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2016年6月12日
おにぎりのかたち
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1か月前に、原田マハ「本日は、お日柄もよく」を読んだ感想を少し書きましたが、今回も原田マハ「生きるぼくら」(徳間文庫)のことです。私はこんな小説が好きです。こんな話にめちゃ感動してしまう私です。
内容は明かさないのですが「おにぎり」がキーワードになっています。

「どうしていいかたちかっていうとね、人の手で結ばれたかたちを
しているからだよ」
ふたつの手と手を合わせて、ほっこり握る。それがおにぎりのかたち。
これを食べる人が健康でいっぱいご飯を食べられますようにっていう、
作った人の祈りのかたちなんだよな。
なるほど、そう言われてみると、ばあちゃんの作ってくれたおにぎりは、
そのまんま、ばあちゃんの手を結んだかたち、ばあちゃんの祈りのかたちに
見えてくる。
コンビニのおにぎりが味も素っ気もなく見えるのは、機械が作ったかたち
だからなのかもしれない。


私が担任だった頃、給食のご飯が余った時は、残りをおにぎりにしていました。
するとご飯は全部売り切れになります。
「おにぎり、欲しい人? ハイ欲しい人並んで〜」と言うと
子どもたちはわぁーと言って並んできます。
そして机から塩を出してきて、私はその並んだ人数を確認してから、
並んだ人全員におにぎりが行き渡るように大きさを考えて握っていきます。
人数が少ない時は大きいおにぎりに、人数が多い時は小さなおにぎりに
なります。時には人数が多すぎて、小指の大きさぐらいのおにぎりの時も
ありました。そのちっちゃいおにぎりをほおばりながら
「先生のおにぎり、おいしい〜!」
といつもいつも言ってくれるのです。

私が直接握るので「先生の手で握ったら、汚いよ〜」と言う子もいますが
すると他の子が「じゃあ食べるなよ。でも先生の美味しいねんぞ」と
言ってくれます。一応私は手を洗っています(笑)
※今の学校では、それは不衛生って、問題になるのでしょうね。
 昔はいい時代でした。


私の母親(92歳)は、昔、私にこんなおにぎりを作ってくれていました。
おにぎり1個ずつアルミホイルで包み、それを6個まとめて袋に入れて
持たせるのです。この方法はとても食べやすく、弁当箱ではないので
帰りは軽くなるのです。部活の試合の時には、これがとても便利でしたし、
アルミホイルに包まれたおにぎりは、なぜかとても美味しいのです。
私にとっては、これが母のおにぎりの味なのです。

昨年、九州へ仕事に行く際、昼食を取る時間がなかったので新幹線の中で
軽食を買って食べるつもりでしたが、その日の朝、ふと母のおにぎりの
ことを思い出し、ジャーに残っていたご飯をおにぎりにしてアルミホイルで
包み、袋に入れて持っていきました。
新幹線の中で袋から出すと、かたちはゆがんでいましたが、そのおにぎりの
美味しいこと美味しいこと(自分で作って自分で言うか(笑))
その味が忘れられなくて、今年の2月にも東京行きの新幹線で食べました(笑)


今日は甲子園球場で掛布監督の2軍戦(阪神vs巨人)がありました。
行く途中にコンビニでおにぎりを買って、野球観戦をしました。
コンビニもおにぎりも美味しかったです(笑)


今、母親は体調を崩して入院中です。
食が細く栄養士さんも心配して、いろいろ工夫してくださっています。
あの給食で作った小指のようなおにぎりをアルミホイルに包んで持って
いったら食べてくれるかな。



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Posted by naka602 at 21:24 | TrackBack (0)
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