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2017年8月13日 |
母の言いつけ |
そんな母ですが、私は 「母の言いつけ」で、61年間ずっと守っていることが二つだけあります。 一つは 「煙草は吸わないでね」 という言いつけです。 父がヘビースモーカーだったので、それが母はとても嫌だったようで 事あるごとに「あなたは煙草は吸ってはダメよ」と言われ続けていました。 確かに煙草のせいで、蛍光灯の傘は黄色くなっているし、灰皿はいつも いっぱいでこぼれ出ることもありました。おまけに煙草が切れると機嫌が 悪くなるという最悪のこともありました。 そんな父を見て、母は 「あなたは吸ってはダメ」 といつも言うのでした。 私には中学高校時代、いろんな友達がいましたから、中には煙草を吸う奴も いました。でもそれに流れされることはありませんでした。 そんな時、いつも母の顔が浮かぶのです。 二つ目は 「冬山には登らないで」 という言いつけでした。 これはどういうことかというと テレビで冬山の遭難のニュースが流れるたびに 「家族がどんなに悲しいか。そんな我が子の死は受け入れられない」 とテレビに向かって、いつもブツブツつぶやくのです。 煙草のように「絶対だめよ」と私に直接言わないのですが、 冬山遭難のニュースのたびに「悲しい、悲しい」とつぶやくのですから 私は知らないうちに洗脳されていったのです(笑) その結果、冬山どころか夏山にも登らない私になってしまいました(笑) 母の言うことを、素直にきかないことも多々ありましたが、 この2つだけは生涯守り通しています(笑) これだけは親孝行していると確信できることです(笑) 母は、 学校現場にいる時、あの東井義雄先生と一緒に勉強していた人です。 大学に内地留学の時には、あの有名な心理学者の河合隼雄さんと一緒に 研究していた人です。 東井義雄先生も河合隼雄さんって、私にとったら雲の上のような人で 書籍上しか知らない凄い人なのです。 それはずっとずっと昔の時代のことです。きっと母は「女だてらに」なんて 陰口も言われたこともあったと思います。でもそんなことにも負けずに そんな先生と一緒に学んでいた母を、私は本当に誇りに思います。 そんな中で子育てもしていたのですから、母は凄過ぎます。 どうかどうかまだまだ長生きしてほしい。 そう願うばかりです。 |
今日8月13日は、母の93歳の誕生日です。病院に行って「おめでとう」と言ってきました。認知症もなくしっかりした母ですが、さすがに体は弱ってきて、大好きだった本も今はあまり読めないようですが、私が持っていったパイオニアのヘッドホンをつけてテレビをよく見ています。腕には私が愛用していたG-SHOCKの腕時計をしています。大きくて見やすいと母は言いますが、それよりお医者さんや看護師さんから「カッコイイ時計ですね」と声をかけられるのが嬉しいようです。
Posted by naka602 at 23:03
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