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2014年7月3日 |
尼の誇り |
6年生の理科「植物の呼吸(光合成)を調べる」。 結論から言います。 凄い授業でした。感動しました。さすがマイスター教員です。 尼崎の先生で、中田先生の授業をまだ見ていない人は、今すぐ見に来るべきです。市外や県外の先生は年休とってでも、旅費がかかってでも見る価値はあります。 中田先生も退職まであと少しです。もう時間はありませんよ、みなさん。 今日の授業は、子どもたちに人気がない植物教材です。 なのに、この6年生たちは、バリ一生懸命に取り組むのです。 (※「バリ」とは「めちゃ」という意味です。中田先生が使います) よく動き、しっかり発表するのです。 凄いです。正直ちょっと信じられない光景でした。 ふつう授業を見ていると「あの子がちょっとなあ」と気になる子がすぐにわかる のですが、今日の授業ではそれがわからないのです。きっとこのクラスにもしん どい子がいるはずです。でもその子が目立たないのです。 中田先生の声は小さいです。でも子どもたちはよく聞いているのです。いえ、 正確に言うと「聞きたい」のです。聞きたくなる中田先生の言葉なのです。 中田先生は「聞く『しつけ』は指導します」とおっしゃっていましたが、 ただ聞け!だけではだめなのですね。聞きたくなる話をすることが大事です。 中田先生はそのために「準備」に多くの時間をかけています。 でも中田先生にとっては、その準備の時間こそが「楽しい」のです。 「教師が楽しめるものは、子どもも楽しめる」 「簡単に手に入れたものは、簡単に忘れる。でも苦労して手に入れたものは 忘れないし、価値がある」 それは子どもたちも同様です。中田先生の授業では失敗や間違いや戸惑いが とっても重要です。先生はすぐには教えません。子どもたちはそれを楽しんで いるようでした。 こんな場面が最後にありました。 アンモニアの刺激臭に中田先生の顔がゆがみます。 そして「オジギソウにアンモニアを嗅がせるとどうなると思う?」 と子どもたちに問いかけ、オジギソウに嗅がせます。 するとオジギソウはアンモニアに反応し、すぐに閉じてしまいました。 「わあーーー!」子どもたちは驚きます。 もし私だったら、そのあとに教師らしく?「なんでと思う?どうして?」 ってすぐに質問をするでしょう。 でもその時の子どもたちの興味は、オジギソウが閉じたことよりアンモニアの 刺激臭です。自分も嗅ぎたくてしかたがありません。 すると中田先生はアンモニアを嗅がせてやります。 顔をゆがめる子どもたちを中田先生はニコニコ見ています。 しばらくすると、子どもたちは今度はオジギソウを見に来ていました。 教師がさせたいことより、子どもが今何を感じ、何をしたいのか。それが優先 されます。やはり中田先生の原点は「子どもの姿」なのです。 理科室も少し紹介しておきたいです。 ここの理科室は、楽しい部屋です。入り口から楽しいものばかりです。 私も楽しくてずっと部屋中を見ていました。 実は、休み時間も鍵はかからず開放されています。 誰でもいつでも入ってもいいのです。 南側のコーナーは自由にさわっていい所です。実験もOKです。 北側のコーナーはさわらないでの所です。時々さわる子もいます。 先生は注意はしますが、心の中では許しています(笑) 展示物も少しずつ入れ替わっていきます。だからまた来たい。 なぜかわかりませんが、イチローやジュラシックパーク、宇宙兄弟の ポスターもあります。あっ相棒もありました。 ワールドカップの優勝予想投票もあります。もう遊び心満点です(笑) あとの研修会で中田先生がこんな話もされました。 脈拍のことを勉強したあと、A子は自分でいろいろな場面を想定して 脈拍の変化を調べてノートにまとめてきました。 食事の前と後、勉強の前と後、運動の前と後、テレビの前と後、 入浴の前と後、そして睡眠の前と後。 自分で手首の脈拍を計るのですが、睡眠中だけは自分で計れません。 それでお父さんにA子は頼みます。3回とってもらったようです。 そのノートを見て、中田先生はA子の自主勉強に感心しつつ 「思春期を迎えた6年生の娘の寝顔を見ながら、手首をとり脈拍を計る父親の 姿を想像して温かい気持ちになった。この父娘はいい関係だと安心した」 と話されました。 こんな人間味あふれる中田先生です・・・「中田先生は尼の誇りです」 |
今日は、尼崎市のマイスター教員による公開授業研修講座の第2回目が行われました。授業を公開するのは、尼崎市立七松小学校の中田真一先生です。
Posted by naka602 at 21:35
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