)
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