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2015年6月27日
担任は若い男の先生
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朝日新聞に、益田ミリさんの「大人になった女子たちへ」という連載があります。これがなかなか面白くていつも楽しみに読んでいます。今回のテーマは「夜の新幹線 めくるめく匂い」でしたが、私も夜の新幹線に乗ることが多いのでよ〜くわかりました(笑)

私は保育士さん、幼稚園の先生の研修会に行くことも多いのですが、
その時にいつも紹介するのが、
「はやくはやくっていわないで」(作・益田ミリ 絵・平澤一平)
という絵本です。
でもこの絵本に限っては、読み聞かせをするのではなく、
新刊の時に挟み込まれていた益田ミリさんの文を紹介するのです。



 わたしの心を温かくしてくれる思い出のひとつに、小学校一年生のときの
教室でのできごとがあります。
 その日、クラスのみんなでクジ引きを引くことになりました。なにをもらう
ためのクジだったのかは忘れてしまったけれど、楽しい雰囲気だったから、
きっとレクレーションの時間だったのでしょう。
 担任は若い男の先生でした。順番にクジを引きなさいと先生が言ったので、
生徒たちはいっせいに前に走っていきました。
だけど、わたしはグズグズしていて出遅れてしまった。
クラスメイトの中で一番ビリ。
こんな最後に並んだら、もういいものなんてもらえない・・・・・。
そう思うと悲しくて、せっかくの楽しかった気持ちもしぼんでしまったのです。
 すると、思ってもみないことが起こりました。
先生がわたしのところにやってきて、みんなの前でこう言ったのです。
「一番最後に並んでえらかったな」
わたしは先生に誉められてびっくりしました。
びっくりしたけど、すごくうれしかった。
うれしくて、うれしくて、もう35年も昔のことなのに、
思い出すと今でも温かい気持ちになるのです。
 先生は、最後の子供までちゃんと見ていて、待っていてくれた。
はやくはやくって言わないで、待っていてくれたのです。
 励まされたり、なぐさめられたり、人はたくさんの言葉を受け取って
前へ進んでいく。でも、一番うれしいのって、
誰かが待っていてくれたことじゃないかなとわたしは思うのです。

ながく読みつがれる絵本になることを願って。
             2010年10月  益田ミリ



益田ミリさんのエッセイには、いつも優しさがあります。
きっとこんなステキな先生に出会ったのも一つの理由なのでしょう。



※今回の紙面の中に「マッカラン」というウイスキーが出てきます。
実は実は、あまり飲まない私が唯一お店でキープしているお酒が
「マッカラン」です。ちょっと嬉しい(笑)
久しぶりに「マッカラン」に会いたくなりました。




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Posted by naka602 at 11:16 | TrackBack (0)
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