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2006年3月15日
体育の家庭教師
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 最近、テレビ等で「体育の家庭教師」のことがよく話題になっています。あーそんな時代になってきたのかって何か気持ちが暗くなってしまいました。受験のために逆上がりを家庭教師に教えてもらう、運動不足だから家庭教師をつけてもらう、体育に自信をつけさせるために家庭教師をつけてもらう・・・・何か変ですね。
 
 こんな状況を見てて私はくやしいですね。今、小学校では体育の時間が週3回だったのが週2回になってきています。(正確にいえば年間105時間が90時間に減りました。週3回と週2回の時があるということです)体育の時間がだんだん軽視されているのは明らかです。子どもの成長にとって、体育はすごく大事な時間です。私は「体育とは人間の生き方を学ぶ時間」って考えています。体の成長にとって運動はもちろん大事なことですが、心の成長にとっても体育は大きな役割を果たしていると考えています。
 「逆上がり」のことを例にあげると、それは「逆上がりを教える」というより「逆上がりで教える」っていうのが体育の授業なのです。「逆上がり」という教材を通して、子ども同士が、こうすればどうだ、ああやればどうだって悩み苦しみながら教え合い励まし合いながら、逆上がりが出来た時、子どもたちは大きな大きな人生の生き方をつかむのです。これが体育の授業なのです。逆上がりは「出来ない」より「出来る」方がいいでしょう。でも、ただ「出来た」という結果だけを目指すのは「体育」ではありませんし「教育」ではありません。もちろん「子育て」でもないでしょう。
 体育は「出来る出来ない」「速い遅い」「勝ち負け」などがはっきり見えてきます。それによって嫌な言葉をかけられたり傷つくこともあります。でも、だからこそ人間関係が育つ絶好の機会なのです。こういう場面での教育が人間を本当に優しく大きな人間に育てるのです。だから「体育は人間の生き方を学ぶ時間」なのです。
 
 1ヶ月ほど前に、豊中に講演に行く道中でこんな光景を見ました。玄関先で3年生ぐらいの子が一生懸命に縄跳びの練習をしているのです。失敗しながらも何度も何度もやっているのです。するとそこに玄関からお母さんが出てきました。ニコニコされながら何か声をかけておられました。
 それを横目で見ながら、なんだか私の心は温かくなっていきました。わざわざ体育の家庭教師を呼ばなくても、こんなすばらしい家庭の教師がいるじゃありませんか。

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Posted by naka602 at 07:32 | TrackBack (0)
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